出産前(妊娠中)の体重増加について
妊娠にまつわる体重の増減に不安を抱く方も多いと思います。今回は妊娠中の体重の増減とそれにともなうリスクから、産後の体重減少の流れ、体重が減りにくくなる原因とその対処法をご紹介します。妊娠中の体重の増えかたや、産後の体型の戻しかたが気になる方は、ぜひご一読ください。
出産前(妊娠中)の体重増加について
理想的な体重増加量を計算してみよう
BMI=妊娠前の体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
この数値が18.5未満なら+9~12kg、18.5~25未満なら+7~12kg、25以上では個別対応というのが、妊娠中に増えてもよい体重です。増えすぎも増えなさすぎもそれぞれにリスクがありますので、普通体型の方なら10kg前後増加すると思っておくのがよいでしょう。
妊娠期間全体をとおして、1週間に300~500g程度ずつ増えるのが理想的とされています。
赤ちゃんの体重と低出生体重児のリスク
出産時(37週以降)に赤ちゃんの体重が2,500g以上あれば問題はありません。それ以下であれば低出生体重児となり、脳に影響がでたり、発達障害をもって生まれるリスクが上がるといわれています。
赤ちゃんの低体重はママの妊娠高血圧症候群や、妊娠糖尿病による血行不良が原因である場合もあるようです。また、ママが妊娠中にタバコを吸ったり、お酒を飲んだりすることでも低体重や神経中枢の障害を引きおこす可能性があります。
赤ちゃんの発育のために、健康的な生活を心がけましょう。
体調管理に役立つ食事のポイント
野菜のほかにも良質なタンパク質である大豆製品もおすすめです。動物性よりも、植物性の方が低カロリーなうえにミネラルや食物繊維も豊富です。
お肉を食べるなら、カルビや豚バラなどの脂肪が多い部位はなるべく避け、鶏のささみやむね肉といったものを選びましょう。お魚も同様に、大トロなどより赤身やタラなどの白身のほうがよいでしょう。
インスタントやレトルト食品、お菓子類はカロリーだけでなく塩分や添加物も多いのでなるべく避けたほうがよい食品です。
出産後の体重減少の流れを知ろう
出産直後~産後1カ月はゆっくりと
ゆっくりと体をやすめ、できるだけ家事も周囲にサポートしてもらいましょう。母乳育児でカロリーも自然と消費されるので、よりよい母乳を作り出すためにバランスよく食事を摂ることが大切です。
油分や糖分の多い食事は母乳を介して赤ちゃんにも影響しますし、母乳の濃度があがることで乳腺が詰まりやすくなるなどのデメリットがあるので注意が必要です。普段の摂取カロリー+500kcalで、約2,000kcalが目安とされています。
産後2~3カ月からダイエットを取り入れる
妊娠中につく脂肪は「流動性脂肪」といわれる燃えやすいものが多く、家事や育児で日常的に体を動かしていれば自然と落ちていきます。
また、水分が体にたまってしまっている場合も多いため、マッサージなどで老廃物を排出するとよいでしょう。
体重が減りやすい時期とはいえ、偏った食生活は新たな脂肪を溜め込む原因になります。食事の内容はもちろんのこと、寝る前には固形物を口にしないなど、食べる時間帯にも気を付けましょう。
産後6カ月までに落ち着くのが理想的
逆にいえば6カ月までならば落ちやすいということ。妊娠中に少し増えすぎてしまったというママも、努力次第で元の体型に戻れるチャンスです。
妊娠前に比べると筋力が落ちているママが多いと思います。筋肉はエネルギーを燃やすためのエンジンのような役割があり、鍛えることで基礎代謝があがり、じっとしていてもカロリーを消費しやすい体へと導いてくれます。
無理は禁物ですが、体の回復具合と相談しながら負荷の少ない筋力トレーニングを取り入れることで、効率よく脂肪を燃やすことができるでしょう。
出産後体重が減らない原因と対処法
ゆるんだ腹筋や骨盤のゆがみなどの体的原因
腹筋が伸びてしまうと、内臓を守る機能が充分に発揮できません。体は腹筋の代わりを皮下脂肪で補おうとするので、結果的にお腹周りにお肉がついてしまいます。
また開いた骨盤をそのままにしておくと、内臓が落ちてしまい下腹がぽっこりとした体型になり、その隙間にもまた脂肪がつきやすくなってしまうのです。
骨盤底筋は出産が近づくと、「リラキシン」というホルモンの関係で自然とゆるみます。そのままにしておくと内臓を支える力が弱くなり、これもお腹がでてしまう原因になります。