代表的な子どもの冬の感染症を知ろう!衛生管理で行う予防対策
気温が低く空気の乾燥する冬は、子どもがさまざまな感染症にかかりやすい季節です。適切な衛生管理で冬も元気に過ごしたいですね。この記事では、冬の代表的な感染症の症状とその対処法や予防法をご紹介しますので、親子の冬の健康管理にぜひお役立てください。
冬に流行する子どもがかかる感染症
激しい嘔吐や下痢「ロタウイルス性下痢症」
水様性の便が大量に出るので脱水症状が起こりやすく、まれに重症化するとけいれんや脳症を引き起こすこともあります。ロタウイルスはアルコールや熱に対する抵抗力があり感染力が非常に強いので、看病する側も感染に注意が必要です。
発症後、症状が少し落ち着いたら、少しずつ水分補給をして脱水症状を予防しましょう。
日本では任意での予防接種です。生後6週から接種可能で、初回接種は生後14週6日までに行うのが推奨されています。予防接種を希望する場合は、かかりつけの小児科へ相談しましょう。
重症化しやすい「RSウイルス感染症」
感染のピークを迎えるのは例年11~1月頃です。軽症であれば鼻風邪程度で済みますが、RSウイルスは重症化しやすいので、場合によっては気管支炎や肺炎に至ることもあります。さらに、呼吸困難に陥って入院が必要となるケースもあります。
初めて感染した場合に、3~4割程度の乳幼児に気管支炎や肺炎の徴候が現れますが、年齢が上がるにつれて症状が軽くなる傾向があるとされています。
飛沫感染によって感染するため、家族内での感染率も高いです。大人でも再感染をくりかえすので注意が必要です。
風邪に似た症状「マイコプラズマ肺炎」
潜伏期間は2~3週間で、主な症状は長引く咳です。ほかに、頭痛や発熱、倦怠感といった風邪と似た症状を発症します。
5歳未満の子どもが感染した場合の症状は比較的軽いため、「ただの風邪かと思っていたらマイコプラズマ肺炎だった」ということも珍しくありません。
症状が風邪と似ていても、咳が長引いて止まらない、夜寝るときに激しい咳が続くといった場合は、マイコプラズマ肺炎が疑われます。さまざまな合併症を引き起こす心配があるので、早めに病院を受診しましょう。
冬の感染症といえば「インフルエンザ」
症状は高熱、だるさ、のどの痛み、頭痛など
インフルエンザの場合、必ずしも咳や鼻水がひどくなるわけではありませんが、喉頭炎になる場合があります。熱は4~5日続き、その間に気管支炎や肺炎などの合併症を引き起こすこともあります。
特に子どもが感染すると、脳炎や脳症といった合併症を引き起こしやすく、毎年インフルエンザによる犠牲者も出ています。抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無にかかわらず、高いところから飛び降りるなどの異常行動も報告されているので、発熱から2~3日間は家族などがそばで見守る方がよいでしょう。
感染経路は飛沫感染と接触感染
まず一つが「飛沫感染」です。インフルエンザに感染した人が咳やくしゃみをすることで、ウイルスが含まれる飛沫が飛散します。これをほかの人が鼻や口から吸い込んでしまって、ウイルスが体内に入り込んでしまうことで感染するのです。
もう一つは「接触感染」です。感染した人が咳やくしゃみを手で押さえたあとになにか物などに触ると、その手が触れた場所にウイルスを含んだ飛沫が付着してしまうことがあります。
その部分をほかの人が手で触れるとウイルスが手に付着し、そして、そのままの手で自分の鼻や口に触れることで、粘膜などを通じてウイルスが体内に侵入して感染してしまうのです。
重症化予防に子どもは2回のワクチン接種を
接種は任意ですが、子どもや高齢者ほどインフルエンザは重症化しやすいので、予防のためにもワクチンの接種が推奨されています。なお、ワクチンは生後6カ月以上から接種可能です。
ちなみに、インフルエンザに感染すると、解熱後も数日間はほかの人へ感染の可能性があるので、自宅安静が必要です。幼稚園や保育園は発症から5日経過し、熱が下がって3日経てば登園が可能になります。登園許可証の要不要などは園に確認しましょう。
うつらない、家族にうつさないための対策
人混みは避け、手洗いうがいを徹底する
そこで基本的なことではありますが、外から帰ってきたらまずは手洗いとうがいをすることを徹底しましょう。ママは子どもがきちんと手を洗えているかしっかりチェックしてあげてくださいね。うがいがまだできない小さな子どもの場合は、水分を多めに摂ってのどを潤すだけでも効果的ですよ。
外出時にはマスクを着用すると、飛沫感染の予防に有効とされています。このとき、口と鼻を確実に覆うようにして着用するのがポイントです。