産後の授乳中なのに食欲がない原因とは?母乳のためにできる対処方法
産後は我慢していた食べ物を思い切り食べて、たっぷり母乳を出したい!と期待していたママ。なぜか食欲が湧かないと悩んではいないでしょうか。産後の授乳中は食欲が爆発するという話はよく聞きますが、食欲がなくなることもあるのでしょうか。その原因と母乳のためにできることをまとめました。
産後のママが食欲がないのはなぜ?
育児が忙しくて食欲が減退
産後のママが栄養不足だと、食欲不振だけでなくめまいや吐き気などをともなうことがあります。母乳はママの血液からできていますので、タンパク質や鉄分などの栄養素が不足しがちで貧血になりやすいのです。
毎回の食事でしっかりと栄養分を補えればよいのですが、忙しくて食べる暇がないママや、食べたとしても簡単なもので済ませてしまうママも多いのではないでしょうか。また、睡眠不足で疲労がたまると食欲どころではなくなってしまいます。
さらには、育児ストレスによる食欲減退も考えられますので注意したいですね。
産後うつで食欲不振に
一方の産後うつは病気として治療を要するものです。症状にはさまざまなものがありますが、食欲不振もその一つです。
食べる気力が湧かないだけでなく、なにも手につかない、順序立てて家事ができないなど精神的な症状もあれば、下痢や吐き気、頭痛など肉体的な症状が出てしまうこともあります。
食欲不振だけでなく、気持ちの落ち込みや不安感など気になる症状が続く場合は、専門医に相談してみましょう。
産後の無理なダイエットで拒食の危険も
女性としてスタイルを気にすることはおかしなことではありませんが、産後の無理なダイエットは身体への大きな負担になり、必要な栄養素やエネルギーが足りなければ育児をこなすのが難しくなります。食べなくてはと分かっていても「この食事をしなかったら◯◯kg痩せるかも」と食事を避けるようになり、摂食障害になってしまうこともあります。
摂食障害はダイエットをきっかけに患うこともありますが心の要因も大きく関わります。孤独感や不安を緩和できるようにパパや周りの人の助けを借りましょう。
産後は母乳育児の影響で食欲がないことも!
授乳で分泌されるオキシトシンとは
オキシトシンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、愛情を感じたり、ペットや恋人とのスキンシップの際に多く分泌されることが分かっています。女性特有のホルモンではありませんが、産後は母乳を分泌するのに重大な働きをし、とくに赤ちゃんが乳首を吸ったときに多く分泌されます。
オキシトシンが分泌されると母乳の出がよくなり、ママの情緒も安定してきます。授乳タイムはママが幸せな気持ちを抱きやすいですが、このオキシトシンの働きが影響しているのかもしれませんね。
穏やかな気持ちで育児をするためにも、赤ちゃんとたくさん触れ合いたいですね。
オキシトシンは食欲を低下させる効果がある
また、オキシトシンが分泌されると幸福感が増しますが、この幸福感も食欲を抑えてしまうのだそうです。好きな人のことを考えると胸がいっぱいになり、なにも食べれなくなることがありますが、これもオキシトシンが関係しているようです。
授乳は最大のスキンシップなので、オキシトシンの分泌も多くなります。穏やかな気持ちであるにもかかわらず、なんだか食欲がないと感じるときはオキシトシンの影響であると考えられます。
授乳中は食欲がなくても心配しすぎないで
ただ、食べたくないのに無理やり食べることや、食べなくてはいけないと強迫観念を抱き悩むことの方がストレスになり、母乳の出に影響を与えてしまうかもしれません。母乳量はもともと個人差が大きく、痩せているから太っているからといって量が増減するわけではありません。
たくさん食べていても母乳が出ない体質のママもいますし、その逆もあるはずです。母乳で育てることだけがすべてではありませんので、ミルク育児も視野に入れながらゆったりとした気持ちを維持したいですね。