わがままと甘えは区別するべき?親の心構えとわがままへの対応方法
子どもがわがままを言うのは自然なことですが、どこまで受け入れてもよいのでしょうか?また「わがまま」と「甘え」の区別は難しく、その判断に悩むママは多いのではないでしょうか?今回は、子どものわがままへの親としての心構えや適切な対応方法について解説していきます。
子どもの甘えを受け入れるのは大切なこと
健やかな成長に欠かせない「甘え」
たっぷりと甘えることができた子どもほど、早く自立できる傾向にあるようです。社会性や共感能力も高くなるため、他人を思いやる心を持ち、良好な人間関係を築けるともいわれています。
反対に満足いくほど甘えられなかった子どもは、いつまで経ってもなかなか自立できず、人に要求するばかりで手が掛かるとされています。子どもが小さいうちは、できるだけ子どもの言うことに耳を傾け、可能な範囲でそれを受け入れるようにしたいですね。
大きくなってからもまだまだ甘えたい
しかし、自分で自由にいろいろなことができるようになると、再び子どもの心に不安が生まれて「何かに頼りたい」と思うようになります。これが「甘え」であり、甘えることによって十分に安心感を得ると、心がまた自立に向かいます。
このように、子どもは甘えたり自立しようとしたりしながら成長していくのです。なお、子どもの脳は3~5歳ごろに特に発達し、15歳ごろまで発達を続けるとされています。大きくなったのにまだ子どもが甘えたがるということがあっても、脳の発達過程を考えればそれは自然なことです。
「甘やかし」にならないように注意を
一方で、子どもがママやパパの温もりやスキンシップを求めてきたり、不安感や寂しさから助けを求めてきたりしたときに、しっかりと優しく応えることは「甘えさせる」です。
この二つは似て非なるものであることを、大人がきちんと理解しましょう。甘えさせることで、子どもは「自分は愛されている」と実感でき自尊心を育みますが、甘やかされるだけでは情緒的に満たされず、結局のところ子どものためにはなりません。
わがままと甘えの関係性と親の心構えとは
違いをはっきりと区別するのは難しい
しかし、これは「甘え」にも通ずる部分がありますよね。そのため、わがままと甘えの線引きは個人や家庭ごとの判断によって異なるのです。
基本的に子どもの要求の原動力は、ママやパパに甘えたいという気持ちであり、親の愛を求める感情なのでしょう。
子どもが求めることを、どのように受け入れて対処していくのかというのは、子どもの成長に大きく影響していきます。難しいですが「これはわがままなのか、甘えなのか」をその都度適切に判断したいですね。
甘えを受け入れてもわがままな子にならない
子どもの気持ちを受け入れ、たっぷりと甘えさせることで、その分子どもも親の言うことを受け入れるようになるそうです。親としては子どものためを思って「あれしなさい」「これしなさい」と言いたくなりますが、そうした親の思いよりも、まずは子どもの思いに耳を傾けることを優先しましょう。
家庭で思い切り甘えることができれば、それで満たされるので、周りの人に無理な要求をするようなわがままな子どもにはなりません。たっぷりと甘えを受け入れることが、子どもの心の健全な成長を促します。
社会のルールを教えるチャンスにしよう
だからこそ、人に迷惑を掛けないように、決められたルールを守るというのが大切なのです。とはいえ、幼児期の子どもは、社会生活におけるルールや周囲への影響を考えることができません。
「子どもがわがままを言っている」と親が判断したときは、社会のルールを教えるチャンスだと捉えましょう。幼児期に我慢することや努力することを身につけておかなければ、自己中心的な人間に育ってしまうため、しっかりと世の中の決まりを教えておきたいですね。
子どものわがままに対応するコツ
「わがままな子」と決めつけず理由を聞こう
もちろん、わがままをそのまま受け入れるだけでは、単なる甘やかしになるでしょう。しかし、子どもにも子どもなりの理由があってわがままを言っているのかもしれないのです。
もしかしたら「お友だちに分けたい」というのが理由かもしれません。この場合、子どもの言うことに納得できれば、要求を受け入れられますよね。
ママにとってわがままと感じられることも頭ごなしに否定するのではなく、一度理由を聞いてから対応することが、親子の信頼関係を育みます。