家族みんなで考えるストロー問題。代用品やエコについて話してみよう
国連で気候変動の危機を訴えたスウェーデンの少女が一躍脚光を浴びましたが、プラスチックゴミも地球環境を汚染していることで大きな問題になっています。日本でもプラスチック製ストローを使わない取り組みが進んでいます。ストローの何がいけないのか、代用品はないのかなど、脱ストローについて考えてみましょう。
どうしてストローが問題になっているの?
プラスチックのゴミが世界的な問題に
ストローに限らずプラスチックゴミが海に放出されて海に沈むことで、クジラやオットセイのような大型海洋生物がエサと間違え飲み込んで、死んでしまうというような悲劇につながっています。
また、5mm以下のマイクロプラスチックが海中の有害化学物質を吸着し、魚や貝が食べることで体内に有害物質を取り込んでしまうため、生態系に影響をおよぼす恐れも指摘されています。このことからも分かるように、プラゴミは地球規模での問題となっているのですね。
細いストローはリサイクルされにくい
また、ごみ箱に捨てる間に落ちる可能性もありますし、袋が破れていて穴をすり抜けて落ちる可能性もあります。さらに、ネズミや鳥が穴を開けて路上にストローがこぼれることも考えられますね。
これらのすべてに共通しているのが、細いストローということです。各種データによって差はありますが、毎年1,000万トン近くのプラゴミが海に行き着いています。リサイクルされずに廃棄されている数多くの海洋ゴミの中でも、プラゴミはトップ10に入っているのです。
大手企業もストローを廃止にする動きへ
「マクドナルド」では、2025年までに全世界での店舗でプラスチック製ストローを提供しないことにしています。そればかりか、ハンバーガーを包む紙や箱、袋などもリサイクル可能な資源に切り替えることを目指しています。
「すかいらーくホールディングス」では2018年8月に外食大手で初めて、東京オリンピックまでにプラスチック製ストローの提供を止めることを発表しました。2019年7月末には、グループ全店のドリンクバーで廃止を完了しています。
このほかにも、アメリカの「ディズニーランド」もプラスチック製ストローの使用中止を決定するなど、世界的に廃止の動きが広がっていますよ。
家庭内でストローを廃止するための代用品
家での飲み物はストローマグが便利
離乳食を始めるころから使う家庭が多いようですが、赤ちゃんの握力が弱いうちはプラスチック製の軽いものを選びましょう。握力がついてくれば、外出の際には保温機能が高い真空断熱素材を使うのがよさそうです。
パッキンがしっかりしているものを選べば倒しても中身がこぼれにくいのですが、洗いにくさが難点といえます。ストロー部分の内側などの細い部分は、100円ショップの「細い注ぎ口用のお掃除グッズ」を使うときれいに洗えますよ。カビが生えないようにしっかり洗いましょうね。
最近ではかわいい紙ストローも発売している
デザインも豊富に用意されていて、ダイソーにはかわいい黒猫が遊ぶイラストの紙ストローもあります。イエロー・水色・ピンクの10本セットで発売しています。
ハロウィンの時期にピッタリなのが、キャンドゥのハロウィン柄の紙ストローです。かわいいおばけ柄とコウモリ柄のモノトーンのストローで、見た目にも楽しげなイラストですよ。
そのほかにも、水玉やストライプ、ボーダー柄など様々なデザインの紙ストローがあって、レッドやブルー、ローズピンクなどカラフルな色が揃っています。紙ストローであれば、安心して捨てることができますね。
徐々に普及してきているマイストロー
例えば、冷たいものを飲むときにピッタリなのが「ステンレス製ストロー」です。ステンレス鋼で作られているので錆びることがないうえ、掃除用のブラシがついているものもあるので、いつでもきれいな状態で使うことができますよ。
また「シリコン製ストロー」を使えば、飲み口がシリコンなので子どもでも飲みやすいでしょう。シリコン部分は取り外せるので、きれいに洗うことができますよ。少し値段が張りますが、金属臭がなく金属アレルギーも出にくい「チタン製ストロー」もおすすめです。
子どもと一緒にエコの話をしよう
プラスチックゴミは海の生き物に影響がある
クジラやウミガメ、海鳥などの生き物は、ビニール袋などをエサと間違えて食べてしまいます。プラスチック製の網が体に絡まって、傷つき弱ってしまう生き物たちもいるそうです。
また、マイクロプラスチックは、海に溶け込んでいる有害物質を次々に集め最大100万倍に濃縮させることが判明しました。これを海の生き物が食べると、有害物質が体内に溶け出し脂肪や肝臓に溜まってしまうことになるのです。