子育てで大切な思いやりの教育。人を思いやる心を育むために
思いやりの気持ちを育てる子育てとは
子どもと一緒に相手の気持ちを考える
この力を育むためには、ママやパパの手助けが必要となります。なにかトラブルがあったときなどは、まずは自分の気持ちを理解するための声がけをしましょう。過去の事例を振り返って「あのときはどんな気持ちだった?」と聞いてみましょう。その後、「あの子はどんな気持ちになったかな?」と相手の気持ちを想像させましょう。このようなやり取りが相手の気持ちを理解するトレーニングになります。
しかし、このトレーニングは幼稚園に入ってすぐくらいの子にはまだ難しいかもしれません。遅くても、小学校入学前くらいまでにはこの能力も身についてくるようです。焦らずゆっくり訓練していきましょう。
親が思いやりの行動のお手本をする
まずは、親である私たちが思いやりの気持ちをもって他者と接することが大切です。普段からお年寄りに優しくしたり、夫婦でいたわりあったりしている姿を身近に見ることで、子どもは思いやりの気持ちとはなにかを自然に学んでいくようです。
また、子どもにダメと言わなくてはならないときも、頭ごなしにダメというのではなく、子どもの言葉に耳を傾け、共感することも大切です。子どもは自分が受け入れられ、優しくされたという経験からも思いやりの気持ちを身につけていきます。
思いやりは物を大切にする心が基本
私たちの住む日本では、物や食べ物が当たり前のように溢れています。このような状況では、物に対するありがたみを感じることは難しいかもしれません。しかし、世界にはこの状況が当たり前ではない人たちもたくさんいます。食べ物を無駄にせず、感謝して「いただきます」「ごちそうさま」と言いましょう。
また、小さな動植物を大切に扱うことで、子どもは命には大きい、小さいはないんだということを実感していくはずです。このようなことを学んで成長した子どもは、弱い者いじめなどをすることが少なくなるでしょう。
家庭の中で思いやりの気持ちを育てる工夫
ごっこ遊びは思いやりを育てる教育
「ごっこ遊び」は思いやりの気持ちを育むためにもってこいの遊びです。例えば、お母さんごっこでは、人形にごはんを作ったり、口に運んだり面倒をみて、お父さんやおばあさんなど、様々な役を演じることにより、他人の気持ちや行動を考えるきっかけとなることでしょう。その結果、思いやりの気持ちが育まれます。
ごっこ遊びをしていると、遊びの途中でお友だちとトラブルやケンカが起きることがあります。子どもたちは、トラブルやケンカを解決するという経験からも、他人を思いやる心や社会性を身につけていくことでしょう。
思いやりの教育におすすめの絵本
【どうぞのいす】 自分で作ったいすを「どうぞのいす」という看板とともに木の下に置いたうさぎさん。その椅子の上にどんぐりを置いて寝てしまったロバさん。ロバさんが寝ている間にクマさんがきて、どんぐりをすべて食べてしまいました。しかし「後から来た人がかわいそう」と変わりにはちみつを置いていきます。ロバさんが起きるまでに、色々な動物がきて、なにかをもらい、なにかを置いていきます。
【しんせつなともだち】 ある雪の日に、二つのかぶをみつけたうさぎさんが「この雪の中、お友だちのロバさんはお腹をすかせているだろう」と考え、かぶを一つ持っていったことから思いやりのリレーが始まります。
動植物を大切に育てて思いやりを育む
子どもに命の大切さや、思いやりの心を伝えていくには、一緒に虫や動物を飼ったり、植物を育てることをおすすめします。
動植物を育てることは思いやりの気持ちをもって、餌やりやトイレ掃除などの世話をすることや、傷つけることや嫌がることをしないなどといったことを学ぶことができます。動物は一緒に過ごす時間が長い分、死が訪れたときの悲しみは大きなものとなるでしょう。その悲しみが命の尊さを子どもに伝えてくれることでしょう。
まとめ
真剣に子どもの声や気持ちに耳を傾け、共感することで、子どもは親の優しさを感じるようです。また、他人や身近な動植物にも思いやりの心をもって接すること、そして感謝の気持ちを忘れないことが大切だということがわかりました。
一番のお手本となるママやパパが思いやりの気持ちをもって生活していれば、子どもも思いやりのある子に育つことでしょう。