ねらいを意識して見立て遊びを!期待できる効果や遊びが広がるコツ
子どもは想像力が豊かで、身の回りの色々なものを何かに見立てて遊びますよね。積み木があれば、車や電車などの乗り物にしたり、スマホにして小さな手で画面をタップするしぐさをしたりします。これが見立て遊びといわれるものですよ。見立て遊びで期待できる効果を知り、遊びを広げていくためのコツを掴みましょう。
知っておきたい「見立て遊び」の基礎知識
子どもの自由な発想で遊ぶ「見立て遊び」
このようなとき、子どもは「見立て遊び」をしているのかもしれません。積み木やブロックを電話や車などに見立てて、イメージを膨らませて遊ぶのが見立て遊びです。
見立て遊びを行うためには、想像力が必要となります。身近にある物を本物に見立てなければなりませんよね。目の前にない物をまるでその場にあるかのように想像を膨らませ、子どもの自由な発想で遊ぶ力がつくことで、見立て遊びができるようになるのですよ。
見立て遊びが始まるのは1歳半ごろ
見立て遊びは、ある程度記憶力が高まる1歳半ごろになると始まることが多いようですよ。車は地面の上を横に移動するもの、といった記憶を持つようになります。そこではじめて積み木を車に見立てて、横に移動させるという見立て遊びが可能となるのですね。過去の経験を物に反映し、イメージを膨らませることが可能になったころ、見立て遊びができるようになりますよ。
より複雑なごっこ遊びやなりきり遊びへ移行
おままごとセットを使って自分は店員さんになりきり、ママがお客さん役となるレストランごっこなどは、単純にある物をほかの物に見立てる遊びよりも複雑ですよね。散歩の途中に小枝を拾い、大好きなヒーローになりきる子どもも出てきます。
さらにお友だちと一緒に自分たちで場面展開を考えて遊ぶようになったり、1人で何人もの役割を使い分けたりする遊びを行うなど、高い想像力や発想力が必要となる遊びへと発展していきますよ。
見立て遊びは、このような遊びの入り口となるものなのですね。
見立て遊びのねらいと子どもへのメリット
観察力や記憶力を養う
子どもは自分が興味を持ったことをじっと観察し、形や動き、行動などを記憶します。それを繰り返し、見立て遊びをすることで観察力や記憶力が養えるのです。このころはまだ完璧に記憶することはできないので、記憶できなかった部分は想像で補うことになります。自分が想像したことを表現する力も必要です。
見立て遊びは観察力や記憶力を養うだけではなく、想像力や表現力も養える遊びということになりますね。
コミュニケーションのとり方を学ぶ
さらに複数人と見立て遊びやごっこ遊びを行うようになると、コミュニケーションをとる必要が出てきますよね。みんなで楽しく遊ぶためには自分だけが好きなように遊ぶのではなく、ほかの人も楽しめるように話し合いを行い、役割や状況を決めなければなりません。自然と他者との関わり合い方や、自分以外の人の気持ち、さらに色々な立場の人がいることなども理解していきます。協調性や社会性というものも、遊びの中で養われることになりますね。
手先の器用さや聴覚、視覚の発達
始めは無言で一つのブロックを握って車に見立てて遊んでいても、複数のブロックを繋げて車の形を表現したり、「ブーン」と音を表現したりできるようになります。より物を本物らしく見立てるために、物をよく見ることや音を聞くことを積み重ねるため、視覚や聴覚などもぐんぐん発達していきますよ。
発達段階に応じた関わり方で遊ぼう
1歳児はママと一緒に遊んで楽しさの共有を
1歳くらいだと、見立て遊びの前段階の「ふり遊び」が始まります。目をつむりママが通りがかったらぱっちりと目を開ける「寝ているふり」や空のコップを使って「飲んでいるふり」などです。ママは子どものふりを一緒に楽しむようにしましょう。「目が覚めたね!」「おいしそうね!」など声がけをするとよいですよ。
何かを見立てる遊びのヒントもたくさん子どもに伝えましょう。空を見上げて雲の形を見立てたり小石の形を見立てたりと、物と言葉を使って見立てる楽しさを伝えます。楽しいと感じることを共有しましょう。