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否定ばかりだと子どもに影響がある?子どもに与えるダメージと解決策

否定ばかりだと子どもに影響がある?子どもに与えるダメージと解決策

忙しかったりイライラしたりすると「だめでしょ!」と、否定的な言葉で子どもを叱りがちです。また、親は叱咤激励のつもりであっても「そんなことで泣いちゃだめ」のように子どもの気持ちを否定している場合がありますよ。ここでは否定的な言葉が子どもに与える影響を知り、肯定的な言葉がけができるコツなどをご紹介します。

否定的な言葉に心と脳が反応する

人間の脳は否定語が苦手

人間の脳は否定語が苦手だといわれます。例えば私たちが「失敗してはいけない」と強く思ったときに限って失敗する傾向があるのは、「してはいけない」という否定語を理解しにくい脳が「失敗」の部分だけにフォーカスして自己暗示にかかってしまうためです。

否定語で注意すると、否定されたことをしてしまう確率が50%ほど上がるともいわれます。子どもに「こぼしちゃだめよ」と否定語で注意すると、かえってこぼしやすくなるのです。

子どもの好ましくない行動は一度の注意で改善されるケースは少なく、たいていは何度も注意してやっとよくなっていきます。もしかしたら否定的な言葉で注意していることが原因で、なかなか子どもの行動が改善されない場合があるのかもしれませんね。

否定語は脳の働きを低下させてしまう

人は右脳の「感情系」という場所で他人の感情を読み取ります。親が「だめね」「あなたには無理」といった否定語ばかりを使っていると、子どもの右脳は否定的な感情を読み取り、やがてネガティブな感情が定着するといわれます。そうすると脳は力を発揮しにくくなり、本来できる能力があるのに失敗したりやろうとしなかったりするのです。

また、脳の「A10神経群」という場所では物事に対して好きか嫌いかのレッテルが貼られますが、否定的な言葉をかけられると「嫌い」のレッテルが貼られ、思考力や記憶力が低下するとされています。

「僕には無理だ」「どうせできない」といった否定的なことばかり言う子は、周りから否定語を聞く機会が多かったのかもしれません。

夫婦げんかなど間接的でも子どもに影響あり

子どもに直接否定的な言葉をかけなくても、夫婦げんかなどで子どもが間接的に否定語を耳にすると脳の働きが低下する可能性があります。パパとママが罵り合っている姿を見れば、子どもの心は不安と悲しみでいっぱいになるでしょう。

福井大学などが行った研究では、子どもが日常的に夫婦げんかを見ていると脳の海馬などに異常が出て怒りや不安を感じやすくなるだけでなく、学習能力の低下につながる場合があるそうです。また、目の前のものを正しく認識する「視覚野」という脳の部分が萎縮することもあり、会話をする相手の表情が読み取りづらくなりコミュニケーションに支障が出る可能性があります。

夫婦げんかでアトピーが悪化したり喘息の発作が起きたりするなど、体調に影響が出る子もいますよ。

否定的な言葉が子どもに与えるマイナス効果

否定ばかりだと自信を持てなくなってしまう

自分のやることを親から肯定的に受け止められていた子は自己肯定感が高まり、人生に積極的になれます。一方、親から否定されてばかりいた子は自己肯定感が低くなり、自信が持てずに何事にも消極的になる場合が多いです。

親は怒りが湧いたときでも、子どもに「あなたなんていなければいいのに」「だめな子ね」といった存在や人格を否定する言葉は使わないようしていると思います。ただ、「なんで片づけられないの!」など子どもの言動への注意に、否定的な言葉を使うことは多いかもしれません。

子どもは親から自分の言動を否定され続けると、直接存在や人格を否定されていなくても「自分はママから嫌われているだめな子なんだ」と意欲や自信を喪失する可能性がありますよ。

親の言動を子どもが真似するようになる

友だちに対して「そんなんじゃいつまでたってもできないよ」「言うことを聞かないと遊んであげない」などと、否定的な言い方が多い子もいます。このような言い方は相手を嫌な気持ちにさせますし、正しいことを言っても受け入れられにくいです。

また、「なぜ支度ができていないの!」などと親に責められている子は、友だちに落ち度があったときは責めてもよいのだと学んでしまいます。友だちを責めてばかりいる子は嫌われやすくなりますが、親を真似ているだけなので嫌われる理由が自分ではわからないかもしれません。

「◯◯すればもっと上手になるよ」「ご飯を食べたらおやつを食べようね」のように、親ができるだけ肯定的な話し方をすると、子どもの言い方も変わっていきますよ。

親へ不信感を持って試し行動をする場合も

子どもは親から否定的な言葉をかけられ続けると「ママは私のことが嫌いなのかもしれない」と不信感を抱き、わざと悪いことをして愛されているかどうかを試す「試し行動」をする場合があります。わがままばかり言ったりわざと食べ物をこぼしたりするなど、ありとあらゆる方法で親を困らせるのです。

試し行動は、怒られたり注目されなかったりするようなちょっとしたことが原因でも行われることがあります。親が願う良い子になるのが難しいために、悪い子になって注目を浴びようとする子もいますよ。

親子関係は子どもにとって人間関係の見本です。試し行動に対しても突き放したり否定したりするような態度ばかりとると、子どもは親を信じられないだけでなく人間不信にまで陥る可能性もあります。

「否定」ばかりの子育てから脱け出すには

注意するときは「肯定的」な言葉で伝える

イライラしているときに子どもが失敗すると、反射的に否定的な言葉が出てしまい後悔しがちです。けれども怒りのピークは約6秒といわれ、この時間を乗り切れば感情的にならずに注意できますよ。

6秒間に「肯定的な言葉で言い換えるには?」と考えながらクールダウンすると、肯定的な言葉で伝えやすいかもしれません。「こぼさないで!」「早く着替えなさい」を「両手でコップを持つとしっかり飲めるよ」「着替えようね」などと言い換えるだけで、子どもの心を傷つけずにすみます。

危険な行動をすぐに叱る必要があるときは「ストップ!」と制止するのがよいですよ。この言葉は「だめ」よりも曖昧ではないうえに否定的な雰囲気が少ないので、子どもが受け入れやすくなります。
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