子育てを脳科学的に検証!子どもにどんなアプローチをするべき?
脳科学で明らかにされた子どもの脳の発達の過程をわかりやすく解説します。具体的に、バランスの取れた頭のいい子を育てるにはどのようなアプローチが必要なのか。今すぐに使えるテクニックや注意点、脳科学おばあちゃんこと、久保田式育児法の概要をご紹介します。
脳科学的な頭のいい子とはどんな子?
脳細胞の数や大きさじゃなく、繋がりが多い
3歳くらいまでに多種多様な刺激を受けることで、シナプスは作られます。シナプスがたくさんできていると、脳の領域も広がりやすくなり、体を上手に動かしたり、休めたりすることや、喜怒哀楽を上手にコントロールすることもできるようになります。
最終的に、勉強だけができる子ではなく、運動能力や人間性、健康面でも優れた子に育つようにシナプスを育てることが大切だったのです。
心を司る前頭前野が育っている
この私達の内面を形作る「心」は、脳の中でもおでこの周辺にある前頭前野が司っています。突然怒りを爆発させてキレない子どもに育てるためにも、前頭前野を大切に育てる必要があるようです。
とは言っても、前頭前野は幼児期に完成してしまうわけではありません。脳の多くの部分が8〜10歳頃までに完成をしていきますが、この前頭前野は、25歳くらいまでかけてゆっくりと成長します。そして、歳を取るにつれて衰退していくようです。
3歳までに8割完成する?脳の成長について
生まれたばかりの赤ちゃんの脳は生きていくのに最低限必要なシナプスの繋がりがあるだけで、自分の体を動かすのに必要な繋がりすらできていない状態です。完成された脳は、それぞれの細胞が1万〜10万のシナプスを持っているようです。
人間は生まれてから3歳までにシナプスの7〜8割完成させます。一生のうちで最もシナプスが増える時期ということになりますね。その後、8〜10歳くらいまでにほぼ完成し、その後は前頭前野など一部の脳が調整や成長を続けます。
具体的にどんなアプローチをすれば良いの?
からだ全体に多くの刺激を与えてあげよう
シナプスの形成を助けるオススメの遊びは、「いないいないばあ」です。その理由は、ワーキングメモリー(作業記憶)と呼ばれる、動作に不可欠な記憶を一時的に記憶する能力を高めることができるからです。
ワーキングメモリーは学習や会話、日常生活で何かを判断し行動する時に使われており、私達の生活において重要な働きをしているようです。
普通に日常生活を送っていても、赤ちゃんにとって、この世界は刺激に満ちあふれています。過度に刺激を与えようと躍起になる必要はないようです。
手を動かすことで自ら刺激を得るように促す
「第二の脳」とも呼ばれる人の手には、感覚器官がたくさん集まっています。生後1ヶ月くらいの赤ちゃんは自分の手を眺めたりしゃぶってみたりと、自分の手に興味を持ちます。そのため、この頃の赤ちゃんの発達には手が欠かせない要因となるようです。
この頃の赤ちゃんに、何かおもちゃを持たせたり、ベットの上でくるくる回るメリーを置いてあげることも刺激にはなりますが、せっかく感覚器官の集まった手で遊ばせることの妨げになるようなことはなるべく避けるようにしましょう。
必要な時期に必要な刺激を与えよう
うつ伏せの状態から頭を自分で持ち上げられるようになり、ハイハイする筋力がつきます。もし赤ちゃんがずっとバウンサーの中で寝かされていたら、この能力をきたえる事が難しくなるでしょう。
早く歩けるようになるからと、早い時期から歩行器に入れてしまうのも、自然な流れにそった成長を妨害してしまうことになりかねません。
「何かしてあげたい」と思う気持ちになるのは当然のことだと思います。しかし、自然の流れに任せ、注意深く見守ってあげることが大切なようです。
脳科学おばあちゃんとは?久保田式育児法
詳しく知りたい!久保田式育児法
オムツ替えの時には気分のよい言葉をかけてあげると、意味を理解できなくても、神経回路が理解しているので、子どもの表情が豊かになるそうです。
お箸の使い方を教える時の注意点や紙をちぎらせるなど、実際に子どもにやらせたほうがいい遊びや子どもと話す時のポイントについて、生活のシーン別に脳科学の視点を入れ、どうしたら良いかを説明してくれています。