つわりで仕事を休む基準は?職場への伝え方や気をつけたいこと
妊娠に喜んだのもつかの間、程度の差はあるものの、つわりは避けては通れない道です。「まだ妊娠の事実も伝えていないのに…」、「つわりで休むなんて甘えと思われたらどうしよう…」と不安に感じるママもいるかもしれません。そんなママにむけて、つわりで仕事を休む基準や伝え方の注意点について、まとめました。
医師から重症だと判断されるつわりの基準
日本産婦人科学会が示す重症のつわり
そのような場合の目安として、日本産婦人科学会が示す基準に「1日に複数回、苦痛をともなう吐き気やおう吐がある場合」、「食事が取れずに体重減少が見られる場合」、「冷や汗・頭痛・強い倦怠が見られる場合」があげられています。
このような場合は、決して無理はせずにかかりつけの医師に相談をして点滴などの治療を受けたり、休職をした方がよいのかなどついて聞いてみましょう。また、これらはあくまでの目安ですので、つらいと思ったら、無理せず休むようにしてくださいね。
妊娠悪阻や妊娠中毒症は確実に診断書がでる
妊娠悪阻とは、つわりが重症化した状態のことで、体重減少の程度や脱水症状の有無、尿からケトン体が陽性反応を示すかなどによって判断されます。妊娠中毒症とは、現在は「妊娠高血圧症候群」と呼ばれ、血圧の上昇や尿たんぱくの症状があらわれます。
いずれにしても、重症化すると母子ともに危険な状態になりかねませんので、つわりが辛いと思ったら無理はせずに医師に相談をしてくださいね。
おう吐や食欲不振で点滴が必要な状態
目安としては、1日に何度もおう吐し、食事での栄養補給ができない場合や、頭痛やめまいなどの症状が激しく、仕事や日常生活に支障がでるような場合です。そのようなときは、かかりつけの医師に診断書を書いてもらえないか相談をしてみましょう。
妊娠悪阻などでない限り診断書を書いてもらえないけれど、どうしてもつわりが辛いような場合は、診断書を書いてくれる病院に転院することも視野に入れてもよいかもしれません。
重症のつわりで仕事を休むときの伝え方
申し訳なさや感謝の言葉とともに正直に連絡
しかし、あまりに休みが続くようであれば、周囲に心配をかけることになるので、たとえ安定期前でも、直属の上司には早めに妊娠の事実を伝えるようにしましょう。その際は、現在妊娠何週目で、つわりの症状がどの程度か、特に体調が悪い時間帯があればそれはいつか、など今の状況を具体的に伝えることが大切です。
妊娠の報告と体調について連絡をするときは、「つわりだから仕方ないだろう」という態度はとらずに、休みが増えることに対する申し訳なさと、サポートしてもらう周囲への感謝を丁寧に伝えましょう。
理解が得られないなら診断書を提出して
つわりやお腹の張りがひどく、通常業務に支障が出る場合やそもそも通勤が難しい場合、医師による診断書を提出することで、客観的につわりの重症度を示し、休職等の対応をとることができます。
妊娠悪阻や妊娠中毒症の場合を除き、診断書を書いてもらえるかの判断は、医師によって異なりますが、まずはかかりつけの産婦人科に相談してみるとよいでしょう。
母健連絡カードを利用するのもひとつの手
これは、診断書と同等の効力をもち、医師が行った指導事項の内容を、仕事を持つ妊産婦から事業主へ明確に伝えるのに役立つカードのことです。このカードの提出を受けた会社は、その内容にそって適切に対応をする義務があります。
診断書は、一般的に病気にともなう休業の指示などが記載されていることが多いですが、母健連絡カードの場合は、つわりなどの症状に応じた柔軟な対応を指示することができます。たとえば、勤務時間の軽減や通勤負担の緩和、負担の大きい仕事の制限といった、休むほどではないが、配慮が必要な場合についての指示をすることができます。