突然の海外転勤!すべてが手さぐりで始まった子連れイギリス生活
我が家のパパは全国転勤のある、いわゆる「転勤族」です。今回はそのなかでも国外への異動を命じられたときを振り返って、事前の準備や赴任後の生活の立ち上げ、子どもの幼稚園のことなどについてご紹介します。同じ境遇の方の一助になれば、幸いです。
異動の内示から引越し準備
ビザがおりたらすぐ赴任?それはいつ?
パパのケースではこの内々示が非常に曖昧で、この時点で3カ国が赴任候補地としてあがっていました。これでは具体的な準備もできないばかりか、先々の予定もたてられず家族としては非常に困ったものでした。
ところが最終的に行先がイギリスと決まってから状況は一転。パパは前任者との引継ぎのため、出張扱いで大至急渡英することに。数週間後にビザの申請のため一時帰国、そしてまたビザがおりるやいなやスーツケースひとつで赴任してしまったのです。
引越し荷物は輸出品扱い
しかし国をまたぐ場合はたとえ私物であってもれっきとした「輸出品」となってしまいます。国外に持ち出せない物もありますし、国によっては持ち込めない物もあります。
もちろん通関手続きについては専門業者にお任せするのですが、手間だったのは荷造りです。関税がかかるので、積み荷の明細を作成する必要がありました。
国内引越しであれば「台所用品一式」で済むところを「鍋2つ」「フライパン3つ」と詳細に記載したうえで、万一のときの保険をかけるために品物の金額も記入しなければなりません。これを家族3人分の荷物一つ一つにしていくのは、大変な重労働でした。
準備したものと手放したもの
もうひとつはパン焼き機です。パンを焼くだけでなく、うどんやおもちも作れるのが魅力でイギリス生活では大活躍しました。
どちらも海外仕様になっているか、変圧器を介して正常に作動するかの確認には気を配りました。そして新品だと関税が高くなるので、一度使ってから荷物に詰めました。
手放さざるをえなかったのは、植木です。植物や土は国外持ち出しができません。新婚時代から大事に育てていたベンジャミンの鉢は実家に預かってもらうしかありませんでした。
もうひとつは車です。手続きが煩雑なこと、任地では会社から貸与されることもあって手放す決断をしました。
渡英直後の生活の立ち上げ
最優先はかかりつけ医への登録
しかし同じくらい重要なのがかかりつけ医、GP (General Practitioner) への登録でした。イギリスはNHS (National Health Service)という国営医療保険制度があり、原則的には無料で診察や治療を受けられます。
この制度を利用する条件がGPへの登録でした。近所の診療所に予約をとり、簡単な健康診断と問診を受けると登録完了。子どもの予防接種のスケジュールや、健診の案内もGP経由でもらいます。
日本の母子手帳にあたる通称レッド・ブックもここで発行されました。子どもの体調や発達など、気になったときに相談する窓口が早々にできたことを心強く感じました。
子どもは日中どこでどう過ごす?
まずは図書館の絵本の読み聞かせ会に参加してみました。しかし内容が理解できない娘は無反応。楽しい時間を過ごすことはできませんでした。
次に向かったのが児童館でした。おもちゃがたくさん置いてあり、自由に遊べる雰囲気を娘は気に入ります。しかし特定のグループが固まっていたりしてちょっと居心地が悪く、自然と足が遠のいてしまいました。
最終的に落ち着いたのが週2回集まる近所の教会の子育てグループでした。のんびりした雰囲気で親子共にリラックスでき、娘は幼稚園入園までの約1年をここで過ごしました。
暮らしに欠かせないママの英語力
仕事で使う英語と、ママとしての英語は語彙も表現も違います。ママ友との会話もスムーズにいかず、スーパーのレジのおばさんの英語は聞き取れず、渡英後ひと月も経たないうちにすっかり打ちのめされてしまいました。
もう英語なんか聞くのもイヤ。そう思ったこともありました。でも自分がやらなければ、情報収集も娘の友だちづくりも何一つ前に進みません。
初心に戻って学び直す決心をし、地元の英語教室に通うことに。そこでたくさんの出会いがあり、結果的に英語力も伸びてようやく生活もしやすくなったのです。
イギリスの幼稚園探しと入園準備
そもそも何歳から通うの?
極端な例をあげれば、産まれたときから住み込みのベビーシッターを雇ったり学齢期になっても家庭教師をつけて通学しなかったりする家庭もあるのです。「周りはこうしている」ではなく、娘にとっては何が最善なのかを考える必要がありました。
イギリスに住んでいる以上、生活のためには現地語である英語を習得する必要がありました。それは幼い娘も同じで、そのためには3歳から通える地元の現地校がベストだと最終的には考えたのです。