赤ちゃんは寝ることでどう育つ?寝る理由と夜に寝かせるためのコツ
生まれたばかりの赤ちゃんは、1日のほとんどを寝て過ごしていますよね。どうしてこんなに寝ているのかなと思うママもいるかもしれません。赤ちゃんがたくさん寝るのにはどんな理由があるのか、なかなか寝ない場合のデメリットや、寝ない赤ちゃんを寝かしつけるためのコツなどをまとめました。
赤ちゃんが必要な睡眠時間や成長について
赤ちゃんに必要な寝る時間を知ろう
アメリカにある睡眠学や小児科学、さらに神経学などの専門家が集まっている「アメリカ国立睡眠財団(NSF)」というNPO法人があります。NSFが発表している赤ちゃんに必要な睡眠時間の目安を見てみましょう。
・0~3カ月では14~17時間
・4~11カ月では12~15時間
・1~2歳では11~14時間
とされています。これはあくまでもNSFが発表している目安ですが、実際のところ日本の赤ちゃんの場合には、もう少し長く寝ているケースが多いようです。
0~3カ月では14~20時間、4~6カ月では13~16時間、7カ月~1歳では11~14時間が平均睡眠時間です。
寝ると成長ホルモンが分泌され大きくなる
赤ちゃんはたくさん眠ることで、下垂体からの成長ホルモンの分泌を活発に行い、ぐんぐんと成長していきます。生後1カ月で身長は6~7cmも伸び、体重も1~2kg増えるくらい急激に成長できるのは、眠ることで成長ホルモンの分泌が活発に行われるからです。
成長ホルモンの分泌は深い睡眠をとることも必要なので、赤ちゃんはぐっすりとよく眠ると成長していきます。まさに「寝る子は育つ」ですね。
寝ることで免疫力がアップし強い体になる
免疫力を高めるのに必要になるホルモンの一つが「メラトニン」です。メラトニンは脳の中の松果体(しょうかたい)という場所で合成されます。メラトニンが分泌されていると自然に眠たくなるため、睡眠ホルモンといわれます。メラトニンが分泌されないと、眠気は起こりません。
たくさん眠ることはたくさんメラトニンが分泌されていることにつながり、免疫力を高めることにもつながることが分かります。
赤ちゃんはたくさん眠ることでメラトニンの分泌を高め、自分自身の免疫力を高め、病気にかかりにくい強い体を作っているということになりますね。
赤ちゃんが寝ないと起こるデメリット
脳の疲れが取れず不機嫌になりやすい
ママも難しい話を聞いたり、難しい本を読んでいたりすると、眠たくなってしまうことはありませんか?これはママの脳が難しいことを理解しようとしてフル回転して、脳が疲れてしまったためです。赤ちゃんの脳で起こっていることと同じです。
脳の疲れを癒すためには、睡眠が必要です。睡眠は体だけではなく脳の休息にもつながります。
逆に脳が疲れているのに眠れないとママも不機嫌になりますよね。赤ちゃんも同じで、眠れないと不機嫌な状態が続きます。
育ち方や精神に影響が出る場合も
コルチゾールはストレスホルモンともいわれ、ストレスを感じると分泌されてストレスを緩和する役割があります。たくさん眠ることでコルチゾールの分泌が活発に行われると、ストレスが緩和され精神的に安定します。
また、起きてから元気に活動できるよう準備を行ってくれるホルモンでもあります。起きているときに元気に活動をすることで、体が疲れてしっかりと眠れるようにもなります。
睡眠不足はコルチゾールの分泌が低下し、活動的に過ごせず精神的にも不安定になる可能性が出てきますよ。
学習能力の低下や肥満にも影響が出る
朝起きたときにすっきりと目覚め活動的な体を作り、夜しっかり眠ることで起きている間の記憶を整理し体と脳をしっかりと休ませつつ体を成長させる、というサイクルを作っています。
ですが、三つのホルモンの分泌量が減ると、起きている間活発に活動できないため、自然と体力が低下し体は肥満傾向になりますよね。脳もしっかりと休めないため常に疲れた状態になれば、どうしてもストレスを感じやすくなります。記憶を整理することもできないため、学習をしても脳に定着しないということが起こります。これは学習力低下につながります。
赤ちゃんを夜に寝かせるための生活習慣
外に出たり午前中の活動時間を増やそう
赤ちゃんも同じで、午前中にたくさん活動をすると血行がよくなって1日を元気に過ごせます。元気に過ごせば疲労も感じますので、眠って疲れを癒そうと体が勝手に睡眠をとるように働きかけてくれますよ。
家の外の世界も、赤ちゃんの脳にはたくさんの刺激を与えてくれます。家の外に出ることは、脳を疲れさせて眠ることが必要と体に働きかける役割も果たしてくれますよ。脳を使い活動的に過ごすことで自然と眠れるようになります。