幼児期の放任主義で子どもはどう育つ?正しい知識や関わりのポイント
幼児期の教育はその後の性格や資質を決める重要なポイントです。厳しくしつけをしたほうがよいのか、自由に育てたほうがよいのか悩みますよね。今回は教育方針の一つ「放任主義」とはなにか、放任主義の育て方では子どもとどのように関わればよいかをご紹介します。
気になる!幼児期の放任主義な子育て
放任主義ってどんな感じ?
例えば、子どもが年中くらいになると成長をうながすために「お手伝い」をしてもらうことがありますよね。このとき、親がお手伝いの内容などを決めてしまうのではなく、子どもが自分の意志で「なにを」「どれくらい」やるかを決めるのが放任主義の子育てです。
さらに、放任主義では失敗したときの責任も子ども自身が持ち、親がフォローしないという立場です。例えば、食器洗いのお手伝いでお皿を割ってしまったとき、親が片付けるのではなく、子ども自身が片付けるという感じですね。
親は子どもを「小さな大人」として扱い、一定の距離から見守る立場をとるということですね。
自由にのびのび育てることとの違いは?
しかし、幼児期の関わり方には大きな違いがあります。
例えば、子どもが文字に興味を持った場合、絵本を読み聞かせることで子どもの興味や関心をより引き出すように関わっていくのが自由にのびのび育てる育児スタイルです。幼児期は親が手厚くフォローし、成長につれて子どもに任せる範囲を大きくしていきます。
一方、放任主義は絵本の読み聞かせなどの特別な働きかけはせず、子どもが自然と絵本などを取るのを見守ります。放任主義は幼児期から子どもに任せる範囲が大きいということですね。
ほったらかし育児との違いは?
例えば、子どもがスーパーでお金を払っていないのにお菓子を食べるといった行動を放っておくというわけではありません。それをしてよかったのか、どう責任をとるのかを問いかけ、子どもなりに責任を果たすよううながします。
しかし、ほったらかし育児は子どもがなにをしても一切関わりません。子どもが周囲に迷惑をかけても「子どもがしたこと」と片づけてしまいます。
放任主義は子どもの自主性を尊重する代わりに責任も持たせ、同時に親も親としての責任を果たします。親としての責任も放ってしまう「ほったらかし育児」とは、似ているようでまったく違いますよ。
幼児期の放任主義、子どもと関わるポイント
自主性を尊重!子どもにまかせて見守る
例えば、幼稚園などで「そろそろおはしの練習を始めてください」といわれた場合、一般的な家庭ではパパやママが練習用のはしを買い与え、はしを使って食事をするよう子どもにいいます。
しかし、放任主義の家庭では練習用のはしを用意するものの、はしを使うかフォークやスプーンを使うかは子ども自身が選びます。子どもが自分で「おはしを使いたい」と考え、自発的に使うのを見守るということですね。
自主性を尊重する育児では、子どもが自分のペースで成長できるのでストレスを感じることが少なくなります。成長を待ってもらえるという安心感もあり、のびのびと育つことができますよ。
叱らず子どもに考えさせる
こんなとき、放任主義では叱るのではなく「どうして長靴をはきたいの」と理由をたずね、「長靴で幼稚園に行ったらどうなるかな」と問いかけることで子どもに考えさせます。
子どもが長靴をはきたい理由として「靴が痛い」と答えたら、靴が子どもの足にフィットしていないということに気づくことができますね。一方的に叱るだけでは気づくことができなかったかもしれません。
また、晴れた日に長靴で幼稚園に行くと「外遊びができない」と子ども自身が気づけば、自主的に靴をはいてくれますよ。子ども自身が納得して行動してくれるので、お互いにストレスを感じることがありません。
しつけやルールはしっかり決める
例えば、トイレを使用した後はきちんと流す、脱いだ衣類は洗濯かごに入れるといった基本的なしつけができていないと、家事が滞る、病気などのリスクが高まるなどの問題が起こりますね。
また、信号を守る、お金を払っていない商品を持って帰らない、病院では騒がないなどの社会的ルールを守らないと、周囲に迷惑をかけるばかりではなく命を危険にさらすこともあります。
子どもの自主性を尊重することは大切ですが、しつけやルールはしっかり決めることも大切ですよ。