一卵性の双子に関する豆知識。出産するまでのリスクや双子の特徴
双子というと、かわいらしく神秘的な雰囲気からあこがれを抱く方も多いかと思いますが、いざ子どもを授かってみると「一人でこんなに大変なのにこれが倍になるなんて、双子のママはすごい!」と感心した…という話もよく聞きます。今回は、そんな双子の中でも「一卵性の双子」についてのお話をしていきたいと思います。
意外に知られていない双子に関する豆知識
双子が誕生する確率と原因
今回お話しする双子は「一卵性双生児」といって、生まれてくる確率は0.3~0.4%となっています。「二卵性双生児」の生まれてくる確率は1%といわれているため、一卵性の双子に出会える確率の方が低いことが分かります。
原因も未知の部分が多くはっきりとは分かっていませんが、一卵性の双子は一つの受精卵が二つに分裂することにより誕生するため、この分裂を促した「何か」が原因となっています。
主に
●ホルモンバランスの乱れ
●高齢、または若すぎる出産で卵子が安定していない
●激しい運動を行ったための衝撃
などが原因ではないかといわれています。
一卵性双生児と二卵性双生児の違い
「一卵性」の双子はもともと受精卵が一つであり、これが成長途中で分裂してそれぞれ大きくなり双子の赤ちゃんになります。
「二卵性」の双子は、卵子と精子がそれぞれ二つずつ受精し、受精卵が二つ存在している状態です。分かりやすくいうと、普通のきょうだいを同時に妊娠していることになります。
一卵性の双子は一つの卵が分裂しているため、性別、容姿や血液型も全く同じで誕生しますが、二卵性の双子はもともとの卵がまったく別なので、生まれてくる子どもたちは容姿や血液型も異なります。男女で生まれてくることもあります。
膜性による双子の種類分け
通常の妊娠ですと、お腹の赤ちゃんは子宮内の「絨毛膜(じゅうもうまく)」と、さらに内側の「羊膜(ようまく)」という2つの膜に包まれています。双子だとこの二つの膜がどのように形成されているかで違いが生まれます。
●二絨毛膜二羊膜…赤ちゃん二人に対してそれぞれ二つの膜がきちんと形成されている状態です。
●一絨毛膜二羊膜…赤ちゃん二人に対し、羊膜は二つありますが絨毛膜は一つを共有している状態です。
●一絨毛膜一羊膜…赤ちゃん二人が絨毛膜と羊膜を完全に共有している状態です。
それぞれの詳細は下記の「双子を妊娠して出産するまでのリスク」でご紹介します。
一卵性双生児の双子の共通点や特徴
性別にDNAや血液型はすべて一緒
一卵性の双子は遺伝子がまったく同じなので、見た目だけでなく性別、血液型、声までそのままといわれています。
遺伝子が同じ、と聞くとまるでクローン人間のようでなんだかとても不思議に感じますね。実は遺伝子が同じという点で一卵性双生児はまさにクローンそのものなのだそうです。
ただし、ごくまれに性別が男女の一卵性双生児が誕生するそうです。これは受精卵が分裂した際に片方の染色体(性別を決めるもの)が何かしらの変化を受けて起こるそうなのですが、確かな原因は分かっていません。世界でも少数しか例がないそうです。
性格までそっくりとはならない
双子は同時に生命を宿し、同じ日に誕生するので、厳密にいえばどちらが上の子でどちらが下の子…というのはないといえますが、区別は必要となるので一般的には先に誕生した方がおにいちゃん、おねえちゃんになりますね。
この区別により、パパやママはもとより周囲からもきょうだいにより接し方に差が生まれるため、上の子は上の子らしく、下の子は下の子らしくと後天的に性格が形成されていきます。
よくあるパターンでは上の子はしっかり者でまじめな子に、下の子は甘え上手でおっとりとした子に、といった感じでまったく違うタイプに成長することがあります。
一卵性双生児に見られる不思議な現象
心の中がシンクロしているようなときがあったり、離れた場所にいても相手の体調不良などを察知できたり…といった話はよく聞きます。赤ちゃんのうちからママやパパにも分からないような二人だけの言葉(双子語)で会話をすることもあるといわれています。
また、これも不思議な話なのですが、きょうだいで髪の毛のつむじや利き手が完全に左右対称になることがあるそうです。まるで鏡写しのような状態なので「ミラーツインズ」と呼ばれています。
これらの現象がどうして起こるのかは、いまだに明らかになってはいません。