子育て世代に人気のフラット35!メリットとデメリットを検証しよう
マイホームを購入するときには「ローンはどうしよう」とあれこれ悩んでしまいがちですよね。ここでは住宅ローンの基礎知識に加えて、子育て世代に人気のフラット35について詳しく紹介していきたいと思います。フラット35のメリット、デメリットを確認し、自分に合ったローンを選びましょう。
住宅ローンについて基礎知識をおさらい
住宅ローンには大きく分けて3種類ある
・公的機関による「住宅ローン」
「自治体融資」と「財形住宅融資」があります。また、自治体によっては独自の融資を行うことがあるのが特徴です。
・民間金融機関による「民間住宅ローン」
融資の条件や金利のタイプは、金融機関によってさまざまです。団体信用生命保険への加入が必須なのが特徴です。
・民間金融機関と住宅金融支援機構が提携した「フラット35」
団体信用生命保険(以下、団信)への加入は、任意です。金利が変わらない「全期間固定金利型」が特徴です。
これら3種類を組み合わせることも可能です。
住宅ローンは返せる額を見極めよう
注意が必要なのは「借りられる額」と「返せる額」は違うという点です。たとえ同じ年収でも、ローン返済可能額は、子どもの数や親の介護など、家庭の状況により変化します。
住宅ローンの返済額が年収に占める割合を示す「返済比率」も重要です。たとえば「フラット35」の返済比率は、年収300~400万円未満が30%以下、400~700万円未満35%以下などの基準になっています。さまざまな視点から、慎重に判断して、無理なく返済できる金額を決めましょう。
ローンを借りるのだけでお金がかかる!
諸費用のなかで最も高額なのが、ローン保証料ではないでしょうか。これは、もしもローンの返済が滞った場合に、保証会社に立て替えてもらうための費用です。ローン保証料は融資額と返済期間によって変わりますが、返済期間が35年だと融資額1,000万円当たり約20万円が一般的です。
ほかにも、団信、印紙税、登記費用など、諸費用は意外と多くかかります。ネット銀行だと諸費用が安いところもあるので、ぜひしっかりリサーチして、慎重に計算・検討してみてくださいね。
子育て世代にフラット35が人気の理由
ローン額が固定だから家計管理がしやすい
金利が変わらないので、毎月の支払額は変わりません。子育て世代は、出産、就学・進学、その他教育・習い事、親の介護など、いろんなイベントがあります。まとまったお金が必要なシーンも少なくありませんよね。
だからこそ、数年後に金利が上がっている可能性がある変動金利よりも、金利の変わらないフラット35は、マネープランを立てやすいので安心できます。家族の資金計画や家計管理にとって、できる限り不確定な要素は少ないほうがよいものです。ここにメリットを感じて、フラット35を選ぶ子育て世代が多いのではないでしょうか。
子育て中だと金利が安くなることがある
具体的には、5年間の借入金利を年0.25%引き下げることができます。例えば、借入額が3,000万円、借入期間が35年、元利均等返済(ボーナス返済なし)、借入金利年1.35%の場合だと、総額で約39万円お得になる計算です。何かとお金のかかる子育て世代にとっては、とても大きいですよね。
対象となる条件(子どもの年齢など)は、各地方公共団体によって異なります。自分の自治体の要件を、ぜひチェックしてみてくださいね。
審査が緩やかで若い家族でも借りやすい
事前審査はそれぞれの金融機関で行いますが、本審査はフラット35を提供している独立行政法人住宅金融支援機構が行います。事前審査の基準は金融機関によって異なりますが、ブラックリストに入っていないか、収入に対して借入金が大きすぎないか、などもチェックされます。
とはいえ、金融機関が融資をするわけではないので、審査はそこまで厳しくなりません。そこまで収入が多くない若い家族や子育て世代にとっても、借りやすいのはメリットです。しっかりしたプランであれば通りやすいので、積極的な姿勢でのぞみましょう。
フラット35に隠されたデメリットとは
最大のデメリットは金利が高めなこと
全期間固定金利型のため、変動金利型や当初固定金利型に比べて金利が高くなるという欠点があります。毎月の返済額も高く設定されるので、世の中の金利が下がったとしても、借り入れ時点の金利が変わらないのです。
また、フラット35の金利は、自己資金が1割以上か未満か、でも大きく変わります。1割以上で団信ありが年1.15%、1割未満で団信ありが年1.79%です。自己資金が1割あるかないかで、金利は最大で0.44%も上昇するのです。自己資金1割未満だと高金利になることを覚えておきましょう。