働き方改革でなにが変わるの?見直されるワークライフバランス
平成31年度から施行されている「働き方改革」では、パパだけでなく働いているママや今後働こうと考えているママに関わることがたくさんありますね。しかし、具体的にどのようなことが変わったのかよく知らないママも多いのではないでしょうか。今回は、働き方改革で見直されたり改善されたりしたことを見ていきましょう。
平成31年4月施行「働き方改革」を知ろう
これまでの労働市場の問題とは?
これまでの労働市場にはいくつか問題がありました。今回の働き方改革ではこの問題を解決することで労働生産性を上げることが目的とされています。
これまでの労働市場の問題には、人手が不足しているにも関わらずそれぞれの事情に合わせた働き方ができないため、労働参加への制約があったり、正規・非正規雇用の賃金の格差や、過度な長時間労働の問題があったりしていましたね。
このような労働市場の問題を改善するために、働き方改革が施行されたのです。
目指すのは生産性の向上と環境整備
働く環境が整備されていないために働けない高齢者や、育児や介護で働けない30代の女性は大勢います。働き方改革では、このような働く意欲のある人が働きやすい環境を整備し、生産性の向上を目指しています。
高齢者のためには、65歳以上の継続雇用延長などの促進を支援したり、65歳までの定年引き上げなどを支援する助成措置を強化するような取り組みがあげられますね。
また、育児や介護のある女性のためには産休や育休の整備をしたり、ICTを活用したテレワークの導入を推進したりする取り組みを進めています。
働き方改革での子育ての位置づけ
さらに、企業も仕事と子育て両立支援策に取り組んでいますね。その中でも、「短時間勤務制度」は全体の8割が実施しています。5割の導入が見受けられるのは「女性の育休取得率70%」。どちらも子育てに役立つ取組みですね。
さらに、全体の3割ほどの導入には「フレックスタイム制度」と「始業・就業時刻を繰り上げまたは繰り下げる制度」があります。このような制度によって、社員の退職率減少には約5割の効果があり、社員のモチベーションの向上やストレスの軽減に役立っているようです。
働き方改革で変わる三つのポイントを紹介
時間外労働の上限規制で労働時間が変化
一つ目は「時間外労働」です。時間外労働とは、労働基準法において定められている1日8時間、1週間40時間の「法定労働時間」を超えて働いた労働時間のことです。
この時間外労働が法改定により、法律に「年720時間」という上限規制が設けられました。さらに、「月単位では休日労働を含んで100時間未満まで」「月45時間を超えるのは年6回まで」「連続する複数月は、休日労働を含み平均80時間以内」といった、一時的に労働時間が偏る繁忙期のリスクに備えての上限規制も設けられています。
この上限規制は、大企業は2019年4月から、中小企業では2020年4月から始まりますよ。
雇用形態の違いによる格差が是正される
そのなかでも、「パートタイム労働法」では、フルタイムで働く人は対象外になっていましたが、有期雇用労働者であれば含まれることになったことが大きな改定点でしょう。
さらに、現行でも定められていた「職務内容(業務の内容と責任の程度)・職務内容、配置の変更の範囲が同じ場合は通常の労働者(正社員)との待遇差が不合理であってはならない」という点も、基本給、賞与、食事手当、役職手当など考慮される点が明確化されました。
働く人が働き方を選択する社会を目指す
このような人が、それぞれの生活を重視した働き方を選択できる勤務体制を整備することが重要とされています。代表的なものには、「フレックスタイム」「テレワーク」といった柔軟な勤務体制を導入する取り組みが進められていますよ。
現状は、取り組みが進められているといっても導入されているところは少ないようです。しかし、このような働き方が一般化することで様々な人の活躍の機会を増やし、労働生産性も向上させることになるので、働く人が働き方を選択できることがこれからの課題であるでしょう。
ワーママも!女性活躍を支援する取り組み
ワーママの負担をシェアしてキャリアを支援
政府の取り組みには「産休・育休制度の整備」「テレワークの推進」「長時間労働の減少」があげられます。企業の取り組みには「企業向け託児オフィスサービス」や「テレワークの導入や活用」「中間管理職の意識改革」「長時間労働の是正」がありますね。
このような長時間労働の減少や中間管理職の意識改革は、ワーママのキャリア支援に大きく結びつくでしょう。
さらに大切なことは「パパが育児に参画する」ということ。政府や企業の意識改革にとともに、パパが負担をシェアすることでママのキャリアアップにつながるでしょう。