子ども用の着物は洗える素材のものを!長く使えるような工夫も知ろう
子どもが着物を着る機会は、お宮参りや七五三などの行事が多いですよね。普段着る洋服とは違い、着物にしみや汚れがついたときに、どうやって洗えばよいのか分からないママもいますよね。ここでは、子ども用の着物の選び方や洗い方、長く使う工夫についてご紹介します。
綿やポリエステルの着物は洗うことができる
浴衣と着物の違いを理解しよう
着物は読んで字のごとく、「着る物」の総称を指します。日本で洋服が広まった明治時代以降に、「着物=和服」という認識になったといわれています。浴衣は着物の一種で、基本的な構造や形状は和服を意味する着物と同じですが、細かく見ると少し異なっています。
一番大きな違いは生地の厚さです。着物は裏地があって二重の生地である袷と裏地のない単衣の二種類があり、どちらも着物のなかに長襦袢を着ます。浴衣は薄手で透け感のある素材が用いられ、長襦袢を着ずに下着の上から直接着ます。
基本は手洗いだが洗濯機OKな着物もある
着物を手洗いするときは、大きめの洗濯桶と中性洗剤を用意しましょう。洗濯桶に中性洗剤とぬるま湯を入れて、着物を浸け置きします。目立つしみがある場合は、中性洗剤を含ませた歯ブラシでこすってから浸け置きすると、汚れが落ちやすいですよ。
長時間浸けすぎると、着物が傷んでしまうことがあるので注意してくださいね。水の汚れ具合をチェックして、汚れが落ちていそうなら水ですすいで汚れを落としましょう。すすぎが終われば絞らずに陰干しして、乾かすようにしてくださいね。
干すときの注意点やお手入れの仕方
室内で干す場合は着物用ハンガーを使用して、ある程度シワを伸ばすように干しましょう。ベランダなどの室外で干す場合は、物干し竿を使用して陰干ししましょう。
着用後の着物は体温や湿気を含んでいるので、そのままタンスにしまうと黄ばみやカビの原因となってしまいます。洗濯をしない場合でも、着用後は風通しがよく直射日光の当たらない場所で一日程度ハンガーに吊るしておきましょう。
着物が乾いたらシワがないかを確認して、気になる場合は手早くアイロンがけをしてから畳んで保管するとよいですよ。
子どもの晴れ着はプロに洗濯してもらおう
正絹の晴れ着はおうちで洗えない
最近は着物のレンタルも増えていますが、ママから譲り受けた着物を着る子どももいますよね。着用後に自宅で洗濯をする前に、自宅での洗濯が可能かしっかりチェックしておきましょう。基本的にはポリエステルの着物は手洗いが可能ですが、正絹の場合は自宅で洗濯はできません。
正絹は上質で高価な素材ですが、水に弱い性質です。水洗いをすると、縮んでしまって糸をほどいて再度縫い直す必要があります。正絹は雨に濡れるとしみになりやすく、正しく保管できていないと変色する恐れがあるので注意が必要です。
クリーニングに出すときに注意すること
着物の洗濯に使われる薬剤は、洋服用とは異なります。洋服と同じ薬剤で洗濯されたために、着物にしみや変色ができてしまい、クリーニング前よりも悪い状態になったというトラブルもあるそうですよ。
また洗濯方法も洋服とは異なります。丸洗い後にドライクリーニングをするクリーニング屋さんもあれば、洗い張りといって着物を解いて水洗いをするところもあります。期間や費用も店舗によって違うので、一度見積もりを出してもらうとよいかもしれませんね。
着物のしみぬきで注意すること
ジュースなど飲み物のしみの場合は、まず乾いた柔らかい布を当てて水分を吸い取ります。しみの裏側部分にタオルを当てて、食器用中性洗剤を染み込ませた布で叩きます。ぬるま湯を染み込ませた別の布を用意して、しみ周辺を叩きましょう。乾いた布で軽く水分を吸い取ってから陰干しするとしみぬきができますよ。
食べこぼしの場合は中性洗剤ではなく、ベンジンを使うとよいでしょう。どちらも染色によっては変色する可能性があるので注意が必要です。着物の裏面など目立たない部分で試してから、しみぬきを行ってくださいね。
子どもの着物を汚さない工夫をしよう
事前に準備するとよいもの
着物と草履は子どもにとって動きにくく、不機嫌になってしまうこともありますよね。神社などに参拝するときは、普段から履いている靴と靴下を履かせておいて、写真撮影のときだけ草履を履くとよいでしょう。
またおむつが外れている子どもの場合は、洗濯バサミやクリップを用意しておきましょう。トイレに行くときは、着物の裾を持ち上げて帯上にクリップを留めておけば、着崩れを防ぐことができますよ。
ほかにも寒い時期にお出かけする場合は、大きなストール、着物の下に着せる用のレギンスやスパッツなどの防寒グッズがあるとよいでしょう。