母乳育児ママの生理再開はいつ?生活環境や体の回復との関係について
産後はホルモンの働きによって一時的に生理の停止状態が続きます。その期間は母乳で育てているほど長くなる傾向にあるとされていますが、いつ頃再開するのか気になりますよね。生理の再開には、生活環境やママの体の回復などが大きく関係してきます。今回は、産後の生理について気になる点をまとめてみました。
ママの体は少しずつ妊娠前の体に回復中です
完母ママの生理再開の平均は産後約15カ月
これは母乳を与えることで分泌が促進されるホルモン量の変化によるものなので、再開までの期間には個人差があるのが実情です。完母であっても産後3カ月くらいで生理が再開するケースもありますし、逆に2年近く生理が止まったままというケースもあるようです。
授乳中はホルモンの影響を受けやすく生理が始まりにくいため、産後1年以上でも授乳中であれば「まだ生理が再開しない…」と不安を感じる必要ありませんよ。
母乳分泌と排卵に影響するプロラクチン
一方で、プロラクチンには母乳分泌を促進する作用もあります。ママの体はプロラクチンを妊娠中から生成することで母乳を作ります。産後、赤ちゃんが母乳を吸う刺激で、プロラクチンがより分泌されるという仕組みです。
産後のママは赤ちゃんを育てることに集中する必要があります。そのため、授乳中はプロラクチンによって生理を止めて、ママの体を新たな妊娠がしにくい状態にしているのですね。
授乳量や間隔の変化により生理再開する人も
プロラクチンの分泌量は赤ちゃんがおっぱいを吸う刺激によって増えます。しかし、授乳間隔が落ち着くことで乳頭への刺激も少なくなるため、結果的にプロラクチンの分泌量が低下して生理が再開します。
赤ちゃんの離乳食が順調に進むと、だんだんと栄養の摂取比率が「母乳<食事」になっていきます。そうなると、ますます授乳量が減るということです。そのため、一般的に離乳食が進んでいく生後6カ月~1年の間に生理が再び始まるママが多いようですよ。
生理が再開しても不順なことも多い産後の体
無排卵月経による生理不順
自分が無排卵月経であるかを確認するためには、基礎体温をチェックしましょう。
生理周期中に、グラフがはっきりと低温期と高温期に分かれて二相になっていれば、排卵しています。グラフが安定せず、低温期と高温期がわかりにくい状態であれば、無排卵月経の可能性が高いです。
無排卵月経は産後のママにはよくあることですが、早めに次の妊娠を望むなら心配ですよね。生理不順が3周期以上続くようであれば、一度病院で相談しましょう。
子育てや仕事復帰など生活からくるストレス
出産後のママの場合は、出産直後から休む間もなく新生児の育児がスタートします。体力も回復していない上に慣れない育児に取り組み睡眠不足も続き、ママの体には大きな負担がかかっているでしょう。
ママによっては、産後の早い段階で職場に復帰する人もいるでしょうから、仕事と家事・育児の板挟みで、知らず知らずのうちに溜まったストレスが原因で生理不順になります。
さらに産後は、授乳による貧血状態や運動不足により、血行不良を引き起こすことがあります。血行不良になると骨盤内の血流も不足しやすいため、これも生理不順の要因となることがあるようです。
もしかしたら妊娠の可能性もあり
妊娠に必要なのは「排卵」です。排卵が再開しているタイミングに性交渉が重なれば、妊娠の可能性は出てきます。排卵自体は生理の前に行われるので、ママの実感としては「まだ生理が再開しない」となってしまうというわけです。
授乳によって排卵を抑制するプロラクチンの働きが高まりますが、それには個人差もあり、授乳量などでも変化するのは前述のとおりです。つまり、完母だからまったく排卵しないというわけではなく、妊娠する可能性もあるといえるのです。
生理再開時期については個人差が大きい
母乳育児でも生理再開が早い人もいます
授乳期間中は、ママの体が次の妊娠の用意をすることよりも、母乳の生成を自然に優先しているからだといわれていますが、母乳育児をしていても早く生理が再開するママもいます。
生理再開までの期間は個人による差が大きいです。ママの体の回復が早ければ生理の再開が早くなるケースもあり、特にママの年齢が若いほど回復力が高いので子宮の戻りも早く、同時に生理の再開も早くなりやすいようです。
前述のとおり、生理の再開にはプロラクチンというホルモンが関係するため、一般的には、母乳育児のママよりもミルクで育てているママの方が、生理の再開時期が早くなります。