双子なのに性格が違う?遺伝子と性格の深い関係と親の関わり方
同じ日に産まれ、同じ環境で育つ双子は、話し方や仕草までそっくりなことがあれば、「本当に双子?」と言いたくなるほど似ていないこともありますよね。今回は似ている双子と似ていない双子の違いや、双子の恋愛傾向、才能と遺伝子の関係や親の関わり方についてご説明します。
一卵性双生児と二卵性双生児の違い
一卵性双生児のDNAは99%以上一致する
元々一つの受精卵から育っているので、DNAは99%以上一致します。このため血液型や性別が同じで、顔も見分けがつかないくらいそっくりになることがほとんどです。
テレビなどで話題になっている「双子タレント」は、モデルの蛯原友里さんや、おすぎとピーコさんなど、顔も声もそっくりな一卵性双生児が多いので、一般的に「双子」というと一卵性双生児のイメージが強いのではないでしょうか。
遺伝子からそっくりな一卵性双生児ですが、指紋、目の光彩、静脈のパターン、ほくろの位置などに違いがあります。生体認証で指紋や光彩が使われるのは、一卵性双生児でも一致しないからなのですね。
なお、一卵性双生児は基本的に同じ性別ですが、まれに「異性一卵性双生児」といって、違う性別で産まれることもあります。
二卵性双生児は性別や血液型が違うことも
一卵性双生児は受精卵が偶然二つに分かれて産まれますが、二卵性双生児は排卵誘発剤の影響などで産まれやすくなるといわれています。
元々違う受精卵ですので、DNAは一卵性双生児ほど一致せず、平均して50%くらいの一致率だそうです。一般的なきょうだいの一致率とあまり変わらないので「たまたま一緒に産まれてきたきょうだい」といった感じですね。
二卵性双生児は血液型や性別が違うことも珍しくなく、顔も一卵性双生児ほど似ていません。とはいえ、同じパパとママから産まれているので、性別が違っていても全体的な顔立ちや雰囲気は似ていることが多いですね。
また、性別や血液型が同じで、顔も似ている二卵性双生児もいるので、一見すると一卵性双生児のように見えることもあります。
双子のお兄さんがいるローラさんや、双子の弟がいる藤木直人さんなど、二卵性双生児のタレントもたくさん活躍されています。
性格は「遺伝と環境の相互作用」で決まる
遺伝子が性格に与える影響
研究によると、性格のすべてが遺伝子によって決まるわけではないものの、「せっかち」「のんびり屋」「内気」といった、基本的な性格は遺伝子の影響を受けやすいといわれています。
一つの授精卵が分かれて産まれた一卵性双生児の赤ちゃんは、遺伝子もほとんど同じですので、基本的な性格が似ていても不思議ではありません。
しかし、遺伝子で決まるのは家でいうと「基礎」の部分だけですので、成長する環境や経験の違いで、性格は変わってきます。
生まれ育った環境が性格に与える影響
また、同じ家で育っていると「姉と妹」のような関係性ができるため、子どもは自然と「役割に合った性格」を身につけていくそうです。
例えば、遺伝子由来の「のんびり屋」の性格を妹が強く出すと、姉は「しっかり者」になることで、姉という役割を果たしながら、「自分らしさ」を作っていくという感じですね。
このため、双子は離れて暮らしたほうが似た性格になるという研究結果もあるそうですよ。
同じ遺伝子でも働き方で性格が変わる
例えば、内気な性格の遺伝子を持った双子の一方がピアノを習い、もう一方は水泳教室に通ったとすると、水泳教室に通った子どもは内気さが少し抑えられるという感じです。
また、学校や友人の間で、内気な性格について肯定的に言われた子と、否定的に言われた子では、出来上がる「自分のイメージ」が変わってきます。
自分へのイメージは考え方にも影響するので、自分によいイメージを持っている子は、内気な性格が「考えの深さ」として働き、自分によくないイメージを持っている子は、内気な性格が「うたぐり深さ」として働くことがあるそうです。