産後クライシスはいつまで続く?原因と乗り超えるためにできること
「最近パパに嫌悪感を感じることが多く、喧嘩ばかり。もしかして産後クライシスかも?」と、悩むママに産後クライシスの意味や、原因、解決策をご紹介します。産後クライシスによって生じる夫婦間の危機とその対策、またどのくらいつづくのか、などもあわせてご覧ください。
産後クライシスって何?いつまで続くの?
産後クライシスの意味と英語の意味
産後うつと間違われやすいのですが、産後うつの場合はママが精神的に不調なことに対し、産後クライシスは出産後2年以内に、夫婦間が不仲になってしまうことをいいます。
では実際どのような夫婦関係になるのかというと、これまで仲がよかったのに、産後をきっかけに急にパパを敵視してしまったり、パパに対してイライラ感を感じてしまうママが多いようです。
症状には個人差があるようですが、パパに対する嫌悪感を感じることで、夫婦関係は険悪な状態になってしまいそうですよね…。また産後クライシスを裏付けるかのようなデータが存在します。
厚生労働省が5年に一度行っている「母子家庭になった時期」の調査結果によると、離婚したときの子どもの年齢は0歳から2歳(死別・未婚の母除く)が最も多いという結果がでています。
産後クライシスが続く期間は人それぞれ
そのため「ホルモンバランスの整う産後半年経つころには、産後クライシスは落ち着いてくる」という意見もありますが、原因はほかにもあるのでママによっては1年以上続く場合もあるようです。
一人目のときは1年くらいで落ち着いたが、二人目のときは2年以上かかったなど、そのときの自分の状態やまわりの環境によっても、落ち着く期間に差があるようです。
あるママは、産後クライシスから離婚にまで発展してしまいました。産後間もない辛い時期に、パパは自分の趣味を優先していたそうで、そのとき感じた失望感や怒りは、ホルモンバランスが整っても拭えず、産後クライシスをさらに助長してしまったようです。
もしもそのとき、パパが育児に協力的でママを気づかっていたら…そのような結果にはならなかったのではないかと思ってしまいます。
なぜ産後クライシスになるの?原因とは
産後のママの体調が万全ではないから
ママなら誰しも経験することなのですが、命がけの出産のあと休む暇もなく育児のスタートはママにとってかなりハードです。産後のママは、会陰切開の傷や子宮の回復、悪露、骨盤のゆるみなどからだへのダメージが大きいです。
しかも、ゆっくりと休んでもいられないのでダメージのあるからだで赤ちゃんのお世話をします。そうすることで、体力的にも精神的にも疲労してしまい、からだの回復に時間がかかってしまいます。そしてイライラしやすくなり、その矛先がパパにむかうことが多いのです。
ホルモンバランスが乱れているから
そして出産を終えると、急増していた女性ホルモンが一気に減少することで、ホルモンバランスが乱れてしまうのです。ホルモンバランスが乱れることで、自律神経も乱れ、精神安定作用のある脳内物質セロトニンの分泌が悪くなり、イライラしやすくなったり涙もろくなったり情緒不安定になりやすくなります。
理性でコントロールするのがむずかしい生理現象ですが、ホルモンバランスは時間とともに落ち着いてくるので安心してくださいね。
夫が協力してくれず不満がたまるから
産後のママのからだや精神面のダメージは本当に大きいので、パパには耳が痛いかもしれませんが「仕事が忙しい」はママにとっては、言い訳にしか聞こえません。育児休暇を取得するのも女性のほうが圧倒的に多いので、ママは産後のライフスタイルが大きく変わります。
一方、パパは今までどおり仕事後の飲み会や、週末は趣味を優先してしまうと「育児に非協力的」「父親としての自覚がない」などママは不満がたまってしまいます。
産後クライシスを乗り越えるために
ホルモンバランスの影響だと割り切ろう
原因は、生理前に増加する黄体ホルモン(プロゲステロン)が影響していると言われています。月経前症候群は生理が始まると、症状がおさまることが特徴なのですが、産後のホルモンバランスは、整うまで気長に構えたほうがよいかもしれませんね。
イライラしてしまっても「ホルモンバランスのせいだから」と割り切るようにしてみましょう。とはいえ経験していないパパには、なかなか伝わりにくいものなので、お互いに気持ちが落ち着いているときに、ホルモンバランスの乱れについて話してみるとよいと思います。
「手伝ってほしい」と言葉で伝えてみよう
「いま手がはなせないから、オムツ替えてくれればいいのに」など心のなかで思っても、テレパシーでもないかぎり伝わらないでしょう。しっかりと具体的に「〇〇してもらえないかな?」と伝えると、パパもするべきことがわかります。
言わずにためこむより、きちんと伝えたほうがお互いに気持ちよいはずです。ただ言い方が大切です。「〇〇して!」などきつい言い方にならないよう気をつけましょう。