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大きめの赤ちゃんの出産はどうなる?リスクを理解しておこう

大きめの赤ちゃんの出産はどうなる?リスクを理解しておこう

健診時に赤ちゃんが大きめと言われると、その成長が嬉しい反面、心配になるママもいるでしょう。赤ちゃんが大きいと出産時にリスクもありますが、ほとんどの場合、無事に出産できるので安心しましょう。そこで今回は、赤ちゃんが大きいことによる出産リスクや不安を解消する考え方などについてお話しします。

医師から赤ちゃんが大きめといわれたら

コミュニケーションのためのひと言かも

推定体重は20週頃から差が出始めることが多く、これくらいの時期から赤ちゃんが「大きめ」といわれることがあります。

推定体重はエコー検査で頭の大きさや大腿骨の長さ、お腹周りの長さを測り、これらの数値から計算します。そしてこの数字が週数に応じた基準値から大きくはずれていないかを確認します。

妊娠20週頃の基準値は211~416gで、範囲内ではありますが200gほど差が出始めます。妊娠34週にもなると基準値は1,650~2,663gとなり、1,000g以上も差が出てきます。

そのため、医師がママとコミュニケーションをとるために、基準値の範囲内であってもやや大きめの場合に「赤ちゃん、大きめですね」と声をかけている可能性があります。

大きめでも標準範囲内なら大丈夫

先ほども少しご紹介しましたが、推定体重の基準値には一定の範囲があります。その範囲をグラフにしたものが「胎児発育曲線」です。

母子手帳にも記載があるため目にしたことがあるママも多いと思いますが、胎児発育曲線は、妊娠週数ごとに推定体重の平均値を表す線とその線を挟むように、上限値と下限値を表す線が引かれています。そして推定体重がこの上限値と下限値の二つの線の間に入っていれば標準範囲内、つまり赤ちゃんの成長に問題はないと判断できるようになっています。

推定体重が平均値ぴったりであることの方がまれですので、医師から「大きめ」といわれてもこの標準範囲内であれば基本的に心配をする必要はありませんので、安心してください。

エコーはあくまで目安で誤差も生まれやすい

平成24年に公益社団法人日本産婦人科医会から発表された「推定胎児体重と胎児発育曲線 保健指導マニュアル」によると、エコー検査による計測値を使って算出した推定体重の値は10%程度の誤差は避けられないとされています。

エコー検査はその名のとおりエコー(超音波)を使って頭の大きさなどを計測しています。そのため、音波が持つ性質や超音波ビームのあたる方向などによって原理的な誤差が出てしまうそうです。また、画面上で人の手でカーソルを動かしながら計測をするため、多少の誤差は避けられないのです。

エコー検査で算出された推定体重はあくまで目安です。そのため、胎児発育曲線の上限値を若干上回っている場合であってもあまり心配はいらないそうですよ。

赤ちゃんが大きいことによる出産リスク

出産が長引いてしまう場合も

個人差はあるものの、規則的な陣痛がきてから出産するまでの時間は、初産婦で12~15時間、経産婦で6~8時間くらいといわれています。しかし、赤ちゃんが大きいと初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上かかっても生まれない「遷延分娩(せんえんぶんべん)」になってしまうことがあります。

原因として、赤ちゃんが大きいと出産が始まっているのにいつまでたっても陣痛が弱い「微弱陣痛」となり、出産が長引いてしまうことが考えられます。

出産が長引いてしまうと、赤ちゃんが長時間産道の途中で圧迫されてしまうため、胎児仮死などのリスクが高まります。また、子宮がうまく収縮できずに弛緩出血を起こしやすいなど母体に対するリスクもあるため、注意が必要です。

肩甲難産になる可能性がある

赤ちゃんが大きいと、出産のときに赤ちゃんの頭は出ているにもかかわらず、産道に肩が引っかかってなかなか赤ちゃんが出てこられない「肩甲難産(けんこうなんざん)」になってしまうことがあります。

赤ちゃんは体を回転させながら狭い産道をうまく通り抜け、頭が出た後に肩を片方ずつ出して産まれてきます。しかし赤ちゃんが大きいと肩が産道に引っかかってしまい、なかなか出てこられなくなってしまうことがあります。これを肩甲難産といいます。

肩甲難産になると新生児仮死や低酸素性虚血性脳症、脳性麻痺、上腕骨や鎖骨の骨折など、約20%の確率で赤ちゃんに何かしらの合併症が起こるといわれています。また、子宮破裂や大量出血など、母体にも大きなリスクがあります。

赤ちゃんの頭が大きすぎると帝王切開も

経腟分娩ができるかどうかを判断するために、出産予定日が近づくとレントゲン検査でママの骨盤と赤ちゃんの頭の大きさを確認することがあります。レントゲン検査の結果ママの骨盤に対して赤ちゃんの頭が大きすぎる場合、産道を通り抜けられないため帝王切開になる可能性が高まります。

ただし、産道を通れるかどうか微妙な場合は、まずは経腟分娩で出産に挑みます。そのまま赤ちゃんが出てこられることもありますが、なかなか出てこられず出産が長引くなどした場合は、途中から緊急帝王切開に切り替えることもあります。

帝王切開をすると手術後に血栓塞栓症(けっせんそくせんしょう)を起こしたり、次の妊娠時に前置胎盤になったりするなど、ママへのリスクが高いといわれています。
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