乳児の表情の発達はどうなっているの?子どもの表情を読みとこう
笑ってくれたら嬉しいのに、なかなか赤ちゃんが笑ってくれない。どうしたら笑顔やいろんな表情を見せてくれるのかな?など赤ちゃんの様子はいつだって気になります。今回は、あまり聞いたことがない赤ちゃんの表情の発達のことや、表情豊かな子に育てるポイントなどを紹介します。
赤ちゃんの表情の発達をチェック
生後すぐの赤ちゃんは表情が乏しい
突然ニコッとしたり、大人の表情の模倣をすることもありますが、これは赤ちゃんが自分の意思を持って、模倣しているわけではありません。生まれたばかりの赤ちゃんは、自分自身の顔にどんなパーツが付いていて、どういう風に動かしたらいいのかを知らないからです。
そのため、生まれもったものとして自然と反応しているだけの状態です。これは「原始模倣」「新生児模倣」と呼ばれているもので、生後2カ月頃までしか見られません。
生まれたばかりの赤ちゃんが、なんとなく表情が乏しくて不安に感じるママもいるかもしれませんが、発達のステップの一つなので心配しなくても大丈夫です。
2~6カ月で意志・感情が反映し始める
たとえ、笑顔がないからと思っても、子どもに微笑みかけることを疎かにしないようにしましょう。意思はなくとも、耳はしっかり発達しており、声は届きますし、何より新生児期から様々なことを吸収し、感情や表情を自分のものにしていけます。
6カ月頃になれば、首もすわってきて、視野も広がり好奇心旺盛に。感情も豊かになり、声を上げて笑ったり、喜怒哀楽を表情や泣き方で表現できるようになります。
6カ月を過ぎると感情表現がより豊かに
1歳を過ぎる頃には、甘えたり、いたずらをしたり、さらにこまやかな感情表現もできるようになっていきます。言葉を覚え始める時期でもあり、だんだんと笑う・泣くなどの体を使った感情表現から、言葉を使って、自分の感情を伝えられるようになってきます。
もちろん、赤ちゃんの発達や成長には個人差がありますので、子どもの成長をゆっくり見守りつつすごしましょう。
大人の感情表現と子どもの表情
周りの人の表情を模倣をする
模倣といっても、脳や体の成長が生まれたばかりの頃は未熟のため、すぐに模倣はできません。目で見た動きの情報を脳に送ってインプットすること、脳から体に「目で見た動き」を再現すること、体がうまく動きを再現できることができるようになって、ようやくできるようになります。
模倣は赤ちゃんが生まれてから成長してきたことの証であり、これから必要となる様々な動作・言葉などを身につける基礎となるのです。
模倣からコミュニケーションへ
生後、視力がだんだんついてくると、周りの様子を観察し、様々な情報を吸収していきます。やがて体が自分の意思で動かせるようになると、周りの人の行動や表情を少しづつ模倣しはじめます。自分の表情がどうなのか相手から読み取ったり、見える表情を模倣して、それがどんなものか感じとることで、楽しい、悲しいなどの表情と感情の関係性も学んでいきます。
誰かを見てマネすることは、その誰かの行動に興味を持っていることを意味します。これは、自分以外の他人を認識し、いずれは子どもの社会性へと繋がります。
サイレントベビーと自閉症
自閉症の特徴と似ているため、混同されたり、関連付けられたりすることが多いようですが、この2つは別ものです。自閉症かどうかの診断は、3歳頃にならないと専門家でも判断を下すことは難しいといわれています。
もし不安に感じた場合には、まずはかかりつけ医に相談をしてみることが大切です。定期健診、自治体の保健師、療育機関でも相談ができるので、早い気づきに繋がることもあります。