気になる海外の出産方法を知ろう!各国の出産事情や出産法とは
国が違えば文化もさまざまな習慣もあっと驚くほどに変わりますが、出産にまつわる事情も例外ではありません。それぞれの社会的背景や考え方をうつしだしています。海外ではどんな出産方法が人気で主流なのかを、出産を取りまく事情が日本とはどう違うのかとともにご紹介します。
海外の出産事情や人気の出産方法を知ろう
日本の入院期間は長い
日本では普通分娩の場合5日〜1週間、帝王切開の場合ですと10日ほど入院するのが一般的です。しかし海外では最大5日というところが多く、フランスでは長くて4日、アメリカやブラジルでは平均2日、早ければ1日ということも珍しくないようです。
この違いには、医療費が高く保険でもカバーしきれない、病院に空きが少ないといった社会的状況から、ママの体のダメージが少なく回復が早い無痛分娩が一般化していたり、自宅に戻った後のサポートが充実しているなど出産事情の背景の差に理由があるようです。
海外では里帰りはなくパパが育休をとる
しかしこの習慣は日本独自のもので海外にはありません。義務そして権利双方に対する意識が高い海外では、多くの国にパパの産休・育休制度が存在し、産後のママを支えるために国によって2週間から数カ月休みを取り、ママをサポートする体制が定着していることが大きな理由です。
さらに退院後数日間にわたって、かかりつけの助産師さんやヘルパーさんが自宅に訪れて、赤ちゃんのお世話や家事のサポートをしてくれる国も多数あります。
海外では無痛分娩が主流
陣痛の痛みを起こす脊髄から脳への信号を、麻酔によって止めることで痛みを和らげる無痛分娩は、ママの体力消耗度をかなり抑えます。無痛分娩大国のフランスでは約80%が無痛での出産ですが、出産後の入院の短さも、ママの体の疲れが最小限に抑えられていることを表しています。
麻酔がかかっている分、いきみ方やタイミングがわかりにくいといわれますが、心拍グラフなどを見ながら助産師さんたちが声をかけてくれます。
日本と海外では出産方法がこんなに違う
アメリカやカナダは帝王切開が多い
帝王切開率の高さではブラジルがトップで、私立病院では約90%にも達するブームだといわれています。医療者側としては一人の出産にかかる時間が短くて済むので、妊婦の希望にあわなくても切られてしまうことも多いようです。
また、中華系の家庭では縁起のよい日に出産したい、働いているママからは産む日を仕事の都合で決めたいなど、ママ側の文化・社会的背景から病院側が帝王切開を求められることも多々あるようです。
イギリスやフランスでは水中出産が人気
水中出産は赤ちゃんを重力の影響から守り、羊水の中から空気中へという急激な環境変化を和らげることができるという考え方に基づいています。また、浮力によって姿勢を変えやすいことや、お湯に浸かって筋肉が緩むことによって陣痛の痛みが和らぎ、出産が楽になることも人気の理由です。
水中で体を動かすのは体力を消耗するので、ママに体力があること、そして妊娠経過が順調でリスクのない出産であることなどの条件があります。
ドイツは好きな姿勢で産めるフリースタイル
分娩室には分娩台はもちろんのこと、陣痛逃しのためのバランスボールや天井からぶら下がったロープがあったり、大きな浴槽がついているのが一般的です。部屋で好きな音楽をかけてもよい設備があったりと、自由に使えるようになっています。
自分で負担の少ない姿勢を探し、痛みをコントロールしながら赤ちゃんを迎えるフリースタイルは、女性が持つ本来の力で出産したい、医療処置の介入を最低限にとどめたいという考えが支持された結果といえそうです。
日本ではあまり知られていない出産方法とは
キャサリン妃が行った「催眠出産」
まず呼吸法、リラクゼーション、イメージコントロールの講習を受け、その後も自宅でトレーニングを続けます。リラックスするためのテクニックを身につけることで、自ら緊張や不安を取りのぞき、優しく穏やかな出産ができるとされています。
出産は痛いという思い込みを取り払い、心地よいものだとポジティブにとらえる自己催眠によって、眠りに落ちる寸前のような、ウトウトとした深くリラックスした状態になります。また深い腹式呼吸がさらに力を緩め、子宮口の開きを促し、出産時間も短くなるそうです。