へその緒は赤ちゃんとママを繋ぐ生命線!繋がる時期から保管方法まで
赤ちゃんがお腹の中で育つ間、ママと赤ちゃんはへその緒でずっと繋がっています。大切なものだから、きちんと保管したいと考えるママは多いでしょう。そこで今回は、妊娠中のへその緒の役割や出産後のへその緒のケア方法、取れたへその緒の保管方法をご紹介していきます。
ママと赤ちゃんを繋ぐへその緒の大事な役割
へその緒が繋がるのは安定期ごろ
しかし、実際には、妊娠初期では胎盤もへその緒も未完成の状態です。へその緒がしっかりと繋がるのは妊娠中期にあたる安定期ごろといわれています。
へその緒は、パイプ状になっていて長さは50~60cmほどが平均です。太さは、大人の中指ほどです。内部には動脈2本と静脈1本があり、ワルトンゼリーという寒天状の軟らかい物質によって保護されています。それにより、へその緒の強度が増すため、 羊水の中で赤ちゃんが元気に手や足を動かしても、破損したりちぎれたりすることはありません。
へその緒は胎盤と赤ちゃんを繋ぐ生命線
赤ちゃんはへその緒を通して、栄養や酸素をママから送ってもらっているため、へその緒は命綱という言葉がぴったりなほど重要なものなのですね。
へその緒の血管に流れている血液は、臍帯血(さいたいけつ)と呼ばれる赤ちゃんの血液です。ママの血液と混じることはありません。なお、臍帯血は、出産の際に検査することで、生まれた赤ちゃんの状態を評価するための情報の一つになります。
へその緒に異常が起きると考えられること
・臍帯巻絡(さいたいけんらく)
へその緒が赤ちゃんに巻きついた状態です。臍帯巻絡でも問題がないことがほとんどですが、巻きつき方によっては、分娩がなかなか進まないため吸引分娩や帝王切開が必要です。
・胎児ジストレス
へその緒が何らかの原因で損傷を受け、赤ちゃんに栄養と酸素が届かなくなり赤ちゃんが苦しくなっている状態です。場合によっては赤ちゃんに死の危険が迫ります。
・臍帯下垂、臍帯脱出
破水後に、赤ちゃんよりも先にへその緒が降りてしまう状態です。へその緒が赤ちゃんと子宮壁に挟まれるので、赤ちゃんに命の危険が生じてしまいます。
へその緒が取れる時期とその後の処理は?
へその緒は自然に取れるまで待とう
カットした直後は臍帯部から出血する恐れがあるため、専用のクリップで留められますが、生後24〜48時間ほど経過して出血の心配がなくなるとクリップが外されます。へその緒は、しばらくは赤ちゃんのおへそについたままですが、日を追うごとに少しずつ根元が取れかかってきます。
個人差はありますが、へその緒が取れる時期はほとんどの場合が1週間前後とされていて、遅くても1カ月健診までには取れるといわれています。なかなか取れなくても、無理に引っ張ったりせず自然に取れるのを待ちましょう。
へその緒が取れるまでの消毒方法
消毒後は、自然乾燥をさせるようにしましょう。おむつなどで覆うと乾きにくくなるので、気をつけてくださいね。消毒は1日1回、多くても3回までとしましょう。やり過ぎもかえって炎症の元となります。
消毒はへその緒が取れるまで続け、へその緒が取れた直後もおへそがじゅくじゅくしているようなら1日1回消毒して、乾燥させるとよいでしょう。
へその緒が取れた後起こりやすいトラブル
・臍出血(さいしゅっけつ)
へその緒がとれた後にも出血が続く状態です。消毒と乾燥で様子を見て、改善しなければ医療機関を受診しましょう。
・臍炎(さいえん)
へその緒が取れた後、傷口に細菌が感染し炎症を起こしている状態です。悪化すると全身に菌が回って危険なので、早めに医療機関を受診しましょう。
・臍肉芽腫(さいにくげしゅ)
取り切れなかったへその緒の一部が塊となり、おへそが赤く盛り上がった状態です。いつまでも乾ききらずに、場合によっては出血するので医療機関で処置してもらいましょう。
おへそのケアを続けている中で気になるおへその状態を見つけたら、早めに医療機関へ相談してください。