ママは青色申告しても扶養でいられる!確定申告と条件を知ろう
近年は在宅ワークをしているママや個人事業主になるママも増えています。そんなママの多くが「確定申告してもパパの扶養でいられるか」という疑問を持っていると思います。個人事業主のママや、これから個人事業主になろうとしているママが知っておきたい「確定申告」と「扶養条件」についてまとめました。
ママに所得があるときはどうするべきか?
所得があるなら確定申告は必須
個人事業主が属している「自営業やフリーランス」や「年末調整を行っていない人」「副業の収入が20万円以上の人」「副業が給料の人」「給与の収入金額が2,000万円超の人」「一定額の公的年金を受け取っている人」などは確定申告の義務があります。
個人事業主のママの収入は「事業所得」になります。所得が38万円を超えると確定申告が必要になります。収入が38万円以下であれば申告は不要ですが、赤字になった場合は還付が受けられる可能性や住民税が考慮されるので確定申告をした方がよいケースになります。
確定申告をしないと罰則がある
確定申告の対象者なのに、確定申告を提出しなかった、または期限を過ぎてから申告をした場合には「期限後申告」となり、「延滞税」や「無申告加算税」が加算されてしまうこともあります。
延滞税は年分ごとに異なりますが、提出期限の翌日から2カ月以内の申告の場合で約7.3%、それ以降の提出では年14.6%ほどが提出日まで日割りで加算されます。
無申告加算税は、自主的に期限後申告をした場合で所得税に5%の課税、税務調査後の提出は、所得税額が50万円までは所得税の15%、50万円を超える部分は20%です。
ママが青色申告しても扶養でいられる
扶養から外れてしまうと、パパの税額が上がる、パパの扶養手当が無くなるというデメリットが発生してしまいます。すると、ママが自ら社会保険料を納めることになるので、年間で約20~30万円もの負担が増えることになります。
青色申告をしても個人事業主のママがパパの扶養家族でいることはできます。青色申告では、配偶者控除の判定金額から、特別控除額を差し引くことができるので扶養に入れる金額がアップします。
詳しくは、この後の「所得のあるママが扶養でいるためには」の項目で説明しますね。
所得のあるママが扶養でいるためには
所得税と住民税についての条件
「給与所得者(パートなど)は150万円までなのに、個人事業主は38万円まで?」と感じるママもいると思いますが、この差を埋めてくれるのが「青色申告」です。青色申告では青色申告控除額を差し引くことができ「収入ー必要経費ー青色申告控除=所得」という計算が可能になり、給与所得者と同じ150万円まで配偶者控除に入ることができるようになります。
住民税は各市町村の条例で金額が異なりますが、98~100万円以上の所得額になると支払いが発生するケースがほとんどです。
社会保険についての条件
特に健康保険は、加入している保険組合によって扶養の範囲が異なってくるのです。年収◯万円まで扶養範囲という場合と、所得◯万円まで扶養範囲という場合、まれにですが個人事業主は扶養外という場合もあるので、一度パパが加入している保険組合に確認をしておく必要があります。
「所得◯万円まで」という場合は収入から必要経費を引くことができますが、経費として認められるものが少ないこともあるので、詳しく確認しておくことをおすすめします。
国民年金は、年収130万円以内であれば第3号被保険者としてパパの扶養の範囲内となります。
扶養控除を受けるための条件
1.控除を受ける納税者の合計所得金額が1,000万円を超えない
2.民法上の配偶者
3.その年の12月31日時点に納税者と生計を一にしている
4.その年の合計所得金額が38万円以下
5.青色申告者の事業専従者として給与支払を受けていない、または白色申告者の事業専従者でない
こうした条件があります。
そして、配偶者であるママの年間の合計所得金額が、38万円以下だと「配偶者控除」の対象となり、38万円超123万円未満になると「配偶者特別控除」の対象となります。配偶者特別控除の控除額はパパとママの所得額に応じ、段階的に控除額が減ります。
収入金額によって検討することも大切
在宅ワークでは特例を利用することも可能
1.特定の人を対象にしている
2.継続的に行っている
3.販売ではなくサービス
この三つの要件を満たしていれば、必要経費が65万円未満であった場合も、最高65万円までは必要経費として認めてもらえるのです。
例えば、特定の会社などから委託されている個人事業主や、内職されている方が当てはまりますね。
家内労働者の特例は、青色申告特別控除(10万円か65万円)と併用することも可能なので、要件に当てはまっていれば活用するのがおすすめですよ。