妊娠中に起こりやすいこむら返り。覚えておきたい原因と対策について
「なんだか足が痛い・・・」と夜中に目を覚ますことはありませんか。妊娠中の不快症状の上位に上がるほど、こむら返りに悩むママも多いようです。こむら返りが起きる原因を知り、普段から予防対策をしましょう。起きたときの対処法もご紹介しますので、ぜひ試してくださいね。
妊娠中にはこむら返りが起こりやすい
こむら返りが起こる理由
妊娠中期から後期にかけて、足がつったりこむら返りが起きたりするママが多くいます。これは、お腹が大きくなってきて足の筋肉に重みがかかることが大きな理由とされています。
足の筋肉に負担がかかると下半身の血流が悪くなり、足がつりやすくなります。筋肉が緩んでいる朝方や夜中など就寝中に起こりやすいですが、背伸びや身体を伸ばすなど筋肉を動かしたときにも起こります。
また、カルシウムやマグネシウムなど電解質の栄養不足も、筋肉の過剰収縮に関係しているといわれています。
こむら返りが起きてしまったときの対処法
・歩く
動かさずにじっとしているよりも、歩くことで伸ばすべき部分が伸びて痙攣をやわらげてくれます。転倒しないよう痛みのピークが去るのを待ってから、ゆっくり歩きましょう。
・ふくらはぎを伸ばす
床に座った状態で痙攣が起きている方の足の指を掴み、身体側に引っ張ります。ふくらはぎが伸びていることを意識しながら5~8秒ほど引っ張りましょう。これをふくらはぎの痛みが引くまで繰り返します。
・マッサージ
痛い部分をさすったり、優しく押したりします。強い刺激を与えないよう、筋肉をやわらげ血流をよくするようなイメージで優しく行いましょう。
足のつりは治まっても痛みが続くことも
筋肉痛のような痛みが多いですが、足のしびれを感じることや足を引きずって歩くほど痛みが酷くなる場合も。一度こむら返しを起こすとくせになり、同じ部分で繰り返し起こることもありますよ。
こむら返りは筋肉の過度な収縮と緊張を起こし、筋肉にダメージを与えます。激しい運動の後の筋肉痛と同じような状態なので、痛みが続くことも珍しくありません。
また、こむら返しを治そうと筋肉を無理に伸ばすと、軽い肉離れを起こす恐れがあります。歩けないほどの痛みや、数日以上痛みが治まらない場合は早めに受診しましょう。
身体の内側を整えてこむら返りの予防に
妊娠中でも飲めるこむら返りに効く漢方
芍薬甘草湯は即効性があるので、就寝中にこむら返りになったときや、足が冷えて筋肉が痙攣してきたというようなときに試してみてくださいね。
こむら返りを繰り返すうちに「あ、つりそうだな」という感覚が分かるようになることもありますね。足がつりそうな感じがしたら、早めに飲むと予防効果が期待できますよ。
就寝中にこむら返りが起きたときにすぐに飲めるよう、芍薬甘草湯をベッドサイドに水と一緒に常備しておくとよいでしょう。
カルシウムやマグネシウムをたくさん摂る
腱紡錘の働きが低下すると、筋肉の過剰な収縮や痙攣を引き起こします。腱紡錘の機能低下の大きな原因が、ミネラルバランスの崩れといわれています。
カルシウムとカリウムは筋肉の収縮をスムーズにする働きがあり、この二つのミネラルを調整しているのがマグネシウムです。とくにマグネシウムが不足すると、腱紡錘の機能低下に大きな影響を与えます。
マグネシウムを含む納豆やしらす、ひじきや、カルシウムを含む小松菜や乳製品、木綿豆腐などを積極的に摂りましょう。
寝る前には水分をしっかり摂る
就寝前はコップ1杯ほどの水分を摂るようにします。身体の冷えもこむら返りの原因になるので、できれば常温か温かいものを飲みましょう。
水分は栄養補給にもなるスポーツドリンクもおすすめです。スポーツドリンクの場合も冷たくせず常温で飲んでくださいね。一気飲みや飲み過ぎは身体を冷やす原因になります。適量を少しずつ飲むようにしましょう。
ただし、スポーツドリンクには塩分や糖分が含まれています。妊娠中に糖分や塩分の制限があるママは、医師に相談してから飲むことをおすすめします。
マッサージなどで身体をほぐして予防
就寝前のマッサージで筋肉をほぐす
また、夜中のこむら返りに困っているママもいるでしょう。疲労の原因である乳酸がしっかり代謝、排出されないまま寝ることが、就寝中のこむら返りの大きな原因です。
さらに就寝中は下半身の体温が低下し布団の重みなどで足先が伸びた状態も、こむら返りを起こしやすくします。
妊娠中は体重が増え下半身に負担がかかっています。そのため下半身の血流が悪くなり、乳酸の代謝も低下します。就寝前のマッサージ以外に普段からウォーキングなども行い、下半身の代謝を促しましょう。