幼児の恋愛感情について知ろう!親の対応のコツや初恋エピソード
子どもが突然、「◯◯くん(ちゃん)と結婚する!」といいだして驚いたということはありませんか?「初恋」というと思春期のイメージがありますが、実は幼児期に初恋を経験する子どもも多いそうです。今回は幼児の恋愛感情や、子どもが恋をしたときの対応のコツを、エピソードを交えて紹介します。
ママたちが気になる幼児の恋愛事情
年長さんになると初恋を経験する子が増える
初恋の時期について、発達心理学を専門とする山口芸術短大の中尾達馬准教授が、園児と短大生を対象に調査を行いました。その結果、対象者の約50%が幼児期に初恋を経験していることがわかったそうです。
園児を対象にした調査では、年中児の多くが同性を「好きな子」と答えたのに対し、年長児は半数以上が異性を挙げるという結果も出ました。年長さんになると初恋を経験する子が増えるといえます。
「幼児の恋」に不安を感じるママもいるかもしれませんが、珍しいことではないようです。
好きになる理由は容姿や性格、親しさが関係
中尾達馬准教授は、「好きな子」に異性を挙げた園児と、幼児期・小学生で初恋をしたと答えた短大生を対象に「どこが好き・好きだったか」の調査も行っています。
その結果、園児は「かっこいい」「かわいい」といった「容姿」を挙げた子どもがもっとも多く、「家が近い」「通園バスが一緒」といった「親しさ」がを挙げた子どもが次いで多くなったそうです。
また、短大生を対象にした調査では「容姿」と「親しさ」以外に、「優しさ」「面白さ」などの「性格」や「運動神経」も挙がりました。大人も子どもも、好きになる理由は似たようなものなのかもしれませんね。
恋愛というよりも「対人関係の広がり」
愛の三角理論とは、愛は「親密性」「情熱」「コミットメント」という三つの要素から成り立っており、その強さによって「愛の形」を分類できるというものです。
・親密性…好意や尊敬といった感情的な要素
・情熱…性的欲求や一緒にいたいという身体的な要素
・コミットメント…関わりを持とう、維持しようという意志
愛の三角理論において、「恋愛」は「親密性」と「情熱」が強い形とされています。幼児の場合は「情熱」が低いため、恋愛というよりも好意や友愛といった「対人関係の広がり」といった方が適切かもしれません。
子どもに好きな子ができたらどう対応する?
子どもの心の成長を温かく見守ってみよう
子どもに傷ついてほしくないという気持ちは、親として自然な気持ちです。しかし、子どもには子どもの世界があり、子ども同士の関わり合いのなかでしか身につけられない力もあります。
相手に「嫌い」といわれたり、ライバルに意地悪をされたりするかもしれませんが、それを乗り越えることも心の成長には大切です。できるだけ子どもに任せ、温かく見守ってみましょう。
ただし、「構ってほしくて叩いてしまう」というようなときは、「してはいけない」と伝えてくださいね。
過剰に反応せず、自然に対応することが大事
しかし、恋というものはデリケートなものです。「興味を持ってくれて嬉しい」という子どももいますが、「恥ずかしい」「話したくない」という子どももいるため、あまり聞きすぎないようにしましょう。
また、「やめなさい」というのもよくありません。子どもが「気持ちを否定された」と感じてしまうだけではなく、「人を好きになるのはよくないこと」と勘違いをしてしまう可能性もあります。
恋をする気持ちは自然なものです。過剰に反応せず、「そういうこともある」とゆったり対応するとよいでしょう。
「チュー」は制限したいと思うママも多い
しかし、お友だちとの「チュー」は、制限したいと思うママも多いようです。とくに、口にするキスは「特別」「虫歯がうつる」などの理由から、「親子でもダメ」というママが多いのではないでしょうか。
子どもにとってキスは「好意の表現」ですので、キス以外の表現方法もあることを伝えてみましょう。また、衛生的に問題がない「頬へのキス」などは、ある程度許容してもよいかもしれませんね。
口へのキスは、「特別なキスだから、してもいいかよく考えてね」と話すとよいでしょう。子ども自身が考えることで、自分を大切にするという意識が芽生えますよ。
思わずほっこりする幼児の初恋エピソード
両想いの女の子と幼稚園でチューをしていた
5歳になる息子が、両想いの女の子と幼稚園でチューしていたことを知ったあるママは、「風邪がうつったりするといけないから」と、やめるように伝えたそうです。子どもは恥ずかしがりながらもきちんと理解し、キスをすることはなくなりました。
子ども同士は以前から仲がよく、頬にキスする様子もあり、ママは微笑ましく見守っていました。しかし、チューについて話した後、男の子は「ほかの子が好きになった」というようになったようです。
恥ずかしさから、女の子のことを素直に「好き」といえなくなってしまったのでしょうね。仲がよかっただけに、少し切ない話です。