子育ての悩みがネグレクトを引き起こす?原因と気づきについて
育児には休みがなく、協力してくれる家族もいないとつらいですよね。ママに余裕がなくなると、子どもが大泣きしていてもそのままにしてしまったり、怒ってしまったり…。「これってネグレクト?」と不安になりますよね。ネグレクトに気づいたらどうしたらよいのかをまとめてみました。
ネグレクトとは何?なぜ起きる?
ネグレクトは「虐待」です
子どもの体や心が健康に育つことを阻んでいるともいえ、子どもの成長に悪影響をもたらすとされています。
ネグレクトの要因には二つあって、一つは子育ての仕方が分からなかったり、経済面の問題があったり、やむをえない事情で十分な子育てができない「消極的ネグレクト」です。たとえば、親の病気やお金がなく十分な子育てができないケースがこれにあたります。
もう一つは、あえて子育てをしない「積極的ネグレクト」です。親が遊びたい、子どもが嫌いなどの理由で子育てをしないケースがこれにあたります。
どこからがネグレクト?判断基準とは
虐待の判断基準は、子どもの判断によって決められるそうです。親が子どものことをどんなに考えて行ったことでも、子どもが有害に感じたら虐待とみなされることがあるのです。
ネグレクトの定義は、児童虐待防止法で「児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること」とされています。
ネグレクトは必要な行為をしないマイナスの虐待ともいえそうです。そこに子どもの思いが加わるのですね。
なぜネグレクトしてしまうのだろう
まずは、親の要因です。親が子どもを受け入れられなかったり、子育ての知識が不十分だったり、親もネグレクトされた体験がある場合などは、自分もしてしまう可能性が高くなるとされています。必要以上に怒って恐怖を与えたり、夜に子どもだけを置いて出かける行為もそうですね。
親だけでなく、子ども側に要因があることもあります。子どもに病気や障害があり、親が子育てしにくいと感じる場合です。
また、親や子どもに要因がなくても、経済的に貧しかったり、困っても相談相手がいないなどの環境が影響することもあります。これらの要因が複雑に影響しあってネグレクトが引き起こされるのです。
ネグレクトの種類について
学ぶ権利を脅かす教育的ネグレクト
よって、本来なら小学校へ通うはずの子どもを小学校へ行かせず、自宅に閉じ込めていると地域の教育機関から登校を促されます。それにも関わらず、様々な個人的理由から子どもを小学校へ行かせない親もいるようですが、これは教育的ネグレクトにあたるので留意しましょう。
子どもは学校へ通うことにより、知識だけでなく人とのコミュニケーションの取り方など精神面でも色々なことを学びますよね。必要な時期に学校へ通わずにいると、その後の精神成長に大きな影響をおよぼす可能性もあります。
命の危険もある医療および保健的ネグレクト
しかし医療的ネグレクトを受けている子どもの場合、親に病院へ連れて行ってもらえないので、本来であれば助かったはずの命を落とすケースもあります。また、すぐに病院で適切な処置をしてもらわなかったために、大きな傷が残ることもあるようです。
子どもの定期健診を無視して連れて行かなかったり、必要な予防接種を受けさせなかったりするのは保健的ネグレクトにあたります。親が子どもに肉体的虐待をしていると、健診時にばれてしまう可能性があるため、健診へ連れて行かないという話を聞いたこともありますよね。
ママやパパが医療や保健面で子どものケアをするのは親としての義務でもあります。
子どもを放置する環境的ネグレクト
これ以外にも、小さな子どもだけで留守番をさせ親が外出して何時間も帰ってこないというのも環境的ネグレクトになるので注意しましょう。
環境的ネグレクトとは、子どもの安全を確保するためにしなければならない監視を怠けることです。
子どもを遊ばせている横で、子どもを無視して親がスマホのゲームに夢中になり子どもが危険な目にあっても気がつかないというケースも、考え方によってはネグレクトに分類されるので注意したいですね。
ネグレクトで子どもはどうなる?対策は?
ネグレクトを受けた子どもはどうなる?
学校に行かせてもらえず、必要な教育も受けられない場合は、学力が身につかず、様々なことに困難を生じることがあるでしょう。人とのかかわり方も分からず、孤立してしまったり、自分は大切にされたという思いがないことから自尊心が低くなり、自分も大切にできず自傷行為をしたり、自殺を図ったりすることもあるのです。
大切に育ててもらったという思いがない場合は、自分自身や他人を大切にすることも難しくなるのですね。