子どもがもち米を背負う行事を知ろう!由来やお餅の選び方と祝う方法
1歳の誕生日にお餅を背負うお祝いをご存知ですか?昔は祖父母がお餅をついて贈ったのですが、お餅をつくことが減ったため、今のママたちが1歳のときには行わなかった家庭も多いようです。しかし最近では、雑誌やネットで知ったママたちがこの風習を行っています。ここでは一升餅の風習について紹介します。
1歳の誕生日にもち米を背負う一升餅とは
一升餅というお祝いの由来を知ろう
1歳の誕生日には、子どもの健やかでたくましい成長を願って、神様が宿るというお餅をつきました。これを「誕生餅」と呼び、お祝いに食べました。
1歳といえば子どもが歩きだす時期ですよね。「早い時期に歩き出すと、家を早く離れてしまう」と考える地域もあり、子どもが上手に歩けないように、1歳児には重すぎる一升ものお餅を背負わせ、歩く邪魔をしたといわれています。
子どもが一生食べ物に困らないよう願うもの
お米の量を表す「一升」という言葉には子どもの「一生」をかけています。そこにお祝いにつくお餅を合わせて「一生食べる物に困りませんように」「一生健康に過ごせますように」といった願いを込めました。そのため、一升餅を「一生餅」と書く地域もあります。
また「背負い餅」「立ったら餅」「力餅」「転ばせ餅」など、地域に伝わる呼び名は様々です。お餅を美しい円形にしたのは「円満な人生でありますように」という願いからだという説もあります。
お祝いをするときに気を付けたいこと
子どもが転ぶのを前提に考え、怪我をしないような広いスペースでお祝いしましょう。
また、転んだときに風呂敷の結び目で首を圧迫してしまう危険があるので、風呂敷は片方の肩から逆側のわきの下へ通す斜め掛けにするとよいですよ。ゆるく結んで体と風呂敷の間に隙間ができるとずれやすくなるので、隙間ができないようにきちんと結んでくださいね。
それから、子どもがお餅を食べてしまわないように、子どもの手の届く場所にお餅を置くときは目を離さないようにしましょう。
もち米が使われる理由や選び方と食べ方
米作文化のある日本ではお餅は特別な存在
稲から獲れるお米には特別な力があり、その米粒を凝縮したお餅には新しい命を再生する霊力が宿っているといわれました。お餅を食べると霊力を体に取り入れることができると考え、出産・誕生・五節句・正月・祭りなどのめでたい行事では、お餅が欠かせないアイテムとなっています。
「田を耕すところから始めて成功した長者が、慢心からお酒の席で、神聖なお餅に矢を射ました。するとお餅は白鳥になって遠くへ飛んでいき、長者は貧乏になってしまいました。」という話が奈良時代の「豊後国風土記」などに書かれています。これにより、昔からお餅が神聖なものだったことがわかりますよね。
種類が豊富な一升餅の選び方と購入方法
せっかくやるなら伝統的なタイプのお餅を使いたいというママもいますよね。その場合、直径20cmほどの丸型で、表面に「寿」や子どもの名前、生年月日が書かれているものを選びましょう。
文字の入れ方、お餅の形、イラストの有無、おまけでついてくるものなど、種類は豊富です。ハーフサイズや、切らなくてもよい小分けタイプもありますよ。
お餅に名前を入れる場合は、お届けまでの日数が長いこともあります。購入するお餅は余裕をもって注文しましょう。
お祝いで使った一升餅は切り分けて食べよう
切るときはまず、包丁の背に体重を乗せて力を込めて半分にします。手が痛くなるので包丁の背にタオルなどをかけるとよいですよ。それでも無理ならばレンジで30秒ほど温めましょう。温めすぎると切りにくくなるので注意してくださいね。
次に、切り口を下にして縦にスライスします。端の方はすべりやすいので気をつけましょう。
子どもの名前を切りたくないならば、タオルや水で消すことができますよ。冷凍保存する場合は、小分けしてラップで包み、保存バッグに入れておくと便利です。
家族で楽しく子どもの成長をお祝いしよう
一升餅のお祝いの一般的なやり方とは
また「選び取り」という、子どもの前に物を並べて、手に取った物で才能を占う伝統行事もあります。「筆=学がつく、学者」「そろばん=商才がある・商人」「お金=お金に困らない」となります。
今は「箸=食べ物に困らない、料理人」「楽器=ミュージシャン」「スポーツ用品=スポーツ選手」など、現代風のアレンジもあります。 お餅とセットで「選び取りカード」がついてくるお店もあり、物ではなくカードで占うことも増えています。