子どもに自転車保険は必要なの?義務化の背景と保険の選び方
全国各地で自転車保険加入の義務化が進んでいますが、まだ義務づけられていない自治体に住んでいる場合でも、子どもの自転車保険に加入する必要があるのでしょうか。子どもが自転車に乗るようになると行動範囲も広がり、ママも事故やケガが心配になりますね。自転車保険にはどのような補償内容があるのか見ていきましょう。
自転車保険の義務化がすすむわけ
大丈夫?子どもの自転車ルールとマナー
しかし、13歳未満の子どもの場合には、例外的に歩道を自転車で走ってもよいことになっています。ただし、あくまでも歩行者が優先であることを子どもにしっかり伝えてくださいね。
また、公道を走る前には次の3点について確認しましょう。
・ヘルメットを着用すること
・自転車の点検整備をすること
・ひとりでまっすぐ走れること
そのほかにも、進入禁止と一時停止の標識や信号の見方などについても理解できることが必要ですよ。
自転車事故が問題視される背景
自転車事故は大人だけの問題ではありませんよ。子どもの場合は交通ルールを理解していない場合も多いため、本人はもとより相手にひどい損害を与えてしまうこともあります。
自転車も車両なので、加害者となったときには車と同じように事故の責任が問われます。子どもが起こした事故といえども、相手を死亡させてしまった際などには莫大な損害賠償が生じる可能性があります。親権者のパパやママが支払う必要があるので、保険に加入して万一に備えておきましょう。
2015年10月に兵庫県で国内初の義務化
当時小学校5年生の男の子が自転車で女性にぶつかって、女性は頭がい骨骨折の意識不明となり、2013年に裁判で約9,500万円もの損害賠償支払いを命ぜられました。もちろん子どもに支払い能力はないので、保護者に支払う義務が生じました。
その後、兵庫県では自転車保険加入の義務化に向けて検討が開始され、2015年には日本で初めて自転車保険義務化の条例が制定されました。その甲斐あって「au損保」の2019年4月調査では、自転車保険の加入率で兵庫県がトップになっています。加入を義務化した自治体は、2019年10月現在12自治体に上っています。
子どもに自転車保険が必要となるケース
ひとりで転んだりしてケガをしたとき
自転車保険は個人賠償責任の保険だと思われがちですが、自分が転んでケガをしたときなどのために傷害補償がついているケースもあります。保険料が安いと、補償を限定していて傷害補償がついていないケースもあるので注意しましょう。
別途傷害保険に入っているのなら、個人賠償責任補償がついていれば問題はないでしょう。いずれにせよ、自転車に子どもが乗っていてケガをすることは往々にして起こりがちなので、傷害補償には加入しておきたいものですね。
子どもが自転車事故の被害者になったとき
被害額が確定する前に示談すると、その額しか保険金が下りなくなるので注意しましょう。さらに、病院に行く際には保険会社に連絡を入れておくことをおすすめします。この場合、治療費の支払いが不要になるのが一般的です。
また、通院の際に電車やバスなどの公共機関を利用した交通費や、やむを得ずタクシーを利用した場合の費用、自家用車を利用した場合のガソリン代や駐車場代なども保険対象になります。12歳以下の子どもの通院でママが付き添った場合の付添看護費も対象ですよ。
他人をケガさせるなどの加害者になったとき
それでも、相手から治療費や慰謝料を請求されることもあるでしょう。その場合に有効なのが自転車保険です。自転車保険の個人賠償責任補償には、相手の治療費や物損が生じたときの修理費用、慰謝料などに対応できる可能性があります。
子どもが加害者になってしまった場合には、子どもに責任能力はないため親が監督義務者として賠償請求に応じる必要があります。自動車と違い自転車には自賠責保険がないので、自転車保険に加入していれば経済的な部分では一安心といえますね。
自転車保険を選ぶときのポイント
どんな補償内容かの確認を!
考えるだけでも怖いことですが、下り坂などで自転車に乗っているときに、子どもはかなりのスピードを出していることも珍しくありません。万が一事故に遭い、子どもが被害者、あるいは加害者になったとしても補償できる保険に加入しているのがベストなのではないでしょうか。
自転車事故のリスクには「相手を傷つけるリスク」と「自分が傷つくリスク」があり、賠償額が高額になったり自分自身が大ケガをしたり、最悪亡くなるケースもあり得ます。そのため、個人賠償責任補償と傷害補償がついているか確認をするとよいでしょう。