非常食は何日分あれば安心できる?非常食の基礎から防災の準備まで
子どもがいる家庭では、大規模災害が発生したときのために非常食はどのくらい準備をしておけば安心なのでしょうか。そのような心配をするママのために、非常食の基礎について解説するとともに、子どもの非常食を準備するときのポイントや日ごろからしておきたい防災の準備についてご紹介します。
非常食について知っておきたいこと
非常食は最低でも3~7日分必要
赤ちゃんがいる家庭では、防災グッズの中でも特に大切なものが非常食です。一体、非常食は何日分用意しておけばよいのでしょう。
農林水産省が平成31年3月に発行した「災害時に備えた食品ストックガイド」によると、物流機能が停止するような大規模災害に備えるため、最低でも3~7日分の非常食を備えるように呼びかけています。
これは、これまでの大規模災害では災害発生から支援物資が届くまで3日以上、ライフライン復旧までに1週間以上かかったという経験に基づいた日数のようです。
備蓄しておきたい非常食の種類
●飲料水…ペットボトルであれば、1年以上保存できる。飲料水のほかにも、赤ちゃんのミルクの調乳にも便利
●アルファ米…炊いたご飯を乾燥させたもので、水やお湯を加えるだけで食べられる
●乾パン…小さなビスケットのようなパンで、そのまま食べることができる
●レトルト食品…シチューやカレー、おかゆなどのレトルト食品の多くが長期保存できて、非常食としても便利
これらの非常食には賞味期限があります。日常生活の中で食べながら買い足すと、無駄にすることはないでしょう。
非常時でも衛生的に食事をするために
非常時では、水は貴重です。普段の生活のようにこまめに手洗いができないかもしれません。そこで、食べ物は素手で触らないように気をつけましょう。
ラップやポリ袋、クッキングシートは、非常時にあると大活躍します。お皿にラップを敷けば洗う必要がなくなり、ポリ袋はボウル代わりとして食材を混ぜることが可能です。クッキングシートをフライパンに敷いて調理をすれば汚れが簡単に落とせるだけではなく、タオルや布巾の代わりにもなります。
また、哺乳瓶を使うときに煮沸消毒ができないことだってあります。このようなときには、紙コップを使うとよいでしょう。
子どもの非常食を準備するポイント
母乳育児でも粉ミルクの準備が必要な理由
これまでの大規模災害では、被災直後にストレスなどが原因で母乳が出なくなったママがいたそうです。いつ発生するか分からない災害に備えて、粉ミルクを用意しておきましょう。
粉ミルクの中でも、スティックタイプやキューブ式がおすすめです。どちらも計量する必要がなく、衛生的に授乳ができます。
また、紙コップの授乳を嫌がる赤ちゃんには、使い捨てタイプの哺乳瓶があると便利です。非常時だけではなく、遠くへお出かけするときにも重宝しますよ。
離乳食の場合にはベビーフードや缶詰を
また、缶詰を上手に使えば、離乳食のレパートリーが広がります。缶詰は常温でも長期保存ができるので、常にストックしておきたいですよね。
ツナや大豆、ひじき、ペースト状のコーンなど、メニューは豊富です。トマト缶やフルーツ缶なども離乳食用の缶詰として重宝します。
なお、食材を簡単にすり潰したり、細かくしたりすることができる離乳食用の調理グッズを持ち出し袋に入れておくと便利です。
アレルギー対応食の準備も忘れずに
それぞれの自治体ではアレルギー対応の備蓄品を用意するように努力しているようですが、まだまだ不十分であるのが現状でしょう。お住まいの自治体がどのようなアレルギー対応の備蓄品を用意しているのかを、事前に確認した方がよさそうです。
また、それぞれの家庭でアレルギー対応の非常食の準備をしておくことも大切です。最近では、ミルクアレルギーに対応した粉ミルクやアレルギー対応の非常食の種類が増えてきています。実際に試食した上で、子どもの好みに合った非常食を用意しましょう。
日ごろからしておきたい防災の準備
防災グッズは持ち出しやすさが大切
それでも、赤ちゃんを抱えての避難を考えて、防災グッズの中身を厳選しておいた方がよいでしょう。キャスターがあるキャリーバッグであればたくさんの荷物を運び出せますが、災害時には不向きです。
防災グッズの入れ物は、両手が使えるリュックサックがよいでしょう。リュックサックにもキャリーバッグにもなる防災バッグであれば、便利です。
また、防災グッズはすぐに持ち出せる場所に置いておくようにしてくださいね。玄関の近くや寝室などに置いてあるご家庭が多いようです。なお、非常食は涼しくて暗い場所にストックしておきましょう。