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年末大掃除の由来を子どもに伝えよう!一緒に伝統行事を行うメリット

年末大掃除の由来を子どもに伝えよう!一緒に伝統行事を行うメリット

子どもは好奇心にあふれているので、年末の大掃除をしていても「どうして大掃除するの?」という質問が出ることがあります。それはママが子どもに日本の伝統を伝えるよい機会ですよね。今回は年末の大掃除の由来や、子どもと一緒に伝統行事を行うメリット、小さな子にも分かりやすい大掃除の絵本などをご紹介します。

大掃除の由来は平安時代の「すすはらい」

年神様を迎えるために行う大切な行事

大掃除の由来は平安時代の宮中行事である「すす払い(すすはらい)」です。昔は、かまどや灯台で火を使ったので部屋に「すす」がたまりました。

「延喜式」(えんぎしき)という当時の法律書にも「すす払い」の別名である「すす掃き」という言葉があります。昔は安倍晴明で有名な陰陽道など、今とは違う考え方が元になり政治や行事が行われました。

ですから「すす払い」は、たんに大掃除ではありません。陰陽道や日本古来の世界観などにおいて、新年に福をもたらすといわれる「年神様」をお迎えするために、家を清浄にするという宗教的な意味があったのです。

後に江戸幕府が、当時の吉日である12月13日に「すす払い」を始めたことから、庶民も同じ日に行うようになったそうですよ。

その年の厄やけがれを払う

箒(ほうき)は昔から神聖なものとされ、出産に関わる「箒神」(ははきがみ)が宿るといわれました。奈良時代に書かれた「古事記」にも「玉箒」「箒持」(ははきもち)という言葉があり、神や先祖をまつるのに使ったのです。

平安時代の「すす払い」にも箒は使われました。神社参拝前に手や口を洗うように、古来から日本では「清浄」を尊びます。掃除も見える汚れを払うことで、その人自身や家の見えない罪けがれを祓うと考えたのです。

また日本神話には、けがれを祓うことで清らかな新しい命が生まれるという「死と再生」の考え方が見られます。一年の終わりに大掃除を行うことは、その年に付いた厄やけがれを掃除して払い、新しい年を迎えるという考え方につながったのかもしれませんね。

古い道具を年の瀬に捨てる風習

昔は100年を経た道具は「付喪神」(つくもがみ)という妖怪になるといわれ、平安時代には「すす払い」で古道具を捨てる習慣がありました。後の室町時代に書かれた「付喪神絵巻」にはこんなお話があります。

平安時代のある頃、すす払いで捨てられた古道具が「付喪神」になって集団で山に住み着き、京都の町を行進し人を襲ったのですが、僧侶の法力で成仏したという内容です。「付喪神」の行進は、平安時代の今昔物語にも出てくる、有名な「百鬼夜行」(ひゃっきやこう)という妖怪の大行進を連想させます。

「付喪神絵巻」には「百年を経た道具は人の心をたぶらかす」と書かれています。古道具を捨てた昔の習慣は、物への執着を捨てる現代の「断捨離」と少し似ているかもしれませんね。

子どもと伝統行事を行うメリット

行事を通じて季節を感じられるようになる

今は昔と違い、快適な冷暖房器具が揃い一年を通し安定して収穫できる作物も多いです。そのような環境では、ママやパパが意識して行事を行わないと、四季折々の楽しみが体験しにくいのが現実です。

春には近くの公園にお花見に行き、秋には市販のものでよいので、お団子やすすきをお供えしてお月見するなど、子どもが季節を体験できるとよいですね。行事のすべてを本格的に行う必要はないですが、食卓に行事にちなんだものを出し、その由来などを語ってあげるだけでも季節を感じられるのではないでしょうか。

七夕で自宅に笹の葉を飾るなど、なかなか家族だけで行うのが難しいこともありますよね。そんなときは地域の児童館などで季節の催しをしているので、積極的に参加してみましょう。

行事がくるたびに親子の絆を再確認できる

大掃除もそうですが、ひな祭り、端午の節句など、行事には家族の健康や幸せを願う思いが込められています。子どもの幸せを願わないママはいませんが、行事を通してその気持ちを表すことで、ママの願いを子どもに伝えることができますね。

子どもは大きくなると、親と一緒に行事をするのを渋ることがあります。けれども、小さな頃一緒に大掃除して楽しかった、ひな祭りはママが作ったちらし寿司がおいしかった、などという思い出はしっかりと子どもの心の奥底に残るのです。

愛情の押し付けではありません。けれども思春期に反抗的になったとしても、楽しい思い出があればママの顔を思い浮かべてくれるのです。

子どもが大きくなっても行事を続け、楽しむママの背中を見せられたらよいですね。

生まれ育った「故郷」に誇りと愛着をもてる

国際化時代において、自分の国や故郷に愛着を持ち、育んでくれた文化に誇りを持つことが、これまで以上に重要になってくるのではないでしょうか。それには自分が地域の一員であるという気持ちを持つことが必要です。

故郷には、ママやパパを始め、地域の人たちなど小さな頃から目を配ってくれる人たちがいます。地域のつながりが薄くなったとはいえ、たいてい夏には盆踊り、秋になればお祭りなどをやっていますよね。

年に数回かもしれませんが、故郷の行事に参加することで、地域への愛着が育まれやすいのです。外国にいくと、日本のことを聞かれることがあります。

そんなときに胸を張って、地域のお祭りの思い出、家族で楽しんだ行事など、自分の体験を語ることができるとよいですよね。

年末の行事「大掃除」を子どもに伝える絵本

子ども目線の年越し「くまのこのとしこし」

この絵本には、小さな子どもの視点から見たお正月の準備やお正月の様子が描かれています。大人は普通に「来年」と口にしますが、幼い子にしたら「らいねん」の意味がわからずお客様だと思っているのですね。

ですから、「らいねん」がきたのがわからないという、くまの子のかわいらしい描写もあります。ママやパパが慌しく大掃除をしたり年賀状を買いたりする、その一つ一つにくまの子は驚き、大切に思われている「らいねん」を迎えるために、自分も飾りを作ったり「おめでとう」と画用紙に書いたりするのです。

小さな子にも「お正月の準備」がよくわかる絵本です。「らいねん」を迎える年越しの夜、わくわくしながらも静かに家族と過ごす幸せな時間を、子どもが感じられるとよいですね。
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