乳児のへその緒はケアはいつまで?消毒の仕方や気をつけること
産まれてきた赤ちゃんには、母子をつなぐ「へその緒」がついています。初めて出産を経験したママにとっては、「あれは何?」「この後どうしたらよいの?」という疑問を抱くかもしれませんね。今回は、大事な「へその緒」のケアの方法や、気をつけたいことなどご紹介します。
母子をつなぐへその緒の役割を知ろう
赤ちゃんが生きるための命の綱
へその緒は、動脈2本と静脈1本が紐状になった血管で、ママの胎盤とお腹の中にいる赤ちゃんのおへそをつないでいます。赤ちゃんは、ママの胎盤からへその緒を通じて酸素や水分、成長に必要な栄養を受け取ります。また、ママへは、排泄物や二酸化炭素が送られます。
へその緒は、お腹の赤ちゃんが成長するための役割を担っています。赤ちゃんが生きるために必要な命の綱なのです。
赤ちゃんが外の世界に出ると、自発的に呼吸や排泄を始めます。自分の力で栄養を摂れるようになった赤ちゃんのへその緒は、役割を終えるのです。
赤ちゃんがお腹の中で遊んでいることも
赤ちゃんがお腹の中で初めて目にするものは、へその緒だともいわれています。目の前にあるへその緒を引っ張ったり触ったりして、おもちゃのように遊んでいることがあります。タイミングが合えば、妊婦検診の超音波検査のときなどにその様子を見られる場合もあるそうですよ。
また、生まれてからも、紐状のものが気になったり飽きずに遊んだりする赤ちゃんは多いといいます。紐を振り回したり引っ張ったりと、市販のおもちゃよりも楽しそうに遊んでいると感じるママもいるほどです。お腹の中で遊んでいたことを思い出して遊んでいると思うと可愛いですね。
保管して母子の絆を大切にするママもいる
日本では、江戸時代ごろからへその緒を保管する風習があります。当時、へその緒にはたくさんの栄養や力が宿っていると考えられいて、大切にされたそうです。また、お守りとして子どもに渡しているケースもあったようですよ。
現代では、誕生の思い出として大切にするご家庭が多いのではないでしょうか。へその緒は、赤ちゃんとママがお腹の中でつながっていた証です。お腹の中で育った赤ちゃんとの絆を大切にする思いから、保管するママもたくさんいますよ。
ケアをする理由や方法を理解しよう
へその緒の消毒が必要な理由
へその緒の消毒が必要な理由は、細菌が入って炎症を起こさないためです。ばい菌がつくと炎症を起こしたり、痛みや痒みが出たりすることもあるので、乾燥と同時に消毒することが大切です。
まれに、以下のような炎症が起きることがあります。
【臍炎(さいえん)】
赤みや黄色い膿が出たり、鼻につく強さの匂いを感じたりします。おへそとその周りが赤く腫れるのが特徴です。
【臍肉芽種(さいにくげしゅ)】
へその緒の一部が中に残り、赤い塊ができてしまうことがあります。おへそやその周りの皮膚がジュクジュクと軽く出血します。
おへその消毒が必要な期間とは
通常は、乾燥が進むと2~3週間後にポロっと自然に取れます。その後は、とくに消毒の必要は無くなりますが、沐浴後はしっかりと水分を拭いて出血やジュクジュクしていないか、肉芽などがないかなどをしっかり観察しましょう。
消毒をすることに問題はありません。ですから、心配なママは、1カ月健診まで消毒を続けて先生におへその状態について聞いてみましょう。
最近では、なるべく空気に触れて乾燥を促す考えの先生と、毎日の消毒を推奨している先生がいるようです。それぞれの病院の指示に従うとよいですよ。
正しいへその緒の消毒の仕方
【へその緒が取れるまでの消毒方法】
綿棒に消毒用アルコールをつけ、へその緒のつけ根を優しくなでて消毒します。消毒後は、ガーゼやおむつで覆ってしまうと乾燥しにくいので、空気に触れる自然乾燥がよいでしょう。消毒し過ぎるのもよくないので、あまり神経質にならない程度に行いましょう。
【へその緒が取れてからの消毒方法】
基本的には取れる前と同じですが、水をつけた綿棒で汚れを取ってから、消毒用アルコールをつけた綿棒で消毒をしましょう。へその緒が取れた後もしっかりと観察するとよいですよ。