幼児期はどのくらい寝るの?睡眠の影響と寝かしつけのポイント
幼児期の子どもにとって睡眠は健やかな成長に欠かせませんが、最近は子どもの睡眠不足が問題になっています。年齢ごとに必要な睡眠時間も違うので、それぞれに合わせた生活リズムに整えたいですね。理想の生活リズムや寝かしつけのポイントをチェックしていきましょう。
幼児期の睡眠について知りたいこと
年齢ごとに必要な睡眠時間はどのくらい?
必要とされる睡眠時間は、年齢や見解によって違いがありますが、ここでは米国の国立睡眠財団(NATIONAL SLEEP FOUNDATION)が提唱する睡眠時間の目安をご紹介します。
・0~3カ月…14~17時間
・4~11カ月…12~15時間
・1〜2歳…11〜14時間
・3~5歳…10~13時間
このように年齢が上がるにつれて、必要な睡眠時間は少しずつ短くなっていきます。我が子の睡眠時間と目安の時間との間に大きな差がないか、チェックしてみましょう。
子どもの睡眠不足は大人より悪影響!
まずは、「身体を休めること」です。その間に脳は、学習や記憶の定着、消去などといった情報を処理するために働きます。そして次に「大脳を休める」こと。この間に、身体の成長や修復のために成長ホルモンが分泌されて、免疫や代謝機能も高められていきます。
この二つは交互に訪れるレム睡眠とノンレム睡眠の中で行われます。そのため、十分に睡眠をとれていない子どもには、成長の遅れや、眠気やだるさによる集中力の低下といった悪影響がもたらされてしまうのです。さらに、肥満、生活習慣病、うつ病など病気の発症リスクも高まるとされています。
早寝早起きが大切な理由
まずは、早く起きて朝日を浴びましょう。これにより人間の精神状態を安定させる「セロトニン」というホルモンが分泌され、子どもの情緒も安定します。
また、夜に眠くなるのは「メラトニン」というホルモンの働きによるものですが、早起きすることでメラトニンが正常に分泌され、適切な時間に眠りにつきやすくなる効果も期待できます。
早起きして時間に余裕を持てれば、朝食をしっかり食べることもできますね。
睡眠をしっかりとるための生活リズムを紹介
1~2歳の基本の生活リズム
2歳でも起床と就寝は1歳のときとほぼ同じ時間でよいでしょう。ですが、徐々に朝寝をしなくなっていき、午前中もたくさん遊べるように変化していきます。午後の昼寝は遅くても3時くらいまでには切り上げ、あまり長い時間寝てしまわないように注意しましょう。昼寝を長時間させてしまうと、夜に眠くなりにくく、寝つきが悪くなります。
日中はできるだけたっぷりと遊ばせて、夜は心地よい疲れでスムーズに寝つけるような生活リズムを心がけたいですね。
3~5歳(幼稚園児)の基本の生活リズム
基本的な起床時間は1~2歳のころと大きくは変わらず、7時ごろには起こしましょう。ただし、食事を食べるペースが遅い子は、朝食を食べ終わるまでの時間と家を出る時間を逆算して、さらに早起きする必要があるかもしれません。
通常の保育時間が終われば、夕食の時間までお友だちと遊んだり、習い事に行ったりして自由に過ごしましょう。ですが、夕食の時間がずれ込むとお風呂タイムも就寝時間もずれてしまいますから、夜6時ごろには夕食を食べさせるのが理想的です。
朝7時に起床するなら、遅くても8時半から9時には就寝させたいですね。なかなか寝つかない場合は、もう少し起床時間を早めてみましょう。
保育園に預けている共働き家庭は?
ほとんどの保育園には昼寝の時間があるので、昼寝で睡眠不足をカバーできる面もありますが、できるだけ夜9時までには就寝させたいところです。
保育園に通う子は親の出勤時間にもよりますが、8時に家を出るなら朝は6時半ごろに起床できるとよいですね。この場合、夜8時半に就寝できれば、睡眠時間を10時間確保することができます。
夕食は惣菜やレトルトに頼ったり宅配サービスを利用したりして、頑張りすぎないように。ママだけが負担するのではなく、パパにもしっかり協力してもらって早寝早起きを目指しましょう。
子どもの寝つきがよくない原因と対策
お風呂が遅いと眠れない?
自然と眠くなるためには、体の深部体温がほどよく下がっている、ということがポイントなのですが、お風呂あがりは体の深部体温が上がっているので、眠くなりにくいのです。
お風呂からあがって、深部体温が下がるまではだいたい30分〜1時間ほどかかるので、入浴後すぐに子どもを寝かせようと思ってもなかなか寝つけない…ということになってしまうのですね。
逆に、就寝時間の1時間くらい前までにお風呂を済ませておけば、深部体温がゆっくりと下がっていくのとともに、自然と眠る準備が整いやすくなりますよ。