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中国と日本の幼児教育はどう違う?中国の教育制度と方向性

中国と日本の幼児教育はどう違う?中国の教育制度と方向性

「日本と近い国である中国の教育ってどうなんだろう?」と思ったことはありませんか?または「中国の親は子どもの教育にとても熱心である」と聞いたことがあるかもしれません。中国ではどのような教育システムがあり、どういう教育方針なのかなど、中国の教育事情について調べてみました。

中国の乳幼児の保育・教育制度について

0~3歳までの子が通う託児所

0~3歳までの子どもは、衛生部門が管轄する託児所に通っています。

1980年代初頭までは、多くの共働き世帯が利用していました。しかし1980年代以降は、一人っ子政策の実施やベビーシッターの普及、早期退職などで家庭にはいる女性が増えたこともあり、需要は少なくなりました。

教育機関ではない託児所は親からの信頼も薄く、潰れたり吸収合併されたりするものもあります。制度上、託児所は維持されていますが、実際は幼稚園に改組したりすることで幼稚園と一体化しているのが一般的なようです。

そのため特に0歳児保育を実施する公的な託児所はほぼなくなっています。個人経営の無認可託児所はありますが、保育の質に疑問をもつ人も多くいるようです。

3~6歳までの子が通う幼稚園

3~6歳までの子どもは、教育部管轄の幼稚園に通っています。

日本の幼稚園の通園時間は朝からお昼過ぎまでが多いですが、中国では朝から夕方まで過ごします。

また子どもをかしこく育てたいという思いから、幼稚園以外でも英才教育をおこなう親が多いです。その影響もあり、幼稚園でも遊ぶ時間より勉強する時間が多くなっています。

「言語」「化学」「芸術」「英語」の4つの分野の勉強項目が午前中にあり、お昼寝のあとはモンテッソーリ教室や英語教室、ピアノ教室などそれぞれが希望するお稽古の時間になります。

勉強だけではなく、教育プログラムのなかで戸外での自由遊びを一定時間確保するよう決められています。遠足や運動会なども多くの園で実施されています。

日本人が中国の幼稚園に通うとき

日本人が中国の幼稚園に通う場合、主に3つの選択肢があります。

・日本式の運営が行われている日系幼稚園。教師も日本人で、日本語が使われています。日本の幼稚園そのものといえるでしょう。

・地元の子どもも通うローカル幼稚園。国際部で外国人の子どもを受け入れているようです。中国語と英語が使われています。中国式の幼稚園なので勉強が中心です。

・インターナショナルスクールに付属された幼稚園。さまざまな国の子どもが通っています。アメリカ系やイギリス系、シンガポール系、ローカル系など、方針はさまざまです。使われる言語は英語になります。

「どの言葉で学ばせるか」「重視する教育内容は何か」を考えてどのタイプにするのか決めることが多いようです。

日本と中国の幼児教育の違いについて

社会性を学ばせる日本、競争が激しい中国

日本の幼稚園では遊びのなかで、集団生活に必要なルールやマナーを学んでいます。また基本的な生活習慣や生活態度を身につけることも目的の1つです。

中国は日本と違い人口も多いため、競争も非常に激しくなっています。

特に都市部では、小さなころから英語やピアノなどの習い事を始める子どもが多いです。幼児教育においても「他人と競うこと」が求められる場面が多くあります。「自分の子どもが負けないように」と子どもよりも親が幼児教育や早期教育に一生懸命になっています。

しかし近年では、中国でもいわゆる「詰め込み式」の教育に疑問をもつ人が増えてきており、同じ教育でも日本の「心の教育」に関心が高まっています。

地域格差が激しい中国の教育

中国が抱えている教育の問題点の1つに、都市部と農村部の教育格差があります。

ある市の都市部では小学校入学前3年間の入園率と、農村部の小学校入学前1年間の入園率が同じ割合(85%)となっています。農村部では幼稚園に入園できない子どももいるということです。別の市では、3歳児以上の入園目標率が90%なのに対し、農村部は80%と初めから目標率を低く設定しているところもあります。

また、急速に発展している東部と発展が緩やかな西部でも格差が生じています。

財政力が異なる都市部と農村部や東部と西部では教師やカリキュラムの質に差がうまれています。しかし、十分な財源がないこともあり教育格差を解消するのは難しいとされているのが現状です。

中国の親は早期教育に熱心

競争が激しい中国では、子どもが小さいころから習い事などの早期教育をおこなう親がたくさんいます。

数年前におこなわれたあるアンケート調査では、習い事をおこなっている未就学児は、日本では42.9%と約半数なのに対し、中国では88.0%とほとんどの子どもが習い事をおこなっている結果が出ました。また複数の習い事をおこなっていると答えた人数も日本より多かったそうです。

日本で一番多い習い事は「水泳」と体を動かすものですが、中国では「幼児教室」と知育をおこなうものだったことからも、早期教育に力がはいっていることが分かります。

幼稚園が入園前のプレスクールを求めるケースも多くなっており、政府もプレスクール教育に投資強化を図っています。

中国の6歳以降の学校教育システム

6~12歳までの小学校教育

6~12歳の子どもが通う小学校は義務教育です。基本的には6年制ですが、農村部では5年制の小学校も多くあります。ほとんどの子どもが小学校へ入学しますが、経済的やそのほかの理由で中途退学する子どももいるようです。

都市部では低学年から7時限目まで授業があります。基本的には土日が休みですが、土曜日は学校が有料の学外講座を実施するケースもあります。

日本の小学校でも英語の授業がスタートしていますが、中国では2001年から小学3年生から英語教育がはじまりました。小学3・4年生では週に4回・20分の授業があります。小学5・6年生になると、週に2回・20分と40分の授業になります。国として英語教育に力を入れています。
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