年長組のお泊まり会はなぜ行われる?趣旨や内容と見送るママの心得
幼稚園や保育園では、年長になると「お泊まり会」が行われます。子どもの単独外泊は、お泊まり会が初めてという家庭も多いでしょう。「ひとりで大丈夫かな?」と心配になりますが、せっかくの一大イベントですから、快く送り出したいですね。今回はお泊まり会の趣旨などとともに、見送る側の心得をまとめてみました。
お泊まり会が行われる趣旨とは?
ママに頼らない自主性と自立心を育てる
そもそも、お泊まり会にはママやパパはついて行きません。保護者がいない環境において、子どもは自分の力で身の回りのことをする必要があります。
近くにママやパパがいるとつい甘えたくなりますが、お泊まり会は保護者と離れている時間が長く、必然的に「自分で頑張ってやってみよう」という意欲が芽生えます。このように自力で何かを成し遂げるという経験により、大きな達成感を得ることが目的です。そうすることで、子どもの自主性や自立心が育まれていきます。
集団の共同生活で協調性や仲間意識を持つ
お泊まり会の内容は園によって違いますが、友だちと夜ごはんを食べたり、お風呂に入ったり、一緒に眠ったりという集団の共同生活を送ることで、協調性や仲間意識が養われていきます。
家族以外の人たちと寝食をともにするというのは、普段の家での生活とは異なります。友だちと力を合わせてゲームイベントに取り組んだり、ごはんの準備をしたりなどの経験を通して、ほかの人のことを考えながら行動する力や助け合いの精神も身につくでしょう。
小学生を意識した規則正しい生活を送る
園でのお泊まり会では、決まった時間にお友だちみんなで食事をしたり、入浴をしたりします。就寝時間や起床時間も決められており、みんなで同じように睡眠を取ります。このように、決められたスケジュールの中で生活することで、規則正しい生活を習慣づける目的があるのです。
小学校生活では、保育園や幼稚園以上に細かに決められたスケジュールの中で生活することになります。お泊まり会の中で規則正しい生活を体験しておくというのは、小学校生活を見据えた、よい練習になるでしょう。
お泊まり会ってどんなことをするの?
自炊することで自主性や自立心を育む
子どもが包丁や火を使うことに、不安を感じるママもいるかもしれません。しかし、使用する道具は幼児向けの安全性が高いものだったり、難易度の高い工程は先生が補助でついたりと、安全に配慮しながら取り組めるように対策が取られています。
自炊作業の中で、子どもも子どもなりに「危険かな?」と思うときは注意するようになりますし、決められた工程をこなすための過程で、自主性や自立心が育まれるでしょう。
レクリエーションで協調性の大切さを知る
日中の明るい時間の園の様子しか知らない子どもたちにとって、いつもの雰囲気と違う夜の園舎で過ごすということだけでも新鮮な出来事となるでしょう。また、翌朝は園周辺や近くの公園を散歩するケースもあるようです。
レクリエーションの内容によっては、お友だちと協力して取り組むとか、相手のペースに合わせるということが必要になってきます。みんなとレクリエーションを楽しむ中で、協調性の大切さを学ぶこともできるでしょう。
決まった時間の就寝で規則正しい生活を学ぶ
就寝時間は、20~21時ごろに設定している園が多いようです。しかし実際は、慣れない環境で緊張し、お友だちがすぐそばで寝ているという興奮によって、寝つくまで時間がかかる子は少なくありません。
それでも、電気を消して寝る体勢を整えることで、決まった時間に就寝するという規則正しい生活を体感できるでしょう。
ママもパパもいない中で寝るというのは子どもにとって貴重な体験ですが、寂しくなって寝つけなかったり目が覚めたりするかもしれません。そういう場合も、先生たちは交代で見回りをしているので安心ですよ。
お泊まり会に見送るママの心得とは
ママが心配しすぎるとプレッシャーになる
初めてのお泊まり会は子どもはもちろん、ママにとっても心配な面があるかもしれません。けれども、心配しすぎるあまり「おねしょしたらどうする?」「ちゃんと眠れる?」など、不安を煽る声かけは子どものプレッシャーになるのでやめましょう。
お泊まり会に向けて不安な要素がある場合には、あらかじめ先生に相談しておくことがおすすめです。どういったことが不安なのかを前もって伝えておけば、先生方も対応しやすくなるので、あとは安心して任せましょう。