子育てにご褒美はあり?なし?上手な使い分け方を教えて
「○○できたらおもちゃ買ってあげるね」などと、ご褒美を目的に子どもをやる気にさせることがあります。素直に聞いてくれる様子を見て大人もついついご褒美に頼りがちです。しかし、慣れすぎてしまうのも考えもの。ここでは上手なご褒美の使い方についてご紹介します。
頑張ったらご褒美は子どもにとって悪影響?
親としては、ついご褒美に頼りたくなります
ご褒美を使いたくなる要因として、「思いどおりに物事を運ばせたい」という親の気持ちも関係しています。たとえば、「食事の時間だから早くおもちゃを片づけてほしい」「園に間に合わせるために早く朝食を食べてほしい」などといったケースです。
常に子どものペースに合わせて生活ができればよいのですが、現実的には難しいですよね。なかなか言うことを聞いてくれずママはイライラ。そんなとき、即効性のある「ご褒美作戦」は効果てきめんなのです。
「◯◯ができたら◯◯してあげる」はNG?
上手にご褒美を使えばやる気にも繋がるかもしれませんが、ご褒美に慣れてしまうと貰えることが当たり前になってしまいます。次第に要求するご褒美の内容がどんどんグレードアップしますし、ご褒美がなければ行動を起こさないことも考えられます。
本来はごはんを残さず食べる、きちんと片づけるといった生活習慣は、ご褒美のためではなく、本来は自分自身のためですよね。つい「はい、ご褒美」と安いおもちゃなら買ってしまいますが、子どものころから習慣化させてしまうのは考えものです。
頑張りを物で与えては物欲しか満たせない
そのときはとても嬉しい気持ちになりますが、与えられた「物」に飽きてしまえば、また別の「物」を欲しがることでしょう。こうした繰り返しは「物の欲求」が増していくだけです。
「欲しいものはちょっと頑張ればなんでも買ってもらえる」という考えが子ども心に刷り込まれるだけで、物が貰えなければ行動しない子どもになってしまいます。ご褒美の要求はどんどん加速し、これでは経済的にもキリがありません。
ご褒美との上手なつき合い方をご紹介
ご褒美をあげるのは「長期的な物事」のとき
たとえば、挨拶ができる、きちんと片づける、ありがとうが言えるなど人としての基本的な習慣ができたときにご褒美をあげてみます。
このような人としての基本的な習慣に対してご褒美を与えることで、子どもはマナーや常識を身につけることができます。小さな子どもなら、「自分で着替えられるようになった」「約束を守った」など、成長に合わせて様子をみながらご褒美を与えてみてはいかがでしょうか。
結果だけでなく過程に対しても目を向けて
親が結果ではなく、その過程にご褒美を与えるようにすれば、子どももおのずとやるべきことが分かり、結果に結びつきやすくなるのではないでしょうか。「登園に間に合った」という結果に対してのご褒美よりも、「登園に間に合うように、朝ごはんを〇時までに食べ終えた」といった過程から判断してご褒美を与えるとよいでしょう。ご褒美のルールによっては、子どものやる気を奮い立たせることができますよ。
自主的に頑張ったときもさりげなくご褒美を
また、ご褒美をもらって嬉しいという気持ちはもちろん、「もっとママとパパを喜ばせたい」「ママとパパはいつも自分のことを見てくれている」という気持ちが子どもの心の中に芽生えることでしょう。
あらかじめご褒美の約束をしていなくても、自主的に頑張ったことに対しては、たくさん褒めてくださいね。続けていくことで子どもの中に自己肯定感が生まれ、何事にも前向きに取り組めるようになります。
子どものやる気を引き出すご褒美とは?
頑張ったらシールが貼れる「ご褒美シート」
シールやスタンプが目に見えて増えていくことで、子どものやる気や満足感を持続させる可能性があります。目標は、お手伝いやお片づけなど、身近にあるものの中から決めるとよいでしょう。
トイレでおしっこができたらシール1個、うんちできたらスタンプ1個など、トイレトレーニングのモチベーションアップに導入している家庭も多いようです。シールやスタンプは市販のものでもよいですし、ママと一緒に手作りしても楽しいかもしれませんね。