産後に一番風呂がよいのはなぜ?産後の入浴は感染症や尿漏れに注意
お風呂上がりのお湯漏れに注意しよう
産後は膣の中にお湯が入りやすくなっている
お湯漏れの原因の一つは、「骨盤底筋」という骨盤を下からハンモックのように支える筋肉が、出産時のいきみなどでダメージを受けてゆるんでいる可能性があります。それにより骨盤に歪みが生じるのですね。
骨盤底筋がゆるんでいると膣の中にお湯が入りやすくなり、結果的にお湯漏れが起こります。お湯が入りやすいと、細菌感染の恐れもあります。骨盤底筋は鍛えないとゆるんだままなので、産褥期が終わり体力が回復してくるころから少しずつトレーニングを始めましょう。
お湯漏れは放置しても大丈夫なの?
頻繁に膣にお湯が入ってしまうと、そこから感染症が起こる危険性があります。特に、産後は免疫力が下がるため、細菌に感染するとおりものが増えたり次の妊娠に影響を与えたりすることもあるようです。
また、骨盤がゆるんだままだと子宮が下がる「子宮下垂」、さらに子宮が膣から出る「子宮脱」になる可能性も考えられます。子宮脱は手術が必要になることもある病気ですよ。お湯漏れを放置して病気にならないためにも、しっかり骨盤底筋をトレーニングして産後の体をケアをしましょう。
入浴後は膣からお湯を出すようにしよう
膣にお湯を入りにくくするには、背筋を伸ばしなるべく直角の姿勢でお湯に浸かるのがおすすめです。膣に入ってしまったお湯は、浴槽から出た後に洗い場でしゃがんで腹圧をかけるか、スクワット運動を2〜3回することでも出すことができます。
また、脱衣所で足の間にタオルを挟んで腹圧をかける方法もあります。コツをつかむまでは少し難しいかもしれませんが、やりやすい方法でしっかりお湯を出すようにしましょう。
産後は骨盤底筋体操をして漏れ対策
骨盤底筋体操はお湯漏れ以外にも効果がある
骨盤底筋体操は、経膣分娩の場合は産後1カ月ごろから、帝王切開であれば産後2カ月ごろを目安に始めるとよいでしょう。産後すぐに骨盤を締め過ぎてしまうと、悪露が正常に排出されないこともあるので注意してくださいね。
いくら骨盤底筋を鍛えても、日ごろの姿勢が悪いと効果が出にくくなります。抱っこや授乳のときはどうしても猫背になりがちですよね。体操と合わせて、姿勢を見直してみましょう。
産後ママにおすすめの骨盤底筋体操をご紹介
やり方は、うつ伏せになり体をまっすぐにして、両足のかかととつま先をくっつけます。足全体を内側に巻き込むようにしながら、お尻をぎゅっと締めましょう。その姿勢を数秒キープし、脱力します。これを何度か繰り返してくださいね。
産後3週間ごろからできる体操は、あお向けの状態で左右のひざとかかとが床と平行になるように足をかかえます。息を大きく吸った後に、息を吐きながらひざを胸に引き寄せて10秒キープしましょう。こちらも何度か繰り返すことが大切です。
骨盤底筋体操は、ママの体力が回復してから無理のない範囲で行ってくださいね。
漏れが気になるときは病院を受診しよう
お湯漏れや尿漏れはトレーニングで改善できることが多いですが、セルフケアだけでは治らないこともあります。産後4カ月が経ってもお湯漏れや尿漏れが続いている場合は、迷わず病院を受診したほうがよいですよ。
受診するのは、産科や婦人科、泌尿器科のいずれかがよいでしょう。赤ちゃんの健診の際に相談してみるのもおすすめです。治療が必要だと診断されると定期的な受診が必要になるので、家や駅に近く通いやすい病院を選ぶと安心ですね。
ママはどうしても赤ちゃんを優先にしがちですが、自分のケアも大切にしましょう。
まとめ
出産で見た目以上にダメージを受けているママの体には思わぬトラブルが起こることもあります。赤ちゃんのお世話に大忙しだと思いますが、ママが健康でいることが赤ちゃんにとっても大切です。無理をせずに、セルフケアや治療をしっかりしてくださいね。