子どもの車内放置は重大な罪!「ちょっとだけ」の意識を持たないで
ママだけであれば5分もかからない用事でも、子どもを連れていると何倍もの時間と労力がかかるもの。車で移動中、しかもぐっすり寝ている場合など「すぐ戻るし」と子どもを車内に置いていきたくなったことはありませんか?この「ちょっとだけ」の意識が実は危険をまねく恐れがあります。
子どもや乳児の車内放置が後を絶たない
パチンコ店では平成10年から30件以上
車中に子どもがチャイルドシートなどに置き去りにされ、親が遊戯に夢中になり長時間放置してしまうケースが後を絶ちません。最悪の場合は死に至る深刻な事態にも。
実際に平成10年以降30件の車内放置死亡事故が発生し、直近の平成20年からの9年間では8件となっています。事態を重く見たパチンコ店は、スタッフによるパトロールを強化したり、子ども連れでの来店禁止を徹底したりする対策を取り始めています。
こうした対策は気温の高い時期だけでなく、年末年始も含めて通年で行われています。
子どもを車に残したことがある人は約3割
回答者が理由として挙げているのが
・子どもが寝ていたのでそのままにした
・子どもが一緒に行きたがらなかった
・チャイルドシートから降ろすのが面倒だった
・風邪が流行っていたので混んでいる店内に連れて行きたくなかった
・自分の地域では当たり前にみんなやっている
というものでした。
共通しているのは「短時間だから、すぐ近くだから、危険ではない」という認識です。しかし本当に短時間で、近距離であれば子どもを車内に放置しても大丈夫なのでしょうか。
少しの時間でも事故のリスクはたくさん
よく寝ていたり、逆に癇癪を起こしていたりするときに、わざわざチャイルドシートから降ろし、靴を履かせたりベビーカーに乗せたりして、子どもの機嫌をとりながら普段の何倍もの時間をかけて用事を済ませるのであれば、このまま車内に置いていきたい、そう思ってしまうのは当然です。
しかし起きうる事故のリスクを考えてみましょう。
・子どもが勝手に車外にでる
・チャイルドシートを外そうともがいて座席から落下する
・食べているお菓子が喉につまる
・悪意ある他人が危害を加える
これらはどれも防ごうと思えば防げる事故です。
車内放置された子どもはこんなに危険な状態
炎天下の車内は1時間弱で50℃まで上昇
ダッシュボードの最高温度にいたっては79℃で、火傷を負う熱さとなりました。データにはありませんが、ハンドルやベルトの金具部分も同じように危険なほど高温になっていることは経験上予測のつく人も多いのではないでしょうか。
気象庁が発表している全国の観測史上の最高気温が、2018年7月の埼玉県熊谷市41.1℃です。それをはるかに超える室温の車内。
環境としては大変過酷なことがわかります。
小さな子どもは15分で熱中症と命の危険に
さらに赤ちゃんや小さな子どもの場合は、体温調節機能が未熟で気温の変化の影響をうけやすいこともあり、想定よりも短時間で危険な状況になりえます。また幼い子どもほど、全身を包み込むタイプのチャイルドシートを装着するため、背中部分がシートに密着しており熱がこもりやすいことも危険度を高めます。
ある程度の年齢であれば、危険を感じてチャイルドシートのベルトを外す、車外に出る、などの行動ができますが、赤ちゃんや小さな子どもはそれができません。
窓の開放やエアコンは対策ではない
何も対策がとられていない車両よりは、確かに室温の上昇は防げますが危険なレベルであることは変わりありません。「窓が開いてるから大丈夫」ではないことがわかりますよね。
さすがにエアコンをつけていれば室温は上がりません。しかしエアコンがついているということはエンジンがかかりっぱなしということ。
このような車内に子どもを放置することは、また別のリスクがあります。
・誤作動による誤発進
・ガス欠によるエアコン停止
・子ども自身による車の誤操作
どれも命にかかわる事故につながりかねません。