ベビーラップで自転車に乗ってもいいの?乗る前に知っておきたいこと
赤ちゃんとママがしっかり密着するように巻いて使うベビーラップ。1枚あれば抱っこもおんぶも横抱きもできる便利な布です。実は地域によって、ベビーラップなどで赤ちゃんをおんぶして自転車に乗ることが認められています。便利だけど正しい用法で乗らないと危険も。どんな点に注意すればよいのかを詳しくご紹介します。
ベビーラップっておんぶ紐と違うの?
抱っこやおんぶするための1枚の長い布
この長い布を、赤ちゃんとママの体が密着するように巻きつけていきます。密着により重心が体の中心に近くなり、ほかのおんぶ紐などよりママの腰への負担が少なかったり猫背になりにくかったりします。
一方、ただの長い1枚の布であるため巻き方にコツがいり、きちんと巻けるようになるまでは練習する必要があります。また長すぎて巻くときに引きずってしまうため、屋外で着用する際は汚れやすいようです。
巻き方を覚えれば様々な抱き方をすることができます。コンパクトに折りたたんで収納したり持ち運んだりできる点も便利ですよ。
リングなどがあるスリングとの違い
スリングは布をママの片方の肩にかけ、リングやバックルで長さを調整しながらハンモックのように赤ちゃんを包みます。赤ちゃんを包みやすいように袋状に縫われたものもありますよ。
だっこの仕方にコツがあり、間違った方法で使用すると赤ちゃんが抜け落ちてしまう危険があるため注意が必要です。
一方のベビーラップは、ご紹介したように1枚の布です。長い1枚の布を両肩にかけて、赤ちゃんとママに巻きつけて使用します。布を交差させて赤ちゃんとママを密着させるので、スリングに比べて抜け落ちる心配はありません。
巻き方によっては4歳以上でも使用できる
抱っこするには、ママの胸に赤ちゃんを向かい合わせに密着させ、布を赤ちゃんの背中でクロスさせて巻きます。新生児を抱っこするときはしっかり巻き、首がすわるようになったら緩めにします。緩めにすると布を巻いたまま赤ちゃんの抱きおろしもできます。
腰抱きも可能です。斜めがけに巻いた布の中に、赤ちゃんを抱きいれるシンプルな使い方ができますよ。
おんぶをするときは、子どもの背中全体にベビーラップをクロスさせてしっかり包みこんで支えます。巻き方によっては安定感が出て重さが分散されるので、4歳以上の子どもでも長時間おんぶが可能です。
ベビーラップで自転車に乗ることについて
おんぶで乗ることは認めている自治体が多い
ところがチャイルドシートが使用できる年齢は一般的に、前の席では1歳以上で、後ろの席では2歳以上になります。小さな赤ちゃんは危険なので、チャイルドシートに乗せることができません。
では赤ちゃんを連れて自転車で移動しないといけない場合、ママはどうすればよいのでしょうか。実は多くの自治体で、赤ちゃんをおんぶして自転車に乗ることが合法とされています。もちろんベビーラップでのおんぶも合法で、首がすわるころから一緒に乗ることができるのです。
「私の自治体でもOK?」と気になるママは、お住いの自治体の「道路交通法施行細則」で確認できますよ。
転倒の可能性もあるので慎重な運転を
実験では「生後6カ月の赤ちゃんをおんぶした状態で自転車ごと倒れたとき、赤ちゃんの頭にどれだけの衝撃が与えられるか」が調査されました。
結果は「6カ月の赤ちゃんが骨折するとされる衝撃の基準値を、約7~17倍上回る」と、予想以上に悪い数値が示されました。
衝撃が大きい原因は、おんぶで自転車に乗るので赤ちゃんの位置が高いことと、頭を守るヘルメットをかぶれないことなどが推察されます。赤ちゃんをおんぶして自転車に乗ったときの転倒は、まさに命とりなのです。
重心が変わることも忘れずに
ベビーラップはほかのおんぶ紐より重心が中央に寄りやすいですが、やはりひとりで乗るときよりもバランスが取りにくくなります。必ず練習をして、慣れてから公道で走るようにしましょう。
自転車に乗るときは両足がしっかり地面に着くようサドルを下げます。その状態から片足をペダルにかけて踏み込むのですが、かなりの力が必要なため、苦戦するママは少なくありません。
走り出してもブレーキやハンドルの操作性が通常より悪くなりがちです。これらのことに気をつけて練習してくださいね。
ベビーラップをしてさらに1人乗せる場合
3人乗るなら幼児2人同乗基準適合車で
大人が幼児2人と自転車に乗るための安全基準は、フレームの強度やブレーキの性能、また駐輪時の転倒防止のための操作性などの点で、幼児2人を乗せるための安全性が確保された自転車です。
安全基準を満たした自転車には「BBAマーク」「幼児2人同乗基準適合車」のマークがついています。このマークのついていない自転車での3人乗りは禁止されています。
赤ちゃんをベビーラップでおんぶして子ども1人をチャイルドシートに乗せて自転車を利用したい場合も同様です。必ず安全基準を満たした自転車に乗りましょう。