母乳の栄養を徹底解説!授乳期や離乳食期に知っておくと安心なこと
母乳が赤ちゃんにとってよいことはよく聞きますが、その理由を知っていますか?母乳には豊富な栄養素が入っています。母乳に含まれる栄養素は時期によって変化すること、母乳と離乳食との関係、ママが摂取したものが母乳に与える影響など母乳の栄養について詳しく解説します。
母乳に含まれる栄養素は時期によって変わる
母乳を構成する成分はどんなもの?
また、免疫力と抵抗力を高めるビタミンA、カルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDなど、脳や体の成長に必要なビタミンも含まれています。エネルギー源になる脂質も含まれていて、神経組織の発達やホルモンの生成を助けてくれるのです。
カルシウムの吸収を促し、体内のビフィズス菌を増やしてくれる乳糖は、脳の中枢神経系の発達にも欠かせない栄養素ですよ。母乳には赤ちゃんの成長に必要な栄養素がほぼ含まれているのです。
栄養素は赤ちゃんの状態に合わせて変化する
初乳には抗体や白血球、タンパク質の一種であるラクトフェリンの値が高く、細菌やウィルスから赤ちゃんを守ってくれます。産後数日間だけ出る貴重な母乳なのです。
産後2~4日後から母乳の量が少しずつ増え始め、5~14日の間に成乳へと移行していきます。この時期の母乳は脂肪分やカロリーなどが高くなり、赤ちゃんにとって理想的な飲み物へと変化して行きます。
産後4週目ごろには完全な成乳になります。このころの母乳にはママの体調や食べ物によって多少の成分変化はあるものの、赤ちゃんにとって必要な栄養素は十分含まれているのです。
栄養はなくならないが足りなくなるものも
生後5カ月ごろから離乳食を始める場合も多いでしょうが、固形物を食べる練習を始めるとともに栄養素の蓄えを補給する目的もあります。成長とともに母乳に含まれていない栄養素が必要になるのです。
離乳食と母乳の両方を摂取していたら栄養の偏りが少なくなりますね。1歳で卒乳を考えているかもしれませんが、WHOでは2歳までは母乳を飲むことを推奨していますので、急いで卒乳しなくてもよさそうですね。
母乳の役割と離乳食との関係について
母乳にはたくさんのメリットがある
また、母乳を飲むときは吸う力がいりますから、口や舌の筋肉が鍛えられます。授乳のたびに体力を使いますし、栄養の取り過ぎにもなりにくいですから、肥満のリスクが低くなるといわれているのです。
母乳に含まれるDHAなどの長鎖脂肪酸が脳の発達にプラスに働き、脳の働きがよくなるという研究結果もあるようです。10,000人の子どもを対象にしたある研究では、4カ月以上母乳育児だった子どもは5歳の時点で問題行動がある確率が約30%も低いという結果が示されました。このように、母乳にはたくさんのメリットがあるのですね。
デメリットはビタミンKやD、鉄の不足など
まず、母乳にはビタミンKが不足しています。ビタミンKとは血液を正常に固めるために必要な栄養分になります。生まれたときに蓄えている量が少ないので、K2シロップを飲んで補いますよね。
また、鉄も不足しています。新生児は鉄を蓄えて生まれますが、生後5~6カ月ころから足りなくなってきます。ビタミンDも少なくなることがありますので、離乳食で補うことが必要なのです。
母乳はママの食事の影響を受けるため、ダイオキシンや環境ホルモンに汚染されるともいわれています。成人T細胞白血病やHIVなどが垂直感染する可能性もありますので注意が必要ですね。
離乳食は補完食として与えるのがおすすめ
離乳食は生後5~6カ月ごろから始めることが多いですよね。最初は食べられるものも食べられる量も少ないですから、母乳をあげる量や回数を少なくすることはしなくてもよいといわれています。
母乳で含有量の少ない鉄は生後5~6カ月ごろには足りなくなり始めるといわれていますから、離乳食で意識して補足していきたいですね。母乳を飲みながら離乳食でも必要な栄養素をうまく取り入れていくようにしましょう。
授乳中のママが栄養摂取で気をつけたいこと
栄養ドリンクは授乳中向けかラベルを確認
栄養ドリンクには様々なものが入っていますから、飲む前にラベルの成分表示を確認しましょう。商品により授乳中のママは摂取しない方がよいものが入っている可能性があります。
気をつけたい成分としてはカフェインやアルコールがあります。これらを摂取すると赤ちゃんが眠れなくなったり、興奮してしまったりという可能性があります。
また、カロリーや糖分の取り過ぎは母乳の出を悪くすることもあるので避けた方がよいですね。ラベルに「妊娠中・授乳中の栄養補給に」とあれば飲んでも大丈夫でしょう。