塩素系漂白剤の危険な扱い方とは?育児中のママが使うときの注意点
医療器具の消毒や胃腸炎などの感染予防に使われる塩素系漂白剤は、子どもの衣類やおもちゃ、食器の消毒にも利用できます。しかし、刺激が強く、使用法を誤ると有毒ガスが出るなど危険がともないます。今回は、塩素系漂白剤の危険な扱い方と、育児中に使うときの注意点を紹介します。
塩素系漂白剤で危険な状況になる原因
酸性の洗剤と混ざると毒ガスが発生
塩素は強い殺菌力と漂白力を持っているため、消毒剤や漂白剤として活用されています。一方、目や鼻、喉の粘膜、皮膚などに炎症を起こすことから「毒ガス」として使用されていたこともあるようです。
混ぜる以外にも漂白剤と酸性洗剤を連続使用したり、漂白剤の容器に酸性洗剤を移し替えたりしたときに塩素ガスが発生することもあります。その塩素ガスによる死亡事故の例があることをご存知のママはどれだけいるでしょうか。
危険とされる使い方については後述しますが、「混ぜるな危険」の表示は軽視してよいものではないのです。
生ごみにかかり酸に反応する
レモンやオレンジなどの柑橘類のほか、イチゴやラズベリー、梅干しなどの食品にはクエン酸が含まれています。クエン酸は酸性なので、漂白剤と反応すると塩素ガスが出て危険です。
また、お酢やアルコールも漂白剤と反応して塩素ガスを発生するので注意してくださいね。
糖やデンプンなどが腐ると酸やアルコールができることが多いため漂白剤がかかると塩素ガスが発生する可能性があります。三角コーナーはもちろん、ごみ箱に塩素系漂白剤を使うときは生ごみを取り除き、水洗いをしてから使用するとよいでしょう。
原液のまま素手で扱う
近年、掃除に使えることで注目されている「重曹」はアルカリ性ですが、成分が弱いため手肌が荒れにくいといわれています。長時間触ったり、手肌が弱かったりしなければ素手で扱ってもほとんど荒れないようです。
しかし、漂白剤は重曹よりも強いアルカリ性なため、手肌にかかる負担が大きくなります。原液を扱うときは素手ではなく、ゴム手袋などを着用しましょう。
手袋をつけていると手肌が荒れないだけではなく、塩素のにおいが手指に残りません。原液ではなく、水で薄めた液を使うときも手袋をつけているとよいですよ。
危険とされる塩素系漂白剤の扱い方
密室で換気を行わずに使用
塩素系の製品を使用するときは密室で使わず、換気をしながら使用しましょう。換気扇を使用するとともに窓やドアを開け、できるだけ風通しのよい状態を作ってくださいね。
また、マスクやタオルで鼻と口をおおった状態で作業するのもよいでしょう。におい対策だけではなく、漂白剤が誤って口に入るのを防ぐことができます。
万が一気分が悪くなったときは、すぐに換気を行うと同時にその場から離れるようにしましょう。しばらくしても気分が悪いときなどは病院を受診してくださいね。。
酸性の製品と同時に使用
浴室の鏡や水道の蛇口、シンクについた水垢を取るときに使われることがあるクエン酸やお酢は酸性ですので、漂白剤と混ぜると塩素ガスを発生します。同時に使用するのは危険なので避けてくださいね。
また、排水口のヌメリ取りに塩素系の製品を使って水で流したあと、クエン酸を振りかけるなどの連続使用もなるべく避けましょう。流した洗剤が排水管に残っていて塩素ガスが発生したというケースもあります。
液体の酸素系漂白剤は酸性ですが、塩素系の製品と混ぜても塩素ガスは発生しません。しかし、お互いの効果を弱め合うので混ぜるメリットはありません。
ほかの容器への移し替えや詰め替え
しかし、薄めた漂白剤をほかの洗剤が入っていたスプレーボトルなどに移したり、原液を別の容器に詰め替えたりするのは避けましょう。容器内に残っていた薬品などに反応する可能性があります。
また、ジュースのボトルなどに入れると子どもが誤飲するかもしれません。さらにアルミや亜鉛、スズなどはアルカリに溶けて水素を発生するため、容器が破裂したり漂白剤が染み出したりすることがあります。
塩素系の製品はほかの容器に移し替えたり詰め替えたりせず、専用のボトルのまま使用しましょう。
ママが塩素系漂白剤を使うときの注意点
子どもの手が届かない所に保管する
人生経験が少なく危険と安全の区別をつけられない赤ちゃんや小さな子どもは、漂白剤を誤って飲む可能性があります。特に、なんでも口に入れてしまう赤ちゃんは危険です。
また、漂白剤が皮膚についたり目に入ったりするかもしれません。アルカリは皮膚や粘膜を侵す性質があるため、皮膚がただれたり失明したりする可能性があります。
誤飲などのリスクを避けるため、塩素系の製品は子どもの手が届かない場所に保管しましょう。使用するのは子どもが寝ているときや離れた場所にいるときだけにするのもよいですね。