子どもの医療費助成制度について知ろう!手続き方法や助成内容を紹介
赤ちゃんや子どもが小さいころは、なにかと病院にお世話になります。子どもの医療費の負担を軽くしてくれる「医療費助成制度」についてくわしく説明します。引越しのときに心配になる地域ごとの違いや、夫の単身赴任などの場合についても調べましたので参考にしてください。
目次
- 子どもの医療費助成制度って何?
- 子どもの医療費が無料や一部負担になる制度
- 地方自治体が助成制度を制定している
- 子どもの医療費助成制度で気をつけること
- 基本的に保険範囲内の医療費のみが対象
- 助成内容は4月に変更されることが多い
- 子どもの医療費助成の手続きのしかた
- 住んでいる自治体の申請方法を確認する
- 出生届けと健康保険加入の手続きをする
- 保険証を受け取ったら医療費助成の手続きを
- 自治体によって助成の内容が違う
- 助成される対象年齢や所得制限が違う
- 一部負担ありの自治体と無料の自治体がある
- 給付の受取り方が現物給付か償還払いか
- こんなときどうする?別居は?払戻はできる?
- 単身赴任などで夫婦が別居するとき
- ほかの地域で受診しなければならないとき
- 乳幼児医療証を忘れてしまったとき
- まとめ
子どもの医療費助成制度って何?
子どもの医療費が無料や一部負担になる制度
医療費の支払いは、国の医療保険制度で0歳~就学前の子どもは2割、小学生以上70歳までは3割の自己負担になっています。そこからさらに負担を軽減させるために子どもの医療費助成制度で都道府県が助成を行い、さらに軽減するために市区町村も助成を行っているのです。
この制度は1960年代にはじまってどんどん拡大してきており、平成28年度現在では、全国の市区町村で子どもの医療費の助成が行われています。ここ最近は助成内容が充実してきている傾向にあります。
助成の対象となるのは、その市区町村に住んでいる子どもで、なんらかの公的健康保険に加入していることが条件になります。生活保護を受けている方や、児童福祉施設に入所されている方、ほかの制度で医療費助成を受けているなどの場合は対象とならないことがあります。
地方自治体が助成制度を制定している
制度の名称はさまざまですが、例えば東京都江東区では「子ども医療費助成制度」、東京都品川区では「子どもすこやか医療費助成」、東京都町田市では就学年齢に達する前は「乳幼児医療費助成制度」、就学年齢に達すると「義務教育就学児医療費助成制度」といいます。
助成内容は概ね次の4つの基準で違いがあります。
- 対象年齢
- 負担金額があるかないか
- 所得制限があるかないか
- 給付の方法
引越しをして住む自治体が変わると、子どもの医療費の支払い金額も変わる可能性がありますので注意が必要です。助成内容が充実している市区町村(例えば、助成を受けられる対象年齢が18歳までなど)に住めば医療費の負担が減りますので、子どものいる家族にとっては助かります。自治体も多くの子育て世帯に居住をしてもらいたい場合は、この制度に力を入れていることもあるようです。
子どもの医療費助成制度で気をつけること
基本的に保険範囲内の医療費のみが対象
<対象外の例>
- 任意の予防接種(定期予防接種は無料)
- 任意の健康診断(乳幼児健診は無料の場合がある)
- 入院時の差額ベッド代や付添いベッド代
- 薬の容器代
- 初診時特定療養費(200床以上の病院に紹介状がない場合に初診時にかかる費用)
- 歯の矯正(国が認めている先天性の病気等で保険が適用される場合がある)
- 高度先進医療費
保険適用の医療でも特に注意が必要なのは、保育所・幼稚園・学校でけがなどをして病院に行った場合です。日本スポーツ振興センター災害共済給付制度を利用する場合は、子どもの医療費助成は受けられません。
その場合の手続き例ですが、病院の窓口では医療費助成制度を使用せずに医療費を支払った後、保育所・幼稚園・学校等を通じて申請を行って後日給付を受けるようになります。
助成内容は4月に変更されることが多い
平成30年では以下のような例があります。(一部抜粋)
【神奈川県茅ケ崎市】
平成30年4月から通院の対象年齢を小学6年生まで拡大。新たに対象となる小学4年生~6年生には一定の自己負担を設ける
【北海道石狩市】
平成30年4月から通院の対象年齢が小学1年生まで拡大
【北海道札幌市】
平成30年4月から通院の対象年齢が小学1年生まで拡大
【兵庫県三田市】
平成30年7月から通院の小・中学生のみ、一部負担金と所得制限を段階的に導入。
(今までは所得制限なしで0歳~中学3年生の医療費が無料。平成28年度からの急激な財政状況の変化のため)
【千葉県市川市】
平成30年8月から小学校1年生から小学校3年生の保護者の所得制限がなくなる
自治体の制度は4月に変更になることが多いようです。何らかのお知らせが来ることが多いですが毎年確認しておくと安心ですね。