親に仕送りや援助はしている?気になる控除や将来のお金の心配
親に仕送りや援助をしている家庭はどれくらいあるのでしょうか。援助する理由や相場も気になりますよね。子育て中は何かとお金がかかるので、将来のお金の心配もあると思います。仕送りをすることで受けられる控除や節税に関することを理解して、納得した上で仕送りをスタートしましょう。
親に仕送りをする理由や金額の相場とは
子どもの収入にもよるが平均6万4千円
親への仕送りの相場はどのくらいなのかが気になるところですよね。内閣府発表の「高齢者の現状及び今後の動向分析についての調査報告書」によると、離れて暮らす親への仕送り額の平均は、月に6万4千円という結果になっています(2010年の調査なので、現在は少し変わるかもしれません)。
仕送りする側にとっては、自分の生活費を削ってまで親を援助するのは難しいことです。子どもの収入によって月に1万円という人もいれば、10万円以上という人もいるでしょう。
年金が少ない親の扶養のため仕送り
ただし、自分の配偶者や子どもの扶養を優先させることが前提となるため、必ずしも親に仕送りをして援助しなくてはならないというわけではありません。まずは自分の家庭を養って、それでも余裕がある場合、親に仕送りをするという順序になるでしょう。
子どもが親に仕送りをする理由は人それぞれですが、「年金が少ない親の扶養のため」という場合が多いようです。仕送りをする側に兄弟や姉妹がいる場合は、どのように援助を分担するかしっかりと話し合うことも重要な点です。
親孝行の気持ちが親に仕送りをする理由
中には「本当は仕送りをしたくないけれど、兄弟間でそう決まったから」「親からせがまれたので」と不本意ながらも仕送りをしている人もいるようです。
みんな様々な理由から仕送りをしているようですが、優先させるのは「自分の家庭の生活」です。特に小さな子どもがいると、少なからず将来まとまったお金が必要になります。子どものための貯蓄計画を立てた上で、親への仕送りを検討するとよいでしょう。
親への仕送りは控除対象?節税になる親孝行
親への仕送りは贈与税の対象にはならない
一般的に、「財産の移転」が行われる際には税金が課されます。しかし、「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」に関しては非課税であると相続税法で定められています。
親の生活費を援助するために仕送りすることは贈与に当たらないため、贈与税の対象にはならないのです。また、生活費として必要だと認められれば、いくら仕送りをしても問題ありません。通常の生活費のほかに、入院・通院費用や施設の入居費用なども必要なお金とみなされます。
別居の親を扶養に入れると扶養控除の対象に
別居の親を扶養に入れるための条件は
・親と子の生計が一つであること
・親の所得が年間38万円以下であること
また、65歳以上の親が受け取っている公的年金は、年間120万円までが「公的年金控除」によって所得0円とみなされます。
別居の親を扶養に入れるには、会社への申請が必要です。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、仕送り金額や親の収入を証明するものなど、必要書類を添えて提出しましょう。申請方法や手続きに必要な期間は会社によって異なります。確認をして、早めに手続きを進めましょう。
親の生活費の援助は節税にも繋がる
〈扶養控除額〉
・親が70歳未満…所得税38万円、住民税33万円
・親が70歳以上…所得税48万円、住民税38万円
所得税や住民税が控除されることで、年間7万~8万円程度の節税が見込まれるでしょう。また、親の健康保険料や介護保険料などを払っている場合は、社会保険料控除の対象となります。「仕送り」として送金するのではなく、「親の保険料の支払い」として援助すれば、さらなる節税に繋がるでしょう。
ただし、これらの節税対策はそれぞれ申請が必要となります。どのような形で生活費の援助をすることが効果的なのか、しっかりと調べてから仕送りすると節税に繋がりますよ。
親に仕送りをする前に自分の家計を考えよう
子育て中の自分の生活に経済的余裕があるか
子どもの教育費は、幼稚園から大学卒業するまでに約1,600万円が必要だといわれています。もちろん進学先によって大きく変わりますが、特に大学進学時にはまとまった資金が必要になるでしょう。そのとき用意するのは大変なので、子どもが小さいうちから学資保険や積立預金などでコツコツ貯めていくのが一般的です。
子育て中の自分の生活に経済的余裕があるかどうか、夫婦でしっかりと話し合った上で仕送りをしないと、いずれ教育資金が立ち行かなくなってしまうかもしれません。