アルカリ性洗剤ってどんな洗剤?基礎知識から使用上の注意点まで
私たちがよく掃除で使う洗剤の一つが、アルカリ性洗剤です。ママやパパの中には、何となく使っている人も多いのではないでしょうか。そこで、アルカリ性洗剤の特徴と基礎知識、さらには掃除を楽にする方法について解説します。あわせて、使用上気をつけることについてもご紹介します。
アルカリ性洗剤の特徴と基礎知識
アルカリ性洗剤の特徴
アルカリ性洗剤とは、アルカリ性の性質がある洗剤のことをいいます。換気扇やガスコンロなどの油汚れ、さらにはお風呂のカビなどをきれいにする力が強いことが特徴です。
一方、中性洗剤はきれいにする力がそれほど強くありませんが肌に優しく、家庭の中で幅広く使われています。酸性洗剤は、台所の除菌や殺菌に高い効果がある洗剤です。
掃除をするときには、洗剤であればなんでもよいというわけでありません。アルカリ性洗剤の性質を理解した上でなければ、効果を発揮することができません。
アルカリ性洗剤で落としやすい汚れの種類
また、服に血液が染み込んだときや食べこぼしが残った食器、壁や柱などについた手垢などを落としたいときにもアルカリ性洗剤は便利です。これらの汚れはタンパク質でできており、アルカリ性洗剤と反応することでタンパク質が分解されて汚れが落ちやすくなります。
さらに、お風呂場の壁や天井などに発生する黒カビを取り除きたいときにも、アルカリ性洗剤は有効です。黒カビをそのままにしておくとカビの胞子を吸い込んでアレルギー性鼻炎などの原因になるので、早めに掃除をしましょう。
pHの強さでアルカリ性洗剤を使い分ける
pHとは液体の性質を意味する単位で、0~14の数値で区分されています。pH6.0~8.0を中性といい、それより低い数値を酸性、高い数値をアルカリ性と分類しているのです。
同じアルカリ性でも8.0~11.0までを弱アルカリ性、11.0以上をアルカリ性と区分し、pHの数値が高いほど強い洗浄力があることを意味しています。
弱アルカリ性洗剤は、家具や床など幅広い汚れを落とすときの洗剤として使うとよいでしょう。一方、ガスレンジや台所についた油汚れやお風呂場のカビ取りにはアルカリ性洗剤を使うのがおすすめです。
育児の合間にできる!掃除を楽にする方法
頑固な汚れにはラップパックが効果的
このような頑固な汚れを落とすときには、ラップパックをすると効果的です。強力なアルカリ性洗剤を使ってゴシゴシ擦ると素材が傷つくだけではなく、手が荒れることだってあります。
台所の油汚れや焦げつきを落とすときには、キッチンペーパーにアルカリ性洗剤と水を含ませて汚れた部分を覆い、ラップをかけてしばらく時間をおきましょう。すると洗剤が汚れに染み込んで軽く擦るだけで汚れを落とすことができます。お風呂場の壁の汚れを落とすときにも、ラップパックをすると洗剤が垂れることがないので便利ですよ。
時間と温度も汚れ落としに有効
この中和の働きを最大限に高めるためには、汚れた部分にアルカリ性洗剤をつけた後しばらく時間を置くとよいでしょう。浸け置き洗いをすることでアルカリ性洗剤が汚れに深く染み込み、中和の働きを促進してくれるのです。
また、汚れには熱を加えることで落ちやすくなる性質があります。材質によってそれぞれ異なりますが、一般的には50~60℃の少し熱めのお湯を使って掃除をすると、強力な汚れも取り除きやすくなるようです。
掃除道具をかえるだけでも汚れ落ちアップ
スポンジや雑巾を使っての掃除が多いママやパパは、一度マイクロファイバークロスを使って掃除をしてみてください。汚れの落ち方が違うはずです。
マイクロファイバークロスとは、髪の毛の1/100ともいわれる細い化学繊維で織られた布のことをいいます。無数の細かな穴があるので吸水性に優れ、汚れを強力に掻き出してくれます。
メラミンスポンジも、常備しておくと便利な掃除道具です。メラミン樹脂からできているスポンジで、軽い油汚れや水垢などであれば水をつけて擦るだけで簡単に落としてくれますよ。
アルカリ性洗剤を使う場合に気をつけること
酸性の洗剤と一緒に使わない
アルカリ性の洗剤は、酸性の洗剤と混ぜて使わない方がよいでしょう。この二つの洗剤を一緒に使うと、塩素系でない限りは体に害をおよぼすようなガスはほとんど発生しないのですが、アルカリ性と酸性で中和されて汚れを落とす効果が弱まってしまうようです。
お風呂掃除では、皮脂や黒カビなどを取り除きたいときにアルカリ性洗剤を使い、水垢や石けんのカスを落とすときには酸性の洗剤を使います。このようなときでも二つの洗剤が混ざると効果が弱まってしまうので、注意してくださいね。