子連れで離婚することに。手続きや子どもへの影響と心のケア
近年離婚率が上昇し、子連れ離婚も珍しいことではありません。ここでは離婚すると決めた多くのママが直面する問題点や、後から後悔しないように、離婚するときにしっかりと決めておかなければことなどを紹介したいと思います。また、離婚するときにママができる子どもへの心のケアを学んでおきましょう。
子連れで離婚したときに決めるべきこと
子どもの名字をどうするかについて
離婚しても子どもや自分の名字を変えず、婚姻時の姓を名乗り続けることもできます。傍目には離婚したことがわからない状態でいられることや、銀行や運転免許証などの名前変更といったわずらわしい手続きを行わなくてもいいので、そのままにしておくというママも多いようです。
子どもが小さい場合は、離婚後旧姓に戻すというママの割合が増えます。子どもの名字をママの旧姓に変えたい場合は、まずママの新しい戸籍を作り、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立書」という書類を提出する必要があります。
子どもとの面会交渉について
面会交渉権は特別な理由がない限り誰もが持つことのできる権利です。離婚時に感情的な理由から子どもを会わせたくないと思うこともあるかもしれませんが、子どもの幸せを1番に考えて行動しましょう。
面会交渉については様々なことを想定し、細かいところまで決めておくことが重要です。決めた内容は文書化しておきます。それでは面会交渉で決めておきたいポイントをみていきましょう。
- 面会の頻度や1日の面会時間
- 外泊の可否。可能な場合1年に何回、何泊までできるのか
- 子どもの受け渡し方法
- 電話や手紙のやり取りの可否
- 学校行事へ参加の可否
子どもの親権と養育費について
裁判所が親権者を判断する際に、子どもへの愛情、経済的安定、親権者の肉体と精神が健康であるか、子育てに時間をさけるか、現在と将来的な監護状況などをみています。
養育費は子どもを育てるために必要なお金のことです。教育費、医療費、衣食住に必要な経費、最低限の文化、娯楽費用、交通費なども含まれます。
養育費については、金額、支払い期間、支払い方法などを決めたら法的な執行力のある公正証書にしておきましょう。養育費の金額については払う側と支払われる側の年収が基準になります。
子連れで離婚したときに起こりうること
お金の問題で悩む可能性がある
厚生労働省が行った調査では母子家庭の6割は父親から養育費を一度も受け取っていない、または、離婚直後は受け取っていたが途中で支給が途切れたというショッキングな結果でした。男性が再婚した場合、新しい家庭を大切にし、元妻子は切り捨てようと考えるパターンが多いそうです。
このほか、当てにしていた実家が頼りにならなかったというケースもあり、養育費は支払われて当然のことなのですが、あまり人を当てにしすぎるものよくないようです。
子どもと過ごす時間が減る可能性がある
しかし、先ほどもお話しましたが離婚後生活が厳しくなり、ママの働く時間が増えることも多く、仕事に追われ思うように子どもと過ごすことができなくなることがあります。特に今まで専業主婦だったママがフルタイムで働き始めたときはママだけではなく、子どもも生活のギャップに戸惑うことでしょう。
しかし、仕事で子どもと過ごす時間が減ってしまうのは仕方がないことです。子どもと過ごす時間は短くなるかもしれませんが、一緒にいるときはスマホを見たりせずに子どもだけに注意を向けてあげるなどしてカバーしていきましょう。
再婚するときの手続きについて
まず、子どもの戸籍についてですが、ママが再婚して相手の戸籍に入ったとしても、自動的に子どもの戸籍が移るわけではありません。子どもを相手の戸籍に入れる場合は養子縁組が必要です。
養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があり、どちらも申請することで、子どもの名字は相手の名字に変更されます。普通養子縁組は戸籍に続柄に養子、養女と記載されますが、特別養子縁組の場合、「長男」「長女」などと記載されます。
養子縁組をしない場合、再婚相手には養育の義務などが発生せず、法的に親子と認められませんが、子どもの名字だけを変えたいときには「子の氏の変更許可申立書」を裁判所に提出すれば変更可能です。