祖父母からの子どもへの金銭援助、知っておきたいこと注意点は?
かわいい孫のために援助をしたいと考えるおじいちゃん、おばあちゃんもいるでしょう。それは、パパやママにとって大変助かり、ありがたいことですね。しかし、むやみにいただけるものをすべていただいていては、あとあと困ることも出てきます。それを少しご紹介します。
祖父母からの教育費援助に贈与税がかかる?
子どもの教育費をその場で払ってもらったら
お金や不動産など資産となるものをもらうと贈与税がかかるというのは、パパもママもご存知でしょう。それなら、洋服や子ども用品代、月謝などを負担してもらっても贈与税がかかるのではないかと心配になることでしょう。
洋服や子ども用品などは、扶養義務履行の範囲内の常識的な金額であれば、贈与に当たりません。また月謝なども常識的な額をその都度、直接振り込んでもらう形にすれば問題ないでしょう。
現金をもらう場合に知っておきたいこと
通帳や印鑑を親が管理し、孫が自由に使えない場合は、贈与ではないとみなされます。未成年者への贈与は、孫名義の口座で管理され、出納が客観的に証明されること、親権者の同意が必要です。
贈与を明確にするためには「贈与契約書」を作成しましょう。ただ、年間110万円を何年も続けようと安易に考えてはいけません。あらかじめ決めた金額を分割して何年かかけて渡した場合は、贈与税対象となります。
それを回避するには、毎年契約を結び直すことが必要です。
110万円以上のお金をもらう場合
しかし、「教育資金一括贈与の特例措置」(平成31年3月31日まで)を利用すれば課税されません。直系親族(親、祖父母、曾祖母)から子ども1人につき1,500万円までなら、贈与税がかからないのです。お金は、銀行などの金融機関で管理してもらう形となります。
しかし、注意点がいくつかあります。
1.30歳までに使いきれない場合、贈与税がかかる
2.領収書をとっておき、申請しなければならない
3.教育資金、結婚資金など目的によって年齢制限がある
4. 祖父母が4人いてもトータルで1,500万円まで
祖父母からの子ども援助、現実はどうなの?
約4割の家庭が祖父母からの教育援助あり
あるアンケートでは、十分な援助ありが19.6%、少しの援助ありが14.1%、今後援助の予定ありが6.5%となっており、これらを合計すると40.2%の家庭が祖父母からの援助を受けていることになります。
また、援助してもらっている年間額で一番多いのが、10,000~49,999円の36.9%、次いで100,000~199.999円の17.8%、50,000~99,999円の17.3%の順になっています。
援助内容としては、本や図鑑が37.4%、入学・転入学・編入学の費用21.5%、学資保険16.4%と教育に関するものが上位となることが分かりますね。
祖父母からの援助についてみんなが思うこと
また、所得制限ありの私立補助金がある自治体もありますが、余裕がある暮らしぶりから上限所得以上の収入の家庭と思っていたら、補助金をもらっていたことに驚くママもいるようです。その場合、話を聞いてみると祖父母からの援助を受けていることが多いということです。
このように表には出ていなくても祖父母からなにかしらの援助を受けていることも多いので、羨ましく思う一方、受けているパパやママは、祖父母がずっと援助してくれるわけではないので、不安もあるようです。
祖父母と孫、こんな関わり方をしている
祖父母と孫の関わりで手軽なものとしては、散歩があります。散歩しながら話したり、目についたものに共感したりすることで子どもの脳への刺激を促すことができます。脳への刺激だけでなく、祖父母とのコミュニケーションをとることができるのがよいところでしょう。
また、祖父は公園やボール遊びなどのアウトドア系、祖母は絵本の読み聞かせや折り紙などのインドア系を担当していることが多いようです。
お金がなくても断れない「孫破産」とは
頼られるのはうれしいけど余裕がない
息子、娘世帯が親世帯の資産や収入、預貯金を正確に把握していることは少ないでしょう。そのため、過剰に頼ってしまうことで孫破産は起こってしまいます。
頼られると自分たちに必要なものを我慢して援助してしまったり、内情を知らない子ども夫婦は援助してくれるのは余裕があるのだと錯覚してしまったりするのです。
親が破産することは、誰も望まないでしょう。そこで親を孫破産に陥らせないためには、祖父母は自分たちができる範囲内におさめるようにし、子ども夫婦は親に必要以上に頼らないように気遣っていくことが大切でしょう。