子どもを病気から守ろう!冬に流行る病気や感染症への対策とは
集団生活をしていると、どうしても切り離せないのが風邪をはじめとする感染症です。鼻水や咳が出る子が1人いると、あっという間に広がってしまいます。働くママにとって子どもが風邪のたびに仕事を休むのは難しいこと…。普段から予防に努めたいですね。この記事では冬に流行る病気やその症状、予防法などを紹介します。
冬は感染症が大流行!その原因と対策
感染症の原因は「ウイルスと細菌」
一方、溶連菌や大腸菌、結核菌など細菌が病気を引き起こす場合もありますね。細菌は人や動物の体内に入らなくても繁殖できるのが特徴です。
ウイルスと細菌では治療法にも違いがあります。溶連菌で抗生物質を出されたことはありませんか?細菌は抗生物質で破壊できるのに対し、ウイルスの死滅に効果がある薬はほとんどないといわれています。
「インフルエンザのタミフルはどうなの?」と疑問に思いますよね。タミフルはウイルスを消滅させるわけではなく、増加を抑える作用がある薬なのです。ウイルスによる感染症の場合は、自分の免疫力に頼るしかないのが実情です。
うがい、手洗い、湿度管理が予防のポイント
うがいは、まず食べかすなどをとるために強くゆすぎます。次に、のどの奥のよごれをとるために上を向いて15秒ほどうがいをします。「あー」と声を出すと効果的ですよ。再度同じように上向きでうがいをして終わりです。
手を洗う前にアクセサリーや時計をはずしておきます。石けんをよく泡立てて手のひら・手の甲をこすり洗いします。指先や爪の間は、手のひらに指先をこするように洗うとよいですよ。手首まで洗えばバッチリです。
うがいや手洗いのほかに気を付けたいのが湿度管理です。一般的に、インフルエンザウイルスの感染を防ぐためには、室内湿度を50~60%に保つのが理想とされています。
病気にかかってしまったら
発疹はすぐに消えてしまうこともあるので、写真を撮っておくと診断に役立ちます。「気管支炎かな?」と思うときなどは、咳き込む姿を動画に残しておくとよいですよ。
ただし、インフルエンザは発症してすぐ検査を受けても陰性になる可能性が高く、翌日また病院に行かなくてはなりません。そうなるとママにも子どもにも負担になってしまいますね。
インフルエンザが疑われるとき、けいれんを起こさずに意識がはっきりしているようなら、半日ほど自宅で様子を見てからの受診をおすすめします。
風邪に似た症状の冬に流行る病気「その1」
高熱が出ないことも!「インフルエンザ」
症状が多岐にわたる理由は、インフルエンザウイルスがA型、B型、C型の三つに分かれているからです。なかでも毎年大流行するのはA型とB型。
A型は高熱や関節痛の症状が多いのが特徴ですが、B型はあまり熱が上がらず普通の風邪と見分けるのが難しいかもしれません。ワンシーズンで何回もインフルエンザにかかる人がいるのは、複数の型があるからなのですね。
予防接種を打っていれば重症化が防げると考えられています。子どもは2回接種が原則です。1回目の接種から1カ月ほど間隔をあけるのが望ましく、早めに予定を組んで流行の時期に備えましょうね。
2歳までに約100%感染「RSウイルス」
発熱や鼻水など風邪の症状に加えて、喘息のような胸の音(ゼーゼー、ヒューヒュー)が出始めたときは気管支炎や肺炎になる場合があるので要注意。
特に低月齢児や早産児、肺や心臓など呼吸器に疾患がある子は重症化するおそれがあるといわれています。心疾患がある子が毎月RSウイルスのワクチンを打つのは、重症化を防ぐために大切なことなのですね。
RSウイルスはウイルスが原因のため有効な薬がありません。症状を和らげるための吸入薬や点滴などの対症療法を行いながら子どもの様子を見ることになります。
のどが痛い「溶連菌感染症」
おしゃべりができない子どもは、のどの痛みを訴えることもできません。もし飲食を嫌がるようならのどの痛みが原因かもしれないので、よく様子を見てあげましょうね。
溶連菌は細菌感染が原因で起こる病気です。受診すると抗生物質を処方されますので、主治医の指示に従い、しっかりと飲みきりましょう。症状が治まったからと途中で服薬を中止すると、再発したり合併症を起こしたりします。
溶連菌感染症の感染経路は、咳やくしゃみなどによる飛沫感染です。パパやママにも感染の恐れがありますので、十分注意してくださいね。
他症状にも注意の冬に流行る病気「その2」
感染力が強い「ノロウイルス」
ノロウイルスの主な症状は強い吐き気や嘔吐、水様性の下痢で、トイレから離れられないほど。後遺症の心配はあまりありませんが、脱水になりやすく症状が落ち着いたときを見計らって少しずつ水分補給を行いましょう。
ウイルスが原因なので、残念ながら有効な薬はありません。ウイルスの排出を遅らせる下痢止めは、あまり服用しない方がよいと考えられています。
接触感染のため、汚物は直接触ってはいけません。エプロンや手袋を用意し、塩素系漂白剤を薄めた消毒液でしっかり消毒しましょう。