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マタニティに妊婦帯は必要?戌の日に願いを込めて着けてみよう

マタニティに妊婦帯は必要?戌の日に願いを込めて着けてみよう

お腹が大きくなりはじめたら使うとよいといわれている「妊婦帯」は、一体いつごろから使い始めればよいのでしょうか?そもそも妊婦帯にはどんな意味があって、どのように使うのでしょうか。今回は妊婦帯の役割やデメリット、妊婦帯の種類と使い方を紹介します。

妊婦帯を着けるのはどうしてなの?

安産を願うために戌の日から着けよう!

妊婦帯は日本独特の風習で、多産でお産が軽い「犬」にちなんで妊娠5カ月目の「戌の日」から着け始めます。

「戌の日の帯祝い」「着帯式」とも呼ばれ、この日に初めて妊婦帯を身に着けた妊婦さんが神社やお寺にお参りすると安産になるといわれています。地域によっては妊婦さんがお参りするのではなく、安産祈願をしてもらった帯を身に着けることもあるようです。

「戌の日」は月に2回ほどありますので、神社やお寺で祈祷してもらう場合は、安産祈願をしてもらえるか事前に確認してきましょう。

あくまでも風習や縁起担ぎですので、お参りをしなくてはならない、安産祈願をしなくてはならないというものではありませんが、体調がよければお参りしてもよいですね。

冷えから体を守る役目も!

妊婦帯は安産を祈願して身に着けられるものですが、身に着けると安産になるという医学的な根拠はありません。そのため、必ずつけなくてはならないというわけではありません。

しかし、妊婦帯は子宮や骨盤周りの血行悪化の原因である「体の冷え」を防ぐ効果があります。極端な冷えは流産の原因になるともいわれていますので、妊娠中は体を冷やさないよう気をつけなくてはいけません。

体を冷えから守るということは、冷えによる赤ちゃんの発育不良や流産を防ぐということにもなりますので、妊婦帯の安産効果ともいえますね。

また、妊婦帯をつけるとお腹の前にクッションができます。お腹を衝撃から守る効果は高くありませんが、守られているという安心感がありますよ。

重たくなったお腹を支えてくれる!

妊婦帯には、体を冷えから守る効果のほかに「重たくなったお腹を支える」という効果があります。

例えば、ウェストバッグに10kgの荷物を入れた場合と、前向きに背負ったリュックサックに10kgの荷物を入れた場合をイメージしてください。ウェストバッグは腰だけで支えなくてはなりませんが、リュックサックであれば腰と背中で支えることができますよね。

妊婦帯をつけるとお腹の重みが背中にも分散されます。広い範囲の筋肉でお腹を支えることができるので腰痛を防ぐことができますよ。

また、お腹が重力で下に引っ張られると皮膚の一部が裂けて「妊娠線」ができてしまいます。妊娠帯はお腹が引っ張られることを防ぐ効果もあるので妊娠線の予防にもなります。

妊婦帯をつけることのデメリットとは?

しめつけられて苦しくなってしまう

体の冷えを防ぎ、お腹を支えてくれる妊婦帯は、種類やメーカー、使い方によって違いはあるものの、体をしめつけてしまいますので息苦しさを感じることもあるようです。

とくに、つわりの期間中は息苦しさが強くなる、吐き気やめまいがひどくなることがあります。妊婦帯をつけるのは5カ月目の戌の日がよいといわれていますが、つわりがあるうちは風習にこだわらず、自分の体調を優先してくださいね。

また、お腹が大きくなると胃や肺が圧迫されるため、つわりが終わっていても息苦しさを感じやすくなります。ママが息苦しいときはお腹の赤ちゃんも息苦しくなりやすいので、貧血気味などで普段から息苦しさを感じているママは妊婦帯を使わないほうがよいでしょう。

また、妊婦帯で冷えを防ぐことができても、しめつけで血行が阻害されてると血流が悪化してしまいます。

妊婦帯で息苦しさを感じない、着けたほうがお腹に安定感があって楽に感じるという場合は妊婦帯をつけてもよいですが、「しっかり巻いた方が安心感がある」と、強くしめつけないよう注意してくださいね。

血液の流れが悪くなって高血圧の原因に

妊婦帯でお腹や体をしめつけると、体の血液の流れが悪くなって「妊娠高血圧症」の原因になることがあります。

妊娠高血圧症は「妊娠中毒症」と呼ばれていた病気で、高血圧のほか頭痛、めまい、むくみの原因となります。また、高血圧の影響で体重が急激に増加することもあり、難産や妊娠糖尿病発症のリスクを高めてしまいますよ。

さらに、高血圧にタンパク尿がともなうと「妊娠高血圧腎症(にんしんこうけつあつじんしょう)」といわれる病気になってしまいます。

妊娠高血圧腎症は重症化すると、突然失神して全身がけいれんを起こす発作を引き起こすことがあり非常に危険です。大きな問題もなく意識を取り戻すこともありますが、失神したときに転倒してお腹をぶつける、呼吸が停止して昏睡状態に陥ってしまう、死亡してしまうこともあります。

妊娠中の高血圧はさまざまな要因によって起こるため、妊婦帯を着用することで必ず妊娠高血圧症や妊娠高血圧腎症を引き起こすとはいえません。しかし、妊娠高血圧症の発症リスクを上げるといわれており、一部では妊婦帯を禁止している病院もあります。

妊婦帯にはどんな種類があるの?

産後も使える「骨盤ベルトタイプ」

妊娠中期以降はお腹の重みで骨盤に大きな負担がかかるほか、出産のために骨盤が緩み始めるため、腰痛や恥骨痛を感じやすくなります。

股関節痛や腰痛があると歩行がつらくなり、日常生活にも支障が出るほか体重管理が難しくなってしまいてますよね。

骨盤ベルトタイプの妊婦帯は股関節痛に悩んでいるママにはとくにおすすめです。お腹を支える効果だけではなく関節が緩くなった骨盤を適度に占めることで安定させ、骨盤痛や腰痛の防止、緩和してくれますよ。

また、骨盤ベルトタイプの妊婦帯は産後の骨盤矯正や体型戻しにも効果を発揮してくれます。腹巻タイプやさらし帯タイプの妊婦帯に比べると価格が高めですが、産後まで使えるのでお得ですよ。

優しく守ってくれる「腹巻タイプ」

腹巻タイプの妊婦帯はしめつけすぎない優しい着け心地と保温性が魅力です。骨盤ベルトタイプやさらし帯タイプは、巻き方によってはしめつけすぎる心配がありますが、腹巻タイプはしめすぎる心配もありません。

着脱も楽なので妊婦健診のときにすぐお腹を出すことができ、余計な手間や時間がかかりません。ほかのタイプに比べるとお腹を支える力が弱いため、妊娠後期にのお腹を支える「補助ベルト」がついていることもあります。

産後は一般的な腹巻として使うこともできます。寒い時期の授乳で服をめくらなくてはならないとき、お腹が冷えることを防げますね。

しめつけたくないけれど安定感が欲しいというママや、寒い時期に妊娠中期を迎えるママにおすすめですよ。
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