冬の乾燥が子どもに与える影響は?加湿方法や乾燥で気をつけたいこと
冬は空気が乾燥しますね。朝起きたら口の中がカラカラに渇いていたり、インフルエンザが流行ったりするのも、乾燥した空気が一因です。ではどうして冬に空気は乾燥するのでしょう?ここでは冬に空気が乾燥する理由を知り、健康に過ごすための方法を考えてみます。
冬に乾燥しやすい理由や乾燥による影響
日本の冬が乾燥しやすい理由
日本では一般的に、夏には太平洋から、冬にはシベリアから空気が流れます。太平洋からの空気は暖かく、海で水分を吸い湿った空気になっています。一方のシベリアからの空気は冷たく、大陸を通って乾燥した空気になっています。
シベリアからの空気は、日本の山脈にぶつかると上昇し雪を降らせます。雪は水分ですので、雪を降らせた後の空気は水分が減り、さらに乾燥した空気になっています。この空気が山脈を超え、太平洋側の地域に吹き降ろすのです。
暖房器具が乾燥につながることも
学校で習った覚えがあるママもいるかもしれませんが、空気は暖かいほど水分を含む力が上がります。ですから、暖房で空気の温度を上げると、空気はもっと水分を含むことができるようになり、いいかえれば、周りから水分を取ろうとするのです。
暖房器具は、もともと水分の少ない冬の空気を暖めているので、水分の吸収力が非常に強い、とても乾燥した空気を作り出しています。そしてその空間にいる私たちの体からも水分を取ろうとするので、非常に乾燥して感じるのです。
乾燥は子どもの感染症や乾燥肌の原因に
大人でも肌がカサカサする時期、柔らかい肌をしている子どもはなおさら肌の乾燥を感じています。子どもの皮膚は大人の半分くらいしかないので、それだけ水分が奪われやすいのです。しかも冬はあまり汗をかきませんね。汗とともに出る皮脂は、肌を乾燥から守ってくれる役割もあるのですが、冬は皮脂が少なく肌が乾燥しやすいのです。
口や鼻の粘膜もダメージを受けます。粘膜は水分を含んだ状態で正常に機能するので、乾燥すると傷つきやすく、細菌やウィルスが入り込みやすくなります。
一方ウィルスは、乾燥した空気中の方が水分が蒸発して身軽になり、遠くまで飛びやすくなっているというのです。
子どもを乾燥から守るために加湿しよう
子どものいる部屋は部屋干しで加湿が便利
洗濯は太陽の下に干したいママもいるでしょう。でも冬場は日照時間が短く、外に干しても乾かないことも。部屋の窓のそばで太陽光が当たる場所なら、温室のようにポカポカしていて乾きやすいですよ。冬は室内より外の方が湿度が高いそうなので、洗濯を乾かすのは室内の方が適しているともいえるのです。
洗濯物はゆっくりと水分を空中に放ちます。物が乾燥するという自然な現象を利用して加湿をしているので、室内の温度に合わせて、空気はほどよい湿り具合になるでしょう。朝起きて、洗濯物がよく乾いていたら、それだけ空気が乾燥していたということがわかりますね。
水の入った容器で優しい加湿
水の入った花瓶に花を活けて置いたり、植木鉢に植えられた観葉植物を置いたりしても湿度は上がります。花瓶の水や、湿った土、植物の葉から水分が放出されるからです。毎日花瓶の水や、土の乾き具合をチェックして、水分が足りないなら水をあげましょう。
部屋に植物を置くと、見た目も美しくて安らぎの空間になります。冬は花や緑の少ない時期ですから、部屋の中で植物を育ててリラックスして、一緒に乾燥対策もしてしまうのはいかがでしょうか。
加湿器を使うときは適切な湿度に
細菌やウィルスに感染しないように、湿度をできるだけ上げようと加湿器をつけっぱなしにする人もいますが、湿度は高ければ高いほどよいというものではありません。厚生労働省が推奨している湿度は50~60%で、この湿度が一番感染しにくい湿度だそうです。湿度が高すぎると、壁にカビが生える危険もありますので、加湿しすぎには注意しましょう。
加湿器を清潔に保つ必要もあります。加湿器内で細菌が繁殖すると、それを含んだ水蒸気が飛散されてしまいます。
冬の乾燥が気になるときに注意したいこと
乾燥しているときは子どもの服の素材も重要
暖かくて人気のヒートテックインナーは、アクリルやポリエステルなどの化学繊維からできています。洗濯しても乾きやすいですし、便利な下着なのですが、綿100%の下着と比べると保湿性はなく、静電気をおこしやすいです。静電気はピチッときて痛いですし、できるだけ避けたいものですよね。
天然素材と化学繊維、それぞれのよさを理解して服を選びましょう。肌に直接触れる内側部分には天然素材、外側部分に化学繊維が使われている服なら、肌に優しくて暖かい服だといえるでしょう。